インタビュー

ダブって知ってる? Tam Tamインタビュー

ダブって知ってる? Tam Tamインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2012/05/07

「ダブは、レゲエから発祥した音楽手法、および音楽ジャンル。ダブワイズとも呼ぶ」。これはウィキペディアからの引用だが、もちろん、これはあくまでダブの一側面を切り取ったに過ぎない。どんなジャンルでもそうだが、音楽は一面的なものではなく、重層的なのものである。ルーツを探っていくことによって新しいものが生まれ、新しいものを生み出そうとすればルーツにぶつかる。そうやって音楽を知っていく喜びは、何物にも代えがたい。

あらかじめ決められた恋人たちのダブPAとしても知られ、音楽レーベルmaoを主宰する石本聡の秘蔵っ子、平均年齢20代前半の新世代ダブバンドTam Tamは、そんな音楽の喜びをよく知っているバンドだ。Little TempoのHAKASE-SUNをプロデューサーに迎え、ダイナミズムを増した初の全国流通盤『meteorite』は、ルーツに対する愛情も、自分たちの音楽を探求するチャレンジ精神も、どちらも自然体で織り込まれた、現在進行形のダブアルバムである。「ダブってよくわからない…」というあなたにも、このアルバムがきっと新たな扉を開いてくれるに違いない。

タワレコもスペシャもない片田舎だったんで、HMVとかのオンラインを使って、なけなしの小遣いでCDを集めてました(笑)。(黒田)

―Tam Tamは大学生のときに結成されたそうですが、音楽サークルの出身ですか?

小林:そうですね。大学の音楽サークルで、いわゆる中南米の音楽ばっかりやる集団で出会って。最初はカバーをやってたんですけど、段々オリジナルをやるようになりました。実は、このバンドができる前に、僕はダブバンドのオーディションとか受けに行ってて。

黒田:へー!

小林:これ、今初めて言ったんですけど(笑)、落とされたんですよ。それが悔しくて、じゃあ自分でバンドを作ろうと思ったんです。

小林樹音
小林樹音

―黒田さんも、もともとダブが好きだったんですか?

黒田:そうなんですよ。出身が北海道なんですけど、ローカルのFM局でブラックミュージック専門の番組みたいのがあって、よく聴いてたんです。そこで自分は結構昔の音源が好きだって気づいて、ソウルとかファンクを掘るようになって。レゲエは高校生のときにショーン・ポールが流行って、その流れで、アルトン・エリスとかを聴くようになりました。

―ちゃんと掘り下げていったんですね。

黒田:タワレコもスペシャもない片田舎だったんで、HMVとかのオンラインを使って、なけなしの小遣いでCDを集めてました(笑)。で、何だかんだで、ジャマイカの音楽が一番好きだなって。

―シンガーとしての経験はあったんですか?

黒田:カラオケで歌ってたくらいで、ちゃんとシンガーとして活動したことはなかったんです。

小林:もともとサークルではトランペット吹いてたもんね(笑)。

―そうだったんですか! それでこの歌声を持っていたというのは、みんな驚いたでしょうね。

黒田:ルーツダブっておじさんのシンガーが多いので、最初はそういうドスの効いた感じをイメージしてたんですけど、私の声だとそういうのが出ないんで、あんまりそこにはこだわらないようにして、自分で歌い方を考えるようになった感じです。

黒田さとみ
黒田さとみ

―じゃあ小林さんは、どんな風にダブに出会ったんですか?

小林:高校生になった頃から兄の影響で音楽を聴くようになって、わりとすぐにヒップホップとテクノに行ったんです。その流れでAUDIO ACTIVE(日本のダブバンドで、イギリス最大のロックフェス『グラストンベリー』にも出演している)に出会ったことでダブを知って、そこからボブ・マーリーとかも聴くようになった感じです。そのサークルに入るまではベースも弾いたことなかったんですけど、たまたま友達からもらったベースがあったんで、「僕ベース弾きます」って。

―楽器は大学からなんですね。じゃあ、そこから必死に練習して?

