特集 PR

岸田繁(くるり)×佐藤良成(ハンバートハンバート)対談

岸田繁(くるり)×佐藤良成(ハンバートハンバート)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

基本的に、音楽に「正しい」とか「間違い」という概念は存在しない。数学のように明確な答えがあるわけではなく、他の芸術と同様に、人それぞれが自由に感じられるからこそ、音楽は素晴らしい。もちろん、その人なりの尺度・物差しの中で「正しい」とか「間違い」があるのは当然で、その基準が近い人だと、「音楽の趣味が合う」ということになるのだろう。今回対談をしてもらったくるりの岸田繁と、ハンバート ハンバートの佐藤良成は、まさにその基準が非常に近い2人。トラッドフォークやロックに対する愛情、メロディと日本語の関係をとても大事にしていることなど、とても共通点が多く、佐藤がくるりのレコーディングやライブにサポートとして参加し、近年急接近を果たしたことも納得なのである。話の節々に出てくるひねくれた言葉(というか、ほぼ悪口ですね)から、掛け値なしのミュージックラバーであるお互いに対する信頼がひしひしと伝わってくる、とてもいい対談になった。

なんかね…こいつが詩人なんですよ。(岸田)

─お2人が初めて会ったのは、「ルーマニアのバンドのライブのバックステージ」だったと岸田さんがコメントされてますよね。

岸田:タラフ・ドゥ・ハイドゥークスっていうジプシーの楽団がいるんですけど、その人らを自分たちのイベントに呼んだんですね。そのとき世話になったプロモーターが、ハンバートのプロモーションをやってらして。

佐藤:俺は普通にそのライブを見に行って、終わってから「はじめまして」って。

岸田:第一印象、悪かったなー。

佐藤:そうですよね…どこ行ってもそうなんです(笑)。

岸田:そのときに音源もらったよね?

佐藤:確か、渡しましたね。

岸田:見た目からしてストリート系の音楽かなと思ってたんですけど、全然違ってた(笑)。

佐藤:とにかく印象が悪かったんですね(笑)。

岸田:でも、俺だって誰に対しても印象最悪やから(笑)。もらったCDだって聴かなかったりするし。

岸田繁(くるり)×佐藤良成(ハンバートハンバート)対談
左:岸田繁(くるり)、右:佐藤良成(ハンバートハンバート)

─そうなんですか?

岸田:(その人が)対バンしてるメンツを見て、「ああ、そういうのやろ」とか判断しちゃうことが多いんです。

佐藤:思う思う、聴きもしないのに。

岸田:だから(もらったCDとか)あんまり聴かないんですけど、相方の佐藤がハンバートのこと知ってて、聴いてみたら、好きな曲が何曲かあったんですよね。それでライブ見て…嫉妬したって言ったらちょっと違うんですけど…なんかね、もちろん遊穂さんの歌がすごいかっこいいし、女の子に生まれたらあんな声に生まれたいと思うけど、そういう同業者としての興味とかじゃなくて。なんかね…こいつが詩人なんですよ。

─詩人、ですか。

岸田:そうです。あの…詩の朗読ってあるじゃないですか?

─はい、ありますね。

岸田:大っ嫌いなんですよ。

─(笑)。

岸田:「そんなもん自分で読むわ!」とか思うんやけど、(佐藤は)そうじゃなくて、ステージに立って、ちょっとポロンとやったり、何か歌い出したりとか、詩なのか物語なのかわからんけど、必要最低限の、ホンマに言いたいことだけで、全部伝わってくるんですよ。男っぽい、骨のある音楽やなって。こいつ自身に骨があるかどうかは別として。

佐藤:(笑)。

岸田:なんか褒め過ぎやな…。でもほんと、イラっとすんなあ…っていうぐらい、めちゃくちゃ持っていかれて。最初に見たときもそうやし、去年見たときも、一緒にやったときもそう。ああそういえば、音博(京都音楽博覧会)のときに(佐藤が)つけてたあのサングラスはいらんかったけどな(笑)。

2/4ページ:そこを真面目にやる人勝つよ、絶対。やってない人多いもん。(岸田)

