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ROVO(勝井祐二・益子樹) インタビュー

ROVO(勝井祐二・益子樹) インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/04/20

1回モノトーンにしてみて、その白黒の世界にどういう色をつけていこうか考えるって感じですね。

―では、実際の制作はどのように進められたのですか?

勝井:聴いてもらえればわかると思うんですけど、ギターとバイオリンがほとんど使われてないんですよ。オリジナルテキストである『RAVO』の曲を成立させてるそういった要素を1回外してみて、それ以外で聴いてみる。ドラムだけ、ベースだけ、そういうところから始めますね。

―例えば、1曲目の“TANGER DUB”は、すごくリズムの展開が多い曲ですよね。

勝井:“TANGER”みたいに、すごく展開の多い、リズムの変化が多い曲を、オリジナルの時間軸に沿ってダブ・バージョンを作るのって、結構難しいんです。なぜかっていうと、ギターとかバイオリンっていう、曲の変化を成立させてる楽器を省いて作ろうとしてるわけだから、変化する必然性がわかんなくなってくるんですよ。「あれ? 俺たちなんでこんなことしてんの?」って(笑)。

―(笑)。

益子:色彩で言ったら、1回モノトーンにしてみて、その白黒の世界にどういう色をつけていこうか考えるって感じですね。もちろん、ドラムもベースもパーカッションも、それはそれで色彩豊かなんですけど、全体の色合いからいくつか色を抜いていって、どんな色で見せるのが面白いかをもう1回考えるっていう作業だと思うんです。

ROVO(勝井祐二・益子樹) インタビュー
益子樹

―なるほど。

益子:あとはさっき言った時間軸に沿った状態で作業をするのが有効な曲か、それとも、ある一部を抜粋するか。つまりは、ダブミックスじゃなくて、リミックス的な作業が向いてる曲かどうかの判断から始めるって感じです。

勝井:リミックスとダブはベクトルが全然違うと思うんですね。リミックスは、音を素材として扱って再構築するわけで、もちろんリミックス的な手法で作ってる曲もあるんだけど、今回は元々ある曲を違う読み方をするっていう意識の方が強い。どっちかって言うとレゲエのダブに近くて、もっと言うと、さっき言ったようなポストパンクの発想に近い。

―異化作用ということですよね。

勝井:あれらはもう30年以上前の作品ですけど、聴いたときの衝撃は今でもすごくあって、僕と山本さんはそれをすごく共有してると思うんです。ダブアルバムを作るっていうのを僕が考えて、「じゃあ、振り分けてやりましょう」って山本さんに言ったら、「僕はこういう作業はプロだから任せてくれ。むしろ本職だ」って言ってて(笑)。

ROVO(勝井祐二・益子樹) インタビュー

僕ら今まで人にリミックスをしてもらいたいと思ったことは一度もないですからね。

―リミックスとダブを、かなり明確に線引きしていらっしゃるんですね。

勝井:リミックスって、元々はロックとかポップスの曲を、クラブでかけるようなダンスビートの曲にするために、元々の素材にビートを追加する、みたいのが多かったじゃないですか? そうじゃなくて、素材の読み解き方の立脚点を変える、違う次元の表現をするっていうことを僕らは意識してるんですよね。

―ロックの曲にただ四つ打ちを合わせて、「リミックス」って言ってるようなのも未だにありますからね。それとは大きく異なりますよね。

勝井:リミックスのCDとかほとんど興味ないし、聴かないですね。僕ら今まで人にリミックスをしてもらいたいと思ったことは一度もないですからね。

―ああ、そう言われると、確かにROVOのリミックスってないですよね。意外ですけど、話を聞いて納得です。じゃあ、さらにお聞きすると、レゲエのダブと今回のダブの違いっていうのを、リミックスとの違い同様に説明していただけませんか?

勝井:俺レゲエの人じゃないからレゲエのことは簡単には言えないけど…レゲエのダブって元々シングルのB面じゃないですか? シングルのB面のカラオケを、どう面白く聴かせるかっていう発想ですよね。

益子:あったもの(歌)がない状態から始めるっていうのが、ダブ的な発想だと思うんです。レゲエのシングルにしても、カラオケっていうのはメインのメロディっていう主軸がないわけですから、それをどう面白くするかっていう発想は、今回僕らがやったことに近いと思うんですよね。

3/4ページ:優劣はなくて、あるとしたら、誰と一緒にやるか。

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リリース情報

ROVO『RAVO DUB』
ROVO
『RAVO DUB』

2011年4月27日タワーレコード限定発売
価格:2,415円(税込)
WRCD-49

1. TANGER DUB
2. ECLIPSE DUB
3. BAAL DUB
4. RMDUB
5. SINO+DUB

イベント情報

ROVO presents
『MDT FESTIVAL 2011』

2011年5月22日(日)
会場:東京都 日比谷野外音楽堂

出演:
ROVO
ZAZEN BOYS
七尾旅人

料金:前売4,500円

『ROVO TOUR 2011』

2011年5月13日(金)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO
出演:ROVO
VJ:迫田悠
料金:前売3,500円 当日4,000円(ドリンク別)

2011年5月14日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 梅田 Shangri-La
出演:
ROVO
sgt.
Nabowa
料金:前売3,800円 当日4,300円(ドリンク別)

2011年5月15日(日)OPEN 17:30 / START 18:30
会場:京都府 磔磔
出演:ROVO
VJ:迫田悠
料金:前売3,500円 当日4,000円(ドリンク別)

プロフィール

ROVO

勝井祐二(Vln)、山本精一(Gt)、芳垣安洋 (Dr,Per)、岡部洋一(Dr,Per)、原田仁(Ba)、益子樹(Syn)。「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。『フジロック・フェスティバル』『ライジングサン・ロックフェスティバル』『メタモルフォーゼ』『朝霧JAM』など、大型フェス/野外パーティーにヘッドライナーとして連続出演。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

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