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GWの京都で開催するアートフェア『ART KYOTO 2012』

GWの京都で開催するアートフェア『ART KYOTO 2012』

インタビュー・テキスト
佐々木鋼平
撮影:越間有紀子
2012/04/02
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自分たちの土俵を作って、日本なりのアートマーケットを根付かせたい。

―アートフェアというのは、沢山のギャラリーや作品と出会い、購入出来る場所であり、つまりマーケットそのものです。一方でイベントというのは、単純にアートを楽しもうという場所で、マーケットに関わる層とはまた違いますよね。なぜこのふたつの要素を同時にされようと思ったのでしょうか?

石橋:確かにこのふたつは一見矛盾した方向性ですよね。ご説明するには、そもそもの『アートフェア京都』のお話からさせて頂けたらと思うのですが、『アートフェア京都』は、僕自身が発起人となって企画・内容を考え、「とにかく10年間は京都でこのプロジェクトをやるんだ」という目標を立てて、2009年からスタートしています。でも実は、ただ単に「アートフェア」をやる、というのが本当の目的ではないんですよ。そもそもの目的というのは、新しいアートマーケットをひとつ「京都」という都市に打ち立てて、システムとして、今までに無かった日本のアートマーケットというものを築いていきたいというのが、何よりもまず一番にあるんです。

昨年の「アートフェア京都」開催風景 ©「アートフェア京都」実行委員会 / ホテルモントレ京都 / 2011-2012 撮影:表恒匡
昨年の「アートフェア京都」開催風景 ©「アートフェア京都」実行委員会 / ホテルモントレ京都 / 2011-2012 撮影:表恒匡

―アートマーケット不在の問題は、ほとんどの日本のアート関係者が直面している課題でもありますね。

石橋圭吾\
石橋圭吾

石橋:そうです。そしてそれは「売る」「売らない」の問題だけではなくて、現在のアートという文化のシステム自体が全て欧米中心で出来上がっているので、そこに風穴を開けて行かないと、とてもじゃないけど我々の住む国の文化とか、今の同世代の表現って、まともには伝わらないんですね。そういう出来上がったヒエラルキーにある種対抗する意味でも、まず自分たちの土俵を作っていかない事には、この先の未来が無いんじゃないかという危惧が根底にあるんですね。


―今では直接海外に活躍の場を求めるギャラリーやアーティストもかなり多いですよね。

石橋:よく海外に出ていかれる理由としては、「日本国内に市場が無いから」と断言されてしまう事があるんですけれども、確かに現状で「あるか?」といわれたら、僕も「無い」と言うほうが正解だと思うんです。でもそれは作られてこなかっただけの話であって。

―まだ答えが出たわけじゃない、と。

石橋:そうです。もし今、日本のほとんどの人が他の産業のように、アートという文化や産業を認知して、その上で全く興味が持てないからお金も回しません、というのなら納得がいきますよ。でも、そうじゃない。そもそもアートを知らない人の方が圧倒的に多いわけだから、こんな状況が続いてしまっているということなんですよ。

―それでも美術館の特別企画展には大勢の観客が詰めかけていますよね。

石橋:でも、同時代のアーティストが同じ社会で何かを感じて、表現をして、作品を販売して、生きている、ということ。その出会いの場としてのギャラリーだったり、色んな物事があるということを、みんなまだ全然知らないんですよ。友達を見渡したってギャラリーに行っている人なんてほとんどいない。そういう人の方が圧倒的に多いですよね。

佐々木友恵「自己記憶改変の疑い」 2008年 / 1200×2400mm / 木製パネルに漆(同時代ギャラリー 出展/国立京都国際会館会場)
佐々木友恵「自己記憶改変の疑い」 2008年 / 1200×2400mm / 木製パネルに漆(同時代ギャラリー 出展/国立京都国際会館会場)

―産業としては、まだまだ小規模な世界ですね。

石橋:日本最大のアートフェアである『アートフェア東京』の入場者が、1番多い年で約5万人(2010年度)といわれていますが、プロ野球の試合で、スタジアムが満員になったら1試合だけで4〜5万人も入るんですよ。それが年間何百試合も日本中で行われている。だから、そんなアートの状況を変えるには、とにかく今までと違った試みをしていかなければならない。どれだけ大規模なアートフェアをやっても残念ながら伝わらない。だからあらゆる試みが必要なんですね。本当に興味を持ってもらえないものに対してお金は絶対に回って来ないですから。

