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生活のふとした一瞬を捉える 鳥頭(バードヘッド)インタビュー

生活のふとした一瞬を捉える 鳥頭(バードヘッド)インタビュー

インタビュー・テキスト
小山ひとみ
撮影:小林宏彰
2011/04/08

上海生まれ、上海育ちのアートユニット鳥頭(バードヘッド)。ときに愛情を注ぎ、ときに客観的なまなざしで上海の街や人間の変化を見続けてきた。自分たちの身近な存在にカメラを向け、めまぐるしい発展を遂げる上海のノンフィクションを写真で発信。「八〇後」(中国で1980年代に生まれた世代の通称)世代のふたり、ソン・タオ(SONG Tao)とジ・ウェイユィ(JI Weiyu)が何を想い、いかに写真と向き合っているのか、リアルな声を聞いた。

ふたりで同じ方向を向いて進んでいく、それが面白いんです

─今年の『アーティスト・ファイル2011』の出展アーティストのなかでは唯一のアートユニットでもあるわけですが、鳥頭(バードヘッド)というユニット名の由来を聞かせてください。以前、あるインタビューの中で「普通の回答とふざけた回答、2種類の回答がある」と答えていましたが。

S:そうですね。まず、「なぜユニット名が鳥頭(バードヘッド)というのか?」という質問でしたが、それでは「なぜRADIOHEAD(中国語で収音機頭)という名前なのか考えたことがありますか?」ということです。これがふざけた回答です(笑)。また普通の回答ですが、ユニットを組み始めたころ、フィルムで撮影した作品をスキャンしてパソコンに取り込み、フォルダの中に保存するという作業をしていました。そのフォルダに何か名称をつけようと適当に打ち込んだときに出てきたのが「鳥頭」という文字だったというわけです。

生活のふとした一瞬を捉える 鳥頭(バードヘッド)インタビュー
右:ソン・タオ(S)

─中国では、ユニットとして作品を創作し発表するという形式を取っているアーティストはまだ少ないと感じているのですが、なぜユニットとして活動をするのでしょうか。ひとりでの活動と何か大きな違いはありますか?

J:全然違うと思いますね。

S:そうですね、全然違いますね。都合がいいときもあれば、結構面倒なときもありますけどね(笑)。ひとりでの活動だと、自分がこれで「OK」と思ったらそれでOKなんです。「NO」と思ったらNO。自分ひとりで処理をするわけです。それがふたりでの活動となると、自分自身に向き合うだけでなく相手とも向き合わなければならない。互いに相手の気持ちや考えをくみ取る必要が出てきます。もちろん、意見の相違や衝突はありますが、ふたりで同じ方向を向いて進んでいくというのはとても面白いと感じています。

バードヘッド《無題》2009年
バードヘッド《無題》2009年

─先ほど展示作品を拝見しましたが、写真の配列やレイアウトはふたりで相談しながら決定したのですか?

S:自分たちの感情のままにレイアウトを組みました。言葉で表現するのは難しいのですが、作品を見た人それぞれが思い思いに感じ取ってくれたらいいですね。それが、まさに私たちの表現したいことでもあります。

─モノクロとカラーの写真が展示されていますが、撮影する時、モノクロ、カラーと意識するのでしょうか?

J:その時によって違いますが、「この被写体にはモノクロの方がいいな」「カラーがいいな」と使い分けて撮影する場合もあります。

S:モノクロのフィルムが入っていると思って撮影し、プリントしてみたらカラーだったという意外性が出たこともありましたね(笑)。

2/4ページ:1枚の写真を深く掘り下げるのではなく

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イベント情報

『アーティスト・ファイル2011 ―現代の作家たち』

2011年3月16日(水)~6月6日(月)
会場:東京都 六本木 国立新美術館 企画展示室2E
時間:10:00~(閉館時間については美術館に直接問い合わせ、入場は閉館の30分前まで)

出品作家:
クリスティン・ベイカー
バードヘッド
タラ・ドノヴァン
岩熊力也
鬼頭健吾
松江泰治
ビョルン・メルフス
中井川由季

休館日:火曜(5月3日(火・祝)、5月10日は開館)
料金:
一般当日1,000円 前売800円
学生当日500円 前売300円

プロフィール

BIRDHEAD(鳥頭)

ソン・タオ SONG Tao(1979~)上海(中国)に生まれる。現在、上海在住。ジ・ウェイユィ JI Weiyu(1980~)上海(中国)に生まれる。現在、上海在住。バードヘッドは、上海美術工芸学校出身のソン・タオとジ・ウェイユィによって、2004年に結成されたユニット。2005年から本格的に活動を開始し、中国を拠点に様々な展覧会に参加する。2007年には作品集『Birdhead 2006 Album』を発表。1980年代の改革開放政策以降、近代都市へと急激な変貌を遂げた上海の日常生活を、簡易なカメラで撮影するバードヘッド。「都市」が内包する混沌としたエネルギーとそこに暮らす若者たちの戸惑いや孤独をテーマに、中国の現状を素直に現している点が高く評価されており、近年は中国国内だけでなく欧米にも活躍の場を広げている。

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