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「愛と平和」を歌うワケ 藤井フミヤインタビュー

「愛と平和」を歌うワケ 藤井フミヤインタビュー

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:柏井万作
2010/09/29

愛をなくすっていうことが、いちばん怖いんだよね。だから、その愛というものを歌うしかないんだよ、俺は。

―フミヤさんが歌っていきたいものは、やっぱりド真ん中のポップス=詞に重点を置かれたものですか?

藤井:ミュージシャンっていうのは、基本的に「愛と平和」しか歌えないと思うのよ。これが小説とか映画との違いであって。猟奇殺人みたいなものは歌にできないわけさ。ごく例外を除いては。めちゃくちゃハードなパンクとかでも、そんなの歌ってもしょうがないもんね。

―不快な気持ちになるだけですからね。

藤井:「ぶっ殺せー!」っていうのもあるかもしれないけど(笑)、やっぱり基本は愛と平和。いま、突然狂って人を刺し殺しちゃうヤツとかも、愛が足りなかったんだもんね。

―最終的にはそうなんでしょうね。

藤井:掴み所がないようで、それがないと人間は生きていけないっていう不変なものが愛だと思うんだよ。その愛をなくしてしまったから、どうしようもなくなって、ああいう結果になってるんじゃないかなって。愛をなくすっていうことが、いちばん怖いんだよね。だから、その愛というものを歌うしかないんだよ、俺は。ただ、これがね、教科書とかがないのよ。

―ないですね。

藤井:だから、そこを歌い続けるしかないんだろうなと思って。

―最終的にフミヤさんが目指す理想形はどんなものなんでしょう?

藤井:あるんだけどね、絶対無理になっちゃうんだよ。チェッカーズの頃に、若気の至りで“I have a dream”っていう歌を作ったんだけど、それはキング牧師の「I have a dream」って言葉に感動して作ったの。「違う肌の色で生まれても、愛し合えるような世界がきたらいいね」とか、「違う宗教で生まれても、愛し合えるような世界がきたらいいね」みたいなことを歌ってて。

―ジョン・レノンの“Imagine”みたいですね。

藤井:そうそう。それで、「昨日のことは変わらないけど、明日のことは変えていけるじゃないか」って。めちゃくちゃ大胆なことを歌ってるのよ。

―すっごい、いい歌詞じゃないですか!

藤井:でも、若気の至りなわけさ。世の中のこと何も知らないくせに、人間なんて兄弟みたいなもんじゃないかって歌ってて。それって、いちばん難しいことなんだよね。そんなに素直に国境も超えて、人種も超えて、宗教も超えてとか、いまだったらそんな曲は作れないと思うんだよ。

―いろいろ考えたら簡単には言えないですよね。

藤井:言えないよね。隣の韓国とか中国だって、まだ目に見えないような壁があるし。おばちゃんたちは簡単に越えちゃったけど(笑)。

―そうですね(笑)。でも、最近は若者も越えだしました。今後はそういうことを堂々と歌うことが目標になるんですか?

藤井:そうだねー。大人になると逆に歌えなくなってくるんだなって。俺たちの場合は日本語で歌うしかないじゃない。そうなると“Imagine”みたいなものを歌われてもピンとこない。テポドンが上を飛んでっても、「へぇ〜」みたいな感じで生きてるから。だから、身近な愛を歌わないと気付かないんだよね。

先生の言うことも聞かない、親の言うことも聞かない反抗期でも、大好きなミュージシャンの歌は聞くからね。そこで愛とか道徳を教えないと。

―そういう意味では、今回の“今、君に言っておこう”は、まさに身近な愛を歌ってますよね。

藤井:そうだね。「命ってなんだ?」みたいなことは、あんまり考えたことがないというか。命って、実は与えられた時間だと思うんだよ。何も知らずに生まれてきて、どこがゴールかっていうと、死っていうね。本当に奇跡的なDNAの繋がりで、いま俺たちは存在していると思うんだけど、そこら辺をうまい具合にポップスに乗せて伝えていければなって感じはあるね。

―すごく壮大な目標ですよね。でも、僕はド真ん中のポップスを歌われてる方が、そういう大きな考えを持たれていることがわかって、本当にうれしいです。

藤井:ある意味、ちっちゃい宣教師みたいなもんだよね。先生の言うことも聞かない、親の言うことも聞かない反抗期でも、大好きなミュージシャンの歌は聞くからね。そこで愛とか道徳を教えないとっていうのがある。

―そういう意味では、フミヤさんはもちろん、矢沢永吉さんとか、長渕剛さんとかは、そこら辺の政治家よりも全然すごいと思うんです。

藤井:音楽って、そういう強さなんだよね。だから、宗教でも、スポーツでも、国家でも、全部歌があるじゃない。音楽は大量の人間を同時に動かせる力を持っているから。

―確かに! これからのフミヤさんの活動も楽しみです!