小林:そうですね。何でも飽きっぽい子だったんですけど、周りの人たちがみんな音楽も楽器も詳しくて、なんかすっげえ悔しかったんです。だから、先輩の飲みの誘いも無視して、ひたすら練習して…愛想悪かったと思います(笑)。

2/3ページ:『KAIKOO』に行ったらすごい感動しちゃって、そのときに「あ、俺やっぱり音楽したいんだな」って気づいたんです。(小林)

Page 1
次へ

リリース情報

Tam Tam『meteorite』
Tam Tam
『meteorite』

2012年5月2日発売
価格:2,100円(税込)
mao / maocd-33

1. Akkeshi Dub
2. Dry Ride
3. Clay Dance
4. Elevator
5. Skit
6. Eyes Of Danger
7. Stop The Alarm
8. Space Debris
9. Inside The Walls
10. Train
11. Wasureta
12. Proof

イベント情報

Tam Tam 1st album『meteorite』 Release Party

2012年7月7日(土) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 青山 月見ル君想フ
出演:Tam Tam
スペシャルゲスト:
HAKASE-SUN
画家
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

プロフィール

Tam Tam

メンバーの平均年齢が20代前半となるヤング・ダブバンド。ダイナミクス溢れるソウルフルなボーカルを軸に、強力なリディムセクションがボトムを支え、ギター/キーボードが彩りを添えるバンドサウンドは、メンバーの年齢からは想像できない完成度をほこり、レゲエを土台にしつつそこにクラブミュージックの良質なエッセンスを注入した音楽性も相まって、ベース・ミュージックシーン、インストロック、ジャムバンド界隈からも厚い支持を得ている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

PUNPEE“タイムマシーンにのって”

あのPUNPEEがまたやった!!! 昨年発売のアルバム『MODERN TIMES』から初のMVとなる“タイムマシーンにのって”が公開。1度見ただけでも存分に楽しめる作品だけれど、この情報量の多さ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思わせる時計台のロゴがSEIKOならぬSAYHOになっていたり、車体に『AKIRA』の成田山ステッカーが貼られていたり……ピザなど頼んで細部まで何時間も見ていたい。(井戸沼)

  1. 坂元裕二に密着、NHK『プロフェッショナル』 高橋一生、満島ひかりも出演 1

    坂元裕二に密着、NHK『プロフェッショナル』 高橋一生、満島ひかりも出演

  2. 松尾スズキが描く劇団員&音声ガイドに星野源、阿部サダヲら 『30祭』続報 2

    松尾スズキが描く劇団員&音声ガイドに星野源、阿部サダヲら 『30祭』続報

  3. 磯部涼×細倉真弓『川崎ミッドソウル』 アフター『ルポ 川崎』 3

    磯部涼×細倉真弓『川崎ミッドソウル』 アフター『ルポ 川崎』

  4. 門脇麦、成田凌らが「青春炸裂」 岡崎京子原作『チワワちゃん』場面写真 4

    門脇麦、成田凌らが「青春炸裂」 岡崎京子原作『チワワちゃん』場面写真

  5. 尾崎世界観が岡本太郎を想う。『岡本太郎と「今日の芸術」』展 5

    尾崎世界観が岡本太郎を想う。『岡本太郎と「今日の芸術」』展

  6. 実写ドラマ『I”s』、ヒロイン・伊織役は白石聖 12月から放送開始 6

    実写ドラマ『I”s』、ヒロイン・伊織役は白石聖 12月から放送開始

  7. 渋谷の取り壊し前のビルでアート企画 R・マッギンレー、坂本龍一ら30組超 7

    渋谷の取り壊し前のビルでアート企画 R・マッギンレー、坂本龍一ら30組超

  8. 『A子さんの恋人』近藤聡乃インタビュー 活動拠点のNYで聞く 8

    『A子さんの恋人』近藤聡乃インタビュー 活動拠点のNYで聞く

  9. 杏、岡崎体育、古田新太、東郷かおる子がQUEENを語る NHK『SONGS』 9

    杏、岡崎体育、古田新太、東郷かおる子がQUEENを語る NHK『SONGS』

  10. 麻生久美子VS中村倫也 根本宗子の舞台『クラッシャー女中』で初共演 10

    麻生久美子VS中村倫也 根本宗子の舞台『クラッシャー女中』で初共演