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LAMAが打ち出した「ポップ」の理由

LAMAが打ち出した「ポップ」の理由

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:前田伊織
2011/12/01

元スーパーカーのフルカワミキとナカコー、元NUMBER GIRL/現blood thirsty butchers、toddleの田渕ひさ子という、ある世代にはたまらない組み合わせの3者に、agraphとして活動する気鋭のエレクトロニック・アーティストである牛尾憲輔を加えたLAMAが、初のフルアルバム『New!』を完成させた。シングルで断片的に見えていた4人の個性がはっきり見えると同時に、14曲というボリュームの中でLAMAというバンドの全体像も浮かび上がる、手応え十分の作品だ。

そこで、意気揚々と取材の場に臨んだわけだが、そこで待っていたのは全く自然体のお2人。「これまでになく楽しい現場だった」「悩みは全くなかった」と、飛び出す言葉も軽妙で、LAMAというバンドの風通しの良さを感じるには十分な取材だった。もちろん、この場所を手に入れることができたのは、それぞれがこれまでキャリアを積み重ねてきたからこそであるということも、決して忘れてはならないだろう。

全員が全員のことを知って、見えない役割分担も出てきて…仲が良くなったっていうことだよね(笑)。(ナカコー)

―ナカコーさんと牛尾さんはLAMA以前からのお付き合いですよね? まずはお互いに対する印象から話していただきたいのですが。

牛尾:僕がセカンド・アルバムを出したときに、マスタリングの最終チェックをしてたスタジオにフラッと遊びに来てくれて、2人で一緒にアタマから聴いたんですよ。で、終わった後に俺の方振り返って、「蕎麦屋だね、これ!」って(笑)。「なんでだろう?」って聞かれて、心の中で「知らないっすよ…」っていう(笑)。

ナカコー:牛尾君が蕎麦好きだっていうのは聞いてて、それは多分「様式美」にこだわりがあるってことだと思うんだけど、音楽を聴いても実際そうだと思って。だからきっと、蕎麦の味も好きなんだろうけど、システムが好きなんだよ。

―牛尾さんは実際食べ方もこだわったりとかするんですか?

牛尾:こだわりますね(笑)。まずはめんつゆをつけずにざるを1本食べるところからなんですけど、「食う」っていうか、「たぐる」っていう感じの(笑)。フェチなんですね、そういう。

―それが音フェチな部分とも通じてると。牛尾さんから見たナカコーさんの印象はいかがですか?

牛尾憲輔
牛尾憲輔

牛尾:会う前は「ギターを弾く人」、「ロックバンドの人」っていう漠然としたイメージしか持ってなくて、「怖かったらどうしよう」とか「話合わないんだろうな」って思ってたんですけど、会ってみると、どこかに帰属してるような人じゃないんですよね…、変なんです(笑)。

―一言でいうと、変(笑)。

牛尾:ライブ中でも大体ギターを腰の方に回して、シンセとかCDJでノイズを出してたりして、「面白いな、この人」って。とはいえ一緒にレコーディングしてみると、意外とプレイヤー然としたところもお持ちで、そのバランス感覚が独特だなって。

―では、そんなお2人が所属するLAMAの初のアルバムが完成したわけですが、LAMAって基本的に誰か1人がコンセプト立てて作品に向かうわけではなくて、4人で作っていくバンドなんだと思うんですよね。でも、そうなるとアルバムの全体像が見えるまでには時間がかかったんじゃないかと思うのですが、実際いかがでしたか?

ナカコー:楽曲として1曲1曲は成立させるんだけど、アルバムとして曲が繋がったときにどう聴こえるかっていうのは、実際中盤ぐらいまであんまり考えてなかった。ホント後半の方に何曲か並べた時点で、「あ、繋がるね」「妙な統一感あるね」って。

―どこかでポイントが見えたとかっていうよりも、自然と形になっていったと。

ナカコー
ナカコー

ナカコー:4人で会う時間が多くなればなるほど、会話とかで空気を4人で作れるから、そういう4人の空気感が作品にフィードバックするし、だんだんやりやすくなるっていうか。全員人見知りだから最初の方は探り合って会話をしてたけど、後半の方は結構ガーッと会話してたし、それが良かったんだと思います。

牛尾:段々突込みが激しくなってきたんですよね…良いことだと思いました(笑)。


―プロジェクト的に始まったものが、バンドになってきたという言い方もできますか?

ナカコー:バンドっぽいっていうのはよくわからないけど…簡単な言葉で言うと、全員が全員のことを知って、見えない役割分担も出てきて…仲が良くなったっていうことだよね(笑)。

2/3ページ:4人とも作品を作ったことがある人たちだから、一緒にやるのであれば現場は楽しくやりたいっていうのがあって。

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リリース情報

LAMA『NEW!』初回限定盤(CD+DVD)
LAMA
『NEW!』初回限定盤(CD+DVD)

2011年11月30日発売
価格:3,360円(税込)
KSCL-1881/KSCL-1882

1. Warning
2. Night Telepathy
3. Rockin' Your Eyes
4. Spell(Alternative ver)
5. Tune On, Tune In, Surf Out
6. Cupid(So Far...ver)
7. Blind Mind
8. doudou
9. Soul Diving
10. Silver Spring
11. Fantasy(The Room ver)
12. Don't Go Back
13. Ane Mone
14. Dreamin'
[DVD収録内容]
・Spell(Music Clip)
・Fantasy(Music Clip)
・Cupid(Music Clip)

リリース情報

LAMA『NEW!』通常盤
LAMA
『NEW!』通常盤

2011年11月30日発売
価格:3,059円(税込)
KSCL-1883

1. Warning
2. Night Telepathy
3. Rockin' Your Eyes
4. Spell(Alternative ver)
5. Tune On, Tune In, Surf Out
6. Cupid(So Far...ver)
7. Blind Mind
8. doudou
9. Soul Diving
10. Silver Spring
11. Fantasy(The Room ver)
12. Don't Go Back
13. Ane Mone
14. Dreamin'

プロフィール

LAMA

ナカコー(iLL/ex.supercar)、フルカワミキ(ex.supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers / toddle)、牛尾憲輔(agraph)による新バンド。メンバーそれぞれがソロ、他バンドで活躍する中で結成。4月27日にUstreamライブストリーミングチャンネル「DOMMUNE」で生配信された初ライブは約8万が視聴。8月3日にフジテレビ"ノイタミナ"アニメ「NO.6」オープニング・テーマに起用されたファーストシングル「Spell」をリリース。その後、フジテレビ"ノイタミナ"『UN-GO』のエンディング・テーマ『Fantasy』を、10月26日「Cupid/Fantasy」のDouble A-sideシングルとして発売。そして11月30日には待望のファーストアルバム『New!』(読み:ニュー!)をリリースし、今後の活動に注目が集まっている。

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