藤井:別に出馬はしないけどね(笑)。まぁ、歌によって感動したりとか。そういうことだよね。逆に言えば、それしかできないけど。

―それがいま自分に与えられた役割というか。

藤井:そうだね。もし世の中の役に立ってることがあるとすれば、そのくらいじゃないかな。

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イベント情報

FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2010
『Sweet Groove』

2010年11月13日(土)
会場:千葉県 市川市文化会館 大ホール

2010年11月14日(日)
会場:千葉県 市川市文化会館 大ホール

2010年11月20日(土)
会場:滋賀県 びわ湖ホール 大ホール

2010年11月21日(日)
会場:香川県 サンポートホール高松 大ホール

2010年11月23日(火・祝)
会場:愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール

2010年11月27日(土)
会場:広島県 広島ALSOKホール

2010年11月28日(日)
会場:福岡県 福岡サンパレス

2010年12月4日(土)
会場:大阪府 大阪国際会議場 グランキューブ大阪メインホール

2010年12月9日(木)
会場:栃木県 足利市民会館大ホール

2010年12月11日(土)
会場:長野県 東御市文化会館サンテラスホール

2010年12月12日(日)
会場:岐阜県 多治見市文化会館

2010年12月17日(金)
会場:東京都 アミューたちかわ大ホール(立川市民会館)

2010年12月18日(土)
会場:兵庫県 神戸国際会館こくさいホール

2010年12月25日(土)
会場:新潟県 新潟県民会館 大ホール

2011年1月16日(日)
会場:福島県 福島県文化センター 大ホール

2011年1月22日(土)
会場:大阪府 大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール

2011年1月23日(日)
会場:大阪府 大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール

2011年1月29日(土)
会場:埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール

2011年1月30日(日)
会場:埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール

2011年2月10日(木)
会場:埼玉県 サンシティ越谷市民ホール 大ホール

2011年2月11日(金・祝)
会場:東京都 東京エレクトロンホール宮城

2011年2月18日(金)
会場:兵庫県 尼崎アルカイックホール

2011年2月19日(土)
会場:京都府 京都会館第一ホール

2011年2月26日(土)
会場:東京都 東京国際フォーラム・ホールA

料金:6,800円(指定)※未就学児童入場不可

リリース情報

藤井フミヤ<br>
『今、君に言っておこう』初回生産限定盤(CD+DVD)
藤井フミヤ
『今、君に言っておこう』初回生産限定盤(CD+DVD)

2010年9月22日発売
価格:1,500円(税込)
AICL-2175〜2176

1. 今、君に言っておこう
2. ひとみ
3. 今、君に言っておこう(Acoustic Version)
[DVD収録内容]
1. 今、君に言っておこう (MUSIC VIDEO)-「おにいちゃんのハナビ」Spin Off Version-
2. 今、君に言っておこう (MUSIC VIDEO)-Fumiya Only Version-

作詞・作曲:藤井フミヤ
スーパーバイザー:小田和正

藤井フミヤ<br>
『今、君に言っておこう』通常盤
藤井フミヤ
『今、君に言っておこう』通常盤

2010年9月22日発売
価格:1,223円(税込)
AICL-2177

1. 今、君に言っておこう
2. ひとみ
3. 今、君に言っておこう(Acoustic Version)

作詞・作曲:藤井フミヤ
スーパーバイザー:小田和正

プロフィール

藤井フミヤ

1962年7月11日、福岡県生まれ。83年、「チェッカーズ」としてデビュー。93年以降、ソロアーティストとして活躍。『TRUE LOVE』や『Another Orion』等ミリオンヒットを世に送り出し、あらゆる世代から支持を得る。2008年、デビュー25周年を迎え、翌年にかけて2枚のコラボアルバムを発表。2010年9月には、映画『おにいちゃんのハナビ』主題歌となる3年半ぶりのニューシングル『今、君に言っておこう』をリリース、11月からは全国ツアー『Sweet Groove』開催。

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