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どこから来て、どこへ行く? 転校生インタビュー

どこから来て、どこへ行く? 転校生インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2012/04/25

その頃の私はものすごく吹っ切れてしまっていて、みんなに好かれようとは思わなくなって、嫌ってほしいと思ってたんですよ。

―そのバンドはどれくらい続いたんですか?

水本:仲良くできたと言っても、バンドを組んでは解散してを繰り返していて、やっぱりそこでも人間関係はあんまり上手く築けなかったんです。でも20歳ぐらいまでバンドは組み続けていました。1番最後に組んだバンドでオリジナルを初めてやって、やっとずっと一緒にやれそうな人たちとバンドができた気がしたんですけど、結局そのバンドも喧嘩して解散しちゃって、それまでも何個も組んではやめていたので…

―ちなみに、何個ぐらい組んでたの?

水本:えーと、数えたことないんですけど…10バンドぐらいは…

―高校の途中からだから、3年間ぐらいで10個ってことだよね(笑)。

水本:その頃にはこれからも音楽をやっていきたいというか、プロになりたいとかも考えるようになっていたんですけど、私はバイトも続かないからお金もないし、この先どうやって生きていけばいいんだろうと思って、音楽をやってない時期もありました。でもやっぱり続けたい気持ちがあって、バンドは組めないから、1人で作って歌ってみようと。

―「プロになりたい」っていうのは強く思ってたの? それとも、漠然と?

水本:バンドが解散した時点で、結構あきらめてたんです。ライブはやってたんですけど、あきらめていて、「このまま死んでいくんだろうな」って。でも、やっぱり人に聴いてもらいたいと思って、MySpaceに音源をアップしてたら、今のレーベルからメールをもらって。

―1人でも、ライブはやってたんだね。

水本:私の中で「練習したらライブをする」っていう方程式みたいのがあって、ライブをしてないと音楽活動をしてないみたいな感じがあって。ただ、ソロの人って周りにいなくて、1人で出るのがすごく心細かったので、後ろに子供用の可愛らしいテントを置いて、もう片方にぬいぐるみを置いて、バンドっぽくしようと思って。私しか見られないっていうのがすごく怖かったので、どうにか集中を散漫にできないかなって。

―でもその怖さよりも、ライブをしたいっていう意欲の方が勝ってたわけだ。

水本:曲を聴いてもらう機会がライブしかなかったというか、MySpaceにも上げてたんですけど、誰が聴いてるかわかんないし、少なくても、聴いてくれる人を確認したくて。

―それはどこかでコミュニケーションを求めてたっていうことでもあるのかな?

水本:その頃の私はものすごく吹っ切れてしまっていて、みんなに好かれようとは思わなくなって、嫌ってほしいと思ってたんですよ。「みなさん聴いてください」とか言わずに、ものすごく攻撃的な感じで、睨んでたり、威圧的な発言をしたり、自分からコミュニケーションをやめるっていうか、一方的に歌って帰るみたいな。

―でも、そういう中でも「よかったです」って声かけてくれる人もいたでしょ?

水本:言ってもらっても、完全に信じてなかったです。「お世辞で言ってるんだろうな」とか、「あの人何が目的でこんなこと言ってるんだろう」とか。そう思ってた方が自分の中で楽だったんです。信じない方が、嘘がわかって傷つかなくていいから。最初からそんなこと思ってないって思えば、自分でも割り切れるっていうか。

―だとしたら、その頃は何のために音楽をやっていたんだと思う?

水本:そのとき感じてたのは、「これをやらなければならない」っていう、使命感みたいな。他に選択肢がなかったというか、「伝えたい」とか「気づかれない感情を気づいてほしい」とか、そういうことではなくて、「これしかない」みたいな感じでやってましたね。

―それこそ、音楽がなかったら死んじゃうぐらいの感じだった?

水本:音楽がなかったら、私は何のとりえもない、空っぽな人間だと思ってました。そのときは音楽がとりえだとも思えなくて、生きるのをあきらめてましたね。

3/4ページ:今までは自分だけの転校生だったのが、みんなが関わって転校生っていうプロジェクトになって、それにはすごく戸惑いがあったんです。でも、そのお陰で「私は音楽を続けていいんだな」って思えるようにもなったんです。

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リリース情報

転校生『転校生』
転校生
『転校生』

2012年5月2日発売
価格:2,300円(税込)
EASL-0011

1. 空中のダンス
2. 人間関係地獄絵図
3. 東京シティ
4. エンド・ロール
5. ほうかご
6. 家賃を払って
7. ドコカラカ
8. 傘
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CINRA.STOREで先行配信販売中!

プロフィール

転校生

熊本県出身埼玉県在住、水本夏絵によるソロ・プロジェクト。「わたしの音楽がひつじなら、わたし自身はオオカミだ」

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