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『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』松田翔太インタビュー

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』松田翔太インタビュー

インタビュー・テキスト
小林宏彰
撮影:寺島由里佳
2010/05/21

今やテレビに映画に引っぱりだこの俳優・松田翔太。6月12日に公開予定の主演映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』では、幼い頃から施設で育ち、社会に対して大きな不満を持つ若者、ケンタ役を演じる。今回のインタビューでは、「自分の姿と重なるところもある」という同役や、作品に込めた思い、さらには彼自身のクリエイターとしての姿勢について迫ることができた。彼の内部で熱く燃えたぎる「クリエイターとしての魂」を実感してみてほしい。

(インタビュー・テキスト:小林宏彰  撮影:寺島由里佳)

新しい価値観をつくりあげようとすると、弾かれてしまうんですね

―『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』を拝見し、まず感じたのは「ウソがない」映画だ、ということでした。登場人物が、ただ作品の中で「生きている」ということに、説得力を感じられる作品です。中でも松田さんの全身から発される鋭いオーラに圧倒されたんです。

松田:ありがとうございます。今回の作品では、あまり「演技をしよう」という意識はなかったんですね。「自分をこう見せたい」と考えるのではなく、できる限りナチュラルに、自分が思うように過ごせたらいいなと思い、そういう方法を試してみたんです。共演者にしても、高良健吾くんは本当にジュンのような性格だったし、安藤サクラちゃんもカヨちゃんのような性格でした。あの二人も、僕のことをケンタのような人間だと思っていたので、僕らは役を演じているのか、それとも素なのかわからないような状態にありましたね。

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』松田翔太インタビュー
©2010「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会

―「ナチュラルに演じる」という方法は、松田さんが他の作品に出演される際とは違っていたんでしょうか?

松田:そうですね。他の作品では、登場人物の感情をしっかりつくりあげておかないと、すごく不安になるんです。ちょっとしたシーンでも、しっかり動きを決めて演じているんですが、そうではない自分も見てみたいと常々思っていました。それに挑戦するのはとてもリスクが高いことなんですけど、本作ならできるんじゃないかと。

―ケンタの内面には、生まれ育った環境から来る「怒り」の感情が充満しています。そうしたキャラクター像に、松田さんご自身も共感する部分がありますか?

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』松田翔太インタビュー
松田翔太

松田:ありますね。例えば僕が俳優としてある作品をつくろうとするときに、様々な事情などによって規制が入ってくることがあります。そういうとき、不満を感じたりするんですね。創造性って、本来はとても自由で、わかりにくいもののはずなのに…と。社会に対しても不満を感じるところはあるし、そのあたりケンタの感じている不満や鬱屈と似ているところがあると思います。

―自分を縛ろうとするものに対する不満、ということですかね。

松田:はい。それが、ケンタの中にはもっとストレートな形としてあるんだと思います。じつは僕が俳優をやる原動力も、こうした「怒り」のパワーが大きいんですね。

―ただクリエイターは、オリジナルなことをやろうとすればするほど、社会からはみ出してしまいますよね。それで、縛ろうとする人たちも増えてくる。

松田:新しい価値観をつくりあげようとすると、弾かれてしまうんですね。それはクリエイターに限らず、例えばケンタが施設を抜け出して自由になりたいと考える発想にしても、「一生ここで暮らすんだ」と思っている施設の仲間からすれば「新しすぎる」ものなんです。だから、当然その環境からは弾かれてしまわざるを得ない。でも、僕はそういったケンタの発想を、一部の人にしか理解されないマニアックなものにはしたくないと思っているんです。

―それは、ケンタ当人だけで自己完結した思いのままでは、力を持ち得ないということでしょうか。

松田:はい。自由になるために、新しいドアをどんどん開けていくとしますよね。で、そのドアにカギをかけて閉めてしまうのではなくて、開けっぱなしにしておくのが大事、ということなんです。

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イベント情報

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』

2010年6月12日(土)より新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペース、池袋テアトルダイヤ他全国ロードショー

監督・脚本:大森立嗣
エンディングテーマ:阿部芙蓉美“私たちの望むものは”
音楽:大友良英
キャスト:
松田翔太
高良健吾
安藤サクラ
宮崎将
柄本佑
洞口依子
多部未華子
美保純
山本政志
新井浩文
小林薫
柄本明
配給:リトルモア

プロフィール

松田翔太

1985年生まれ。東京都出身。2005年、スペシャルドラマ『ヤンキー母校に帰る 旅立ちの時 不良少年の夢』で俳優デビュー。2007年、主演映画『ワルボロ』(隅田靖監督)により第62回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞。2008年、主演映画『イキガミ』(滝本智行監督)他により第21回日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎新人賞受賞、2009年には同作にてエランドール賞新人賞を受賞した。その他『花より男子』や『LIAR GAME』等、テレビや映画の数々の話題作に出演している。

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