Page 1
次へ

リリース情報

ハンバートハンバート『ニッケル・オデオン』通常盤
ハンバートハンバート
『ニッケル・オデオン』通常盤

2011年7月6日発売
価格:2,300円(税込)
ユニバーサルJ / UPCH-1318

1. みじかいお別れ
2. ゆうべは俺が悪かった
3. 君と暮らせば
4. 桶屋
5. 好きになったころ
6. おじさんと酒
※初回限定盤(価格:3,000円)付属のDVD収録内容
・雑貨屋、ベーカリー、カフェなど、金沢の魅力スポットをハンバートハンバートが訪ねる映像
・ “おなじ話”“罪の味”“アセロラ体操のうた”などを収録したライブ映像

くるり『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER 2』
くるり
『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER 2』

2011年6月29日発売
価格:2,800円(税込)
VICL-63760

1. 奇跡
2. 旅の途中
3. さよならリグレット
4. キャメル
5. シャツを洗えば/くるりとユーミン
6. かごの中のジョニー
7. 恋人の時計
8. ブレーメン
9. 三日月
10. 最終列車
11. 魔法のじゅうたん
12. ジュビリー
13. 言葉はさんかく こころは四角
14. 鹿児島おはら節

プロフィール

ハンバート ハンバート

1998年結成、佐藤良成と佐野遊穂による男女デュオ。2001年CDデビュー。2005年のシングル「おなじ話」が各地のFM局でパワープレイとなったのをきっかけに、東京を拠点としていた活動を全国に広げる。テレビ・映画・CMなどへの楽曲提供多数。最近ではニチレイアセロラシリーズのCMソング”アセロラ体操のうた”が話題に。2011年7月6日最新ミニアルバム『ニッケル・オデオン』リリース予定。

くるり

1996年結成。1998年シングル『東京』でメジャーデビュー。ロックシーンで独特な浮遊感を発揮し、その音楽性はアルバム毎に多様な色彩を帯びつつも、いずれの作品も高い人気を誇っている。6月29日には映画『奇跡』の主題歌”奇跡”を含むベスト盤『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER 2』をリリース。また、今年9月には地元、京都で自らが主催する野外音楽イベント『京都音楽博覧会』が5周年を迎える。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

Bullsxxt“Stakes”

ラッパーのUCDを中心とする5人組ヒップホップバンド、Bullsxxtによる1stアルバムから“Stakes”のMVが公開。絡み合う枠線の中で自由に揺れる彼らを街の光が彩る映像は、まるで青春映画のよう。アーバンメロウな生音ヒップホップに耳が喜び、胸が高鳴ります。(井戸沼)

  1. アメリカのユネスコ脱退にニューヨーク・メトロポリタン美術館が声明発表 1

    アメリカのユネスコ脱退にニューヨーク・メトロポリタン美術館が声明発表

  2. カズオ・イシグロ原作ドラマ『わたしを離さないで』が地上波で連日再放送 2

    カズオ・イシグロ原作ドラマ『わたしを離さないで』が地上波で連日再放送

  3. 高橋一生と二人鍋気分が味わえる動画公開 Mizkan『一生さんと〆チェン』 3

    高橋一生と二人鍋気分が味わえる動画公開 Mizkan『一生さんと〆チェン』

  4. 有安杏果に取材。ももクロとは異なる、ソロで見せる大人びた一面 4

    有安杏果に取材。ももクロとは異なる、ソロで見せる大人びた一面

  5. CINRAが贈る新イベント『CROSSING CARNIVAL』 12月に渋谷2会場で初開催 5

    CINRAが贈る新イベント『CROSSING CARNIVAL』 12月に渋谷2会場で初開催

  6. 柳楽優弥と有村架純がWOWOW新CMで初共演 柳楽は謎の鼻歌男に 6

    柳楽優弥と有村架純がWOWOW新CMで初共演 柳楽は謎の鼻歌男に

  7. ZAZEN BOYSからベース・吉田一郎が脱退「あらたな一個の肉の塊」に 7

    ZAZEN BOYSからベース・吉田一郎が脱退「あらたな一個の肉の塊」に

  8. 香取慎吾がアート展に作家として登場 「新しいこと、始まってます」 8

    香取慎吾がアート展に作家として登場 「新しいこと、始まってます」

  9. 木村拓哉が初の刑事役&長澤まさみと初共演 映画『マスカレード・ホテル』 9

    木村拓哉が初の刑事役&長澤まさみと初共演 映画『マスカレード・ホテル』

  10. 歌う心理カウンセラー心屋仁之助、苛立ち疲弊する日本人に助言 10

    歌う心理カウンセラー心屋仁之助、苛立ち疲弊する日本人に助言