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音楽のためにシーンを逸脱する勇気 LITEインタビュー

音楽のためにシーンを逸脱する勇気 LITEインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:木下夕希
2011/06/29

アーティストが自身の作品に対して、自信を持って「満足できた」と語ることのできるタイミングというのは、決して多くない。多くのアーティストが言うように、そのときの最大限で完成させた作品でも、リリースをしてしまえば「ここをこうすればよかった」という点が見えてきてしまうもので、逆に言えば、それが次の作品を作るモチベーションになるわけだ。よって、「満足できた」という話を聞くことのできるインタビューはとても貴重であり、それがそこにたどり着くまでの苦労を見てきたアーティストに対するものであれば、その喜びはひとしおというものだ。2008年の2ndアルバム『Phantasia』で、「国内インストバンドの雄」というポジションを確立したLITEだが、彼らに言わせればそれは「シーンと揃ってしまった」ということであり、そこから、その壁を突き破るための苦難の日々がスタートしたのである。それから3年、新しい楽器を取り入れ、海外でも活発な活動を続けてきたLITEは、新作『For all the innocence』で、遂に真のオリジナリティを手に入れた。それは、とても感動的なことだ。

今まで思ってた「LITEっぽさ」を取り外しても、LITEっぽくなるんだなっていうのが大きかったんです。(武田)

―前々作の『Turns Red EP』や、前作の『Illuminate』は、「過程の作品」だと仰ってましたが、新作『For all the innocence』は明確に新しいLITE像を提示した素晴らしい作品になったと思います。実際、手応えはいかがですか?

音楽のためにシーンを逸脱する勇気 LITEインタビュー
武田

武田:珍しく満足度はすごく高いです。いつもその時点の最高のものを作ってる感覚はあるんですけど、すぐに「やっぱりこうやりたかったな」って想いが出てきちゃうんですね。でも、今回はやりたいことをやれたっていう充実感がまず来て、「これでよかったな」って思えたんです。

―もちろん、『Turns Red EP』と『Illuminate』での実験も踏まえてるし、さらに言えばそれ以前のロックバンドらしいLITEもちゃんと踏まえて、すごくオリジナルな作品になったと思うんですよね。

井澤:今仰っていただいた通り、今までを全部踏まえて、それを最大限に広げることができたと思います。今までのLITEは、意識的に耳を傾けながら聴く音楽だったんですけど、今回は、生活の中でポチッと再生したくなるような音楽として成り立ちつつ、聴こうと思って聴くと、すごい面白い展開も聴ける、絶妙なバランスで作れたんじゃないかなって。

―では、実際に『Illuminate』以降の制作はどのように進んでいったんですか?

武田:『Illuminate』を発表した後、最初にできた曲が“Rabbit”だったんですけど、1番でっかいチャレンジだったのがメジャーコードの進行をメインに使ったことですね。

―それは何かきっかけがあったんですか?

武田:今となっては、そもそも何でメジャーコードを使ってなかったのかもよく覚えてないぐらいなんですよ(笑)。

―今までもやってみたことはあったけど、上手くできなかったとか?

武田:だいぶ昔、LITEの前身バンドをやっていた時にやろうとしたことがあったはあったんですけど、上手く作れなくて。それとは違う、マイナー調というか、硬質な感じで作ったら上手くいったから、それをずっと「LITEっぽさ」としてやってきてたんです。でも“Rabbit”を作ってみて、「LITEっぽく作ろう」って考えなくても、作ってみたら「LITEっぽいじゃん」って感覚になれた。そこで自分の中で確信を得たというか。今まで思ってた「LITEっぽさ」を取り外しても、LITEっぽくなるんだなっていう発見が大きかったんです。そこがアルバムの土台というか、全体像の始まりでした。

2/4ページ:これはホントすごい…作ってる最中ずっと興奮してたんですけど(笑)

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リリース情報

LITE『For all the innocence』
LITE
『For all the innocence』

2011年7月6日発売
価格:2,000円(税込)
IWTM-1001D

1. Another World
2. Red Horse in Blue
3. Rabbit
4. Pelican Watched As The Sun Sank
5. Rebirth
6. Pirates and Parakeets
7. Chameleon Eyes
8. Cat Cat Cat
9. Duck Follows an Eccentric
10. 7day Cicada
11. Mute Whale
※初回生産限定盤のみ、紙ジャケット仕様、ボーナストラックのダウンロードコード/セルフライナーノーツ封入

イベント情報

『For all the innocence tour』

2011年7月22日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:石川県 金沢 VANVAN V4
出演:
LITE
nhhmbase
deafest
NINGEN OK
the girlfishing in her room
料金:前売2,000円(ドリンク別)

2011年7月23日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:長野県 上諏訪 DOORS
出演:
LITE
nhhmbase
and more
料金:2,000円(ドリンク別)

2011年7月24日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL
出演:LITE
料金:前売2,800円(ドリンク別)

2011年8月20日(土)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 鰻谷 SUNSUI
出演:LITE
料金:前売2,800円(ドリンク別)

2011年8月26日(金)OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:LITE
料金:前売2,800円(ドリンク別)

プロフィール

LITE

2003年結成、4人組インストロックバンド。プログレッシブで鋭角的なリフやリズムからなる、 エモーショナルでスリリングな楽曲は瞬く間に話題となり、同時に海外リリース、ヨーロッパ、USなどでツアーを行うなど国内外で注目を集めている。 FUJI ROCK FESTIVAL'10の出演や、BATTLES、 !!!(チック・チック・チック)などの来日アーティストとの共演など、インストロック・シーンの中でも、最も注目すべき存在のひとつとなっている。

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