―それは日本人の国民性というか、ある意味日本の文化を動かそうという試みとも思えますね。

石橋:例えば日本人の1割でもいいんですよ。文化的でクリエイティブな事に対して、まともに目を向けてくれたら、もの凄い市場が出来ますよ。僕は日本人全員にこっちを見てくれ、これが正しいなんて全く思っていません。興味を持つことは人それぞれだから。だけど全体の1割でもここに意識を向けたら全く違います。もの凄く莫大なお金が動くし、一気にアートの地盤が出来て、日本の文化立国だってあり得ると思うんです。


3/3ページ:「京都」という場所でアートフェアをやる意味

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イベント情報

『ART KYOTO 2012』

2012年4月27日(金)、4月28日(土)、4月29日(日)
会場:京都府 国立京都国際会館(国際会議場) アネックスホール、ホテルモントレ京都
時間:27日(金)11:00〜19:00、28日(土)11:00〜20:00、29日(日)11:00〜18:00(ホテルモントレ京都は19:00まで)
料金:1,500円(両会場入場可能な3日間通し券)

関連企画
映像芸術祭『MOVING 2012』

2012年4月20日(金)〜5月13日(日)
会場:京都府 京都芸術センター、京都シネマ、METROなど京都市内約7会場
詳細はウェブサイトにて

『ANTEROOM PROJECT』

2012年4月27日(金)〜6月29日(金)
会場:京都府 東九条 HOTEL ANTEROOM KYOTO
時間:12:00〜19:00

ART KYOTO meets FUJII DAIMARU
『Grassland』

2012年4月20日(金)〜5月6日(日)
会場:京都府 四条寺町 藤井大丸 3-7階特設会場

京芸TransmitProgram#3
『Mètis-戦う美術-』

2012年4月7日(土)〜5月20日(日)
会場:京都府 堀川御池 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA1,2(4月18日からGalleryABCも展示)
出展予定作家:伊東宣明・中田有美、佐藤雅晴、高須健市、ヒョン・ギョン、Weast

ウルトラファクトリー

会場:京都府 北白川 京都造形芸術大学 ファクトリー
時間:10:00〜20:00
休館日:日、月曜、祝日、29日(日)は休館

国立京都国際会館関連トークイベント

椿昇(現代美術家)×名和晃平(彫刻家)×ヤノベケンジ(美術作家/ウルトラファクトリー・ディレクター)
2012年4月27日(金)13:00〜14:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

島敦彦(国立国際美術館 学芸課長)×森裕一(MORI YU GALLERY 代表)
2012年4月27日(金)15:00〜16:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

トークイベント
『日本及びアジアのコレクションの現状と未来』
2012年4月28日(土)11:00〜12:30
会場:京都府 国際会館内 Room 103
司会:石橋圭吾(neutron)
パネリスト:
山口裕美(現代アートのチアリーダー)
奥野冨久子(MUSUBI/アートコーディネーター)

おかけんた(お笑いタレント・アート愛好家)
2012年4月28日(土)13:00〜14:00
会場:京都府 国際会館 ブース&会場内

橋爪彩(アーティスト)×青山七恵(小説家)
2012年4月28日(土)13:00〜14:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

宮津大輔(現代アートコレクター)
2012年4月28日(土)15:00〜16:30
会場:京都府 国際会館内Room103

尾崎眞人(京都市美術館学芸課長)
2012年4月29日(日)11:30〜13:00
会場:国際会館内 Room103

建畠哲(京都市立芸術大学学長)×小崎哲哉(REAL TOKYO発行人兼編集長/京都造形芸術大学客員教授)
2012年4月29日(日)14:00〜15:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

プロフィール

石橋圭吾

1973年東京生まれ。同志社大学卒業。2001年7月ニュートロンをオープン。有限会社ニュートロン代表取締役。京都アートフェア実行委員会代表。アート京都実行委員。

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