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園子温×神楽坂恵×アラーキーが語る映画『恋の罪』

園子温×神楽坂恵×アラーキーが語る映画『恋の罪』

テキスト・構成
宮崎智之(プレスラボ)
撮影:小林宏彰

「『恋の罪』なんていう悪い作品を撮ってるから、健在だなって」(荒木)

―神楽坂さんに、今後の意欲についてお聞かせ願いたいのですが。

神楽坂:私はスクリーンの中でちゃんと生きている人になりたいと思います。とても大雑把かもしれないですけど。

―今の言葉を受けて、監督はどのように感じますか?

:そうですね…いや、荒木さんとお会いするのが久しぶりで…。

荒木:前よりずいぶん品が良くなっちゃったんじゃない?(笑)。いつもアタシはね、写真を撮るとき、女性を「景色」にしたいんだよ。被写体本人に捧げたいっていうかさ。でも、園子温監督の場合は自分に捧げてんだよね。

『恋の罪』より ©2011「恋の罪」製作委員会
映画『恋の罪』より ©2011「恋の罪」製作委員会

―という荒木さんの解説がありましたが、『恋の罪』では田村隆一さんの『帰途』という詩が引用されていますよね。実は田村さんと荒木さんは共著を出されている間柄でもあります。

荒木:そういえば監督と知り合ったのも、まだ詩人の時だったよな(※園監督は17歳で詩人デビューし、『ユリイカ』『現代詩手帖』などに作品を発表。「ジーパンをはいた朔太郎」と称された)

:ええ。一番最初にお会いしたのは、1994年、『部屋 THE ROOM』っていう映画を観ていただいた時だと思います。滅茶苦茶な時代だったんで、いろいろご迷惑をかけた記憶が…。

荒木:ところでなんだっけ、お父さんが亡くなったっていう映画…。

:『ちゃんと伝える』(2009年)ですか。

荒木:ああ、そうそう、あれは良かったね! あれから園監督は変わりつつあるんじゃない? ちゃんとした人間になったっていうか、深まったっていうかさ。単純に発情してるんじゃなくて、ちゃんと発情してるっていう感じがするよ(笑)。

―監督が可愛い少年みたいになってきましたね(笑)。5 年前に園監督のポートレートも荒木さんが撮影されたと聞きましたが。

荒木:そうそう、その時に「ちゃんとした男になっちゃったなぁ」って思ってさ、がっかりしてたんだけど。そのあと、また、『恋の罪』なんていう悪い作品を撮ってるから、健在だなって(笑)

アラーキーも絶賛した「ソーセージ」のシーンとは?

荒木:あと、『恋の罪』では、あれが面白かったね、ソーセージ! 神楽坂さんがスーパーのアルバイトでソーセージを売ってんだけど、だんだん(試食の)ソーセージが大きくなってくんですよ。これが一番良かった。

―神楽坂さんが演じられている主婦がですね、女として開花していく、その流れとともに売ってるソーセージが大きくなっていくっていう。

荒木:大きさが変わっていくと、表情も変わっていく、あれがいいよな。

―荒木さんにもっとお話をお伺いしたいところなんですけれども、そろそろお時間となってしまいました。最後に一言ずつお願いします。

:『恋の罪』も『アラキネマ』に負けない感じで、神楽坂恵の魅力が満載です。11月にテアトル新宿ほかで上映されますので、是非、観にきてください。宜しくお願いします。

神楽坂:こんなに素晴らしい日を過ごすことができ、とても嬉しく思っています。出会いが大切だと本当に思いました。これからも自分の気持ちに素直に頑張っていきます。ありがとうございました。

ヴェネチアからの吉報が届き、新作への期待が最高潮に達していた中でのトークショー。途中、アラーキーからの鋭い突っ込みに園監督がたじろぐ場面もあり、鬼才と呼ばれる監督の新たな一面を見ることもできた。しかし、作品に対する自信は、まったく揺らぐことはない。監督自ら「『恋の罪』は本当に気に入っている作品。早く公開したいと、ずっと思っていました」と語ったところからみると、今回も観る者をスクリーンの中に引き込む強烈な印象を、日本そして世界の映画ファンに与えてくれるだろう。女優・神楽坂恵の成長も含め、見逃せない作品だ。

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作品情報

『恋の罪』

2011年11月12日(土)テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本:園子温
出演:
水野美紀
冨樫真
神楽坂恵
児嶋一哉(アンジャッシュ)
二階堂智
小林竜樹
五辻真吾
深水元基
内田慈
町田マリー
岩松了(友情出演)
大方斐紗子
津田寛治
配給・宣伝:日活

プロフィール

園子温

1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。ぴあスカラシップ作品として制作された『自転車吐息』(90)は、ベルリン映画祭正式招待のほか、30を超える映画祭で上映。以後、『自殺サークル』(02)、『奇妙なサーカス』(05)、『紀子の食卓』(06)、『ちゃんと伝える』(09)など衝撃作を続々と誕生させ、各国での受賞作多数。09年『愛のむきだし』で、第59回ベルリン映画祭「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」、第9回東京フィルメックス「アニエスベー・アワード」を受賞した。ヴェネチア国際映画祭に出品した『ヒミズ』で主演の2人が、最優秀新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞したのも記憶に新しい。

神楽坂恵

1981年、岡山県生まれ。04年グラビアアイドルデビューし、07年に自身の著書を通してアイドル活動を卒業。本格的に女優としての活動を始める。『遠くの空へ消えた』(07/行定勳監督)、『プライド』(09/金子修介監督)、『13人の刺客』(10/三池崇史監督)などに出演後、園監督作『冷たい熱帯魚』(11)での熱演に注目が集まった。荒木経惟撮影の写真集『月刊NEO 神楽坂恵 THE LAST』が発売中。

荒木経惟

1940年東京都生まれ。千葉大学工学部写真印刷工学科卒業。「さっちん」で第1回太陽賞受賞。400冊以上の写真集を出版し、「天才アラーキー」の名で親しまれる。写真の他、「映画でもなくスライドでもない,全く新しい写真表現」とする「アラキネマ」にも取り組む。その最新作『月間NEOムービー 神楽坂恵 緊縛恋愛/アラキネマバージョン』は9月29日よりイーネットフロンティアより発売中。

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