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世界への復讐のつもりだった amazarashiインタビュー

世界への復讐のつもりだった amazarashiインタビュー

インタビュー・テキスト
柴那典
2012/06/14

未来に期待出来ない時代ですが、それを受け入れてはじめて次に進めるんじゃないかと思ってこのアルバムを作りました。

アルバム『ラブソング』には、昨年以降に作られたという新曲、全10曲が収録されている。ギターとピアノを主体にしたドラマティックな曲調、熱を持った秋田ひろむの歌声という、音楽性の核の部分は何も変わっていない。ジャケットのキャラクターや、これまでメディア芸術祭など様々な場所で評価を集めたSFアニメ風のミュージックビデオ、CDへの詩集の封入など、表現手段にも大きな変化はない。それでも、聴き終えた感触には、それまでの作品とは確実に異なる温かさがある。

2011年3月11日の東日本大震災直後に「詩」として発表されていた“祈り”を筆頭に、新作には震災以降の社会状況が強く反映されているようだ。それぞれの曲について話を伺った。

―アルバムの表題曲“ラブソング”は「愛を買わなくちゃ 急いで買いに行かなくちゃ」と歌っています。「愛」をテーマにした曲でこういう言葉が出てきた理由は?

秋田:最近の歌のラブソング至上主義に対しての皮肉です。みんな毎日色んな事を考えて生きているはずなのに、恋愛の歌一辺倒になってしまっているのは、結果的に愛の価値を下げていると思います。

―“ナモナキヒト”は、曲調も言葉もとても優しい曲になっていますが、このアルバムにおいてはどういう位置づけの曲でしょうか?

秋田:この曲は渋公の直後に作ったのですが、amazarashiに関わってくれる人達に感謝して作った歌です。アルバムの中では“ラブソング”の陰に対しての光の歌だと思います。

―“アポロジー”では「ごめんなさい ちゃんといえるかな?」と歌っています。この言葉にはどんな思いがこもっているのでしょうか?

秋田:amazarashiの歌の原動力は、世界に対する恨みつらみが多かったんですけど、それを続けていても気持ちは晴れないだろうなと思ったのがきっかけです。落ち込む事や苦しい事を世界のせいにしてもしょうがないですし、世界はあるがままにあるだけですから、そこで自分がどうするかの方が重要かなと思って作った歌です。

―“祈り”は震災直後に書かれた直接的な言葉を曲にしたものになっています。これをこのアルバムに収録したのはなぜでしょうか?

秋田:“祈り”は始めから曲もついていて、もっと早めにリリースしたかったのですが、それも難しくて、だったらちゃんと作り込んで良いタイミングで出すべきだなと思っていました。後半の歌詞を追加したのですが、大事な人の無事を祈る歌から、もっと多くの人が共感出来る様な祈りの歌にしたつもりです。

―「もう知らないふりはできないよ 僕らは知ってしまったから」と歌う“ナガルナガル”や、「何もないことが幸せだと思うよ 僕らを悩ませる面倒くさい事が」「生活の為には背に腹変えられず」と歌う“ハルルソラ”など、アルバムには原発事故に端を発する社会状況と価値観の変容も、強く影響を与えているように感じるのですが、いかがでしょうか?

秋田:いつも普段感じた事を歌にしているのですが、原発事故やそれによる不安などが、もう僕の普段の事になっているんだと思います。

―それを踏まえて、“ハルルソラ”がアルバムの中でも最も明るく軽やかな曲調になっているのは何故でしょうか?

秋田:青森に多くある原発とその関連施設についての歌です。それによって救われる人がいるのは分かっているんですが、故郷の風景や生活をリスクとして差し出すまでの事だろうか、と思います。

amazarashiの音楽は、その時々の時代の空気を強く反映したものだ。多くの人が見て見ぬふりをしているもの、できることなら目をそらしていたいと思っているだろうもの、それに光を当てるアートだ。だからこそ、amazarashiの音楽は強く求められているのだと思う。メールの最後で、彼に「2012年という今の時代の空気をどう捉えているか?」という質問を投げかけた。彼は、こう答えてくれた。

秋田:時代の空気とか意識していた訳ではないんですが、僕がこの時代に生まれてしまったからこそ出来るべくして出来たアルバムだと思います。未来に期待出来ない時代ですが、それを受け入れてはじめて次に進めるんじゃないかと思ってこのアルバムを作りました。

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イベント情報

amazarashi LIVE TOUR 2012『ごめんなさい ちゃんといえるかな』

2012年6月30日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:大阪府 心斎橋 BIG CAT
料金:前売4,500円 当日5,500円
※チケットは完売

2012年7月1日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:愛知県 名古屋 Electric Lady Land
料金:前売4,500円 当日5,500円

2012年7月8日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 Zepp DiverCity TOKYO
料金:前売4,500円 当日5,500円

2012年8月10日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:福岡県 福岡イムズホール
料金:前売4,500円 当日5,500円

リリース情報

amazarashi<br>
『ラブソング』初回限定盤
amazarashi
『ラブソング』初回限定盤

2012年6月13日発売
価格:2,800円(税込)
Sony Music Associated Records / AICL-2380

1. ラブソング
2. ナガルナガル
3. セビロニハナ
4. ナモナキヒト
5. ハレルヤ
6. アイスクリーム
7. アポロジー
8. カラス
9. ハルルソラ
10. 祈り
[特典]
・CD-EXTRAで“祈り”のフラッシュコンテンツ収録
・amazarashi TOUR 2012『ごめんなさい ちゃんといえるかな』7月8日東京公演のUstream生配信視聴コードが可能なエクスクルーシブID封入
・スリーブケース仕様

amazarashi<br>
『ラブソング』通常盤
amazarashi
『ラブソング』通常盤

2012年6月13日発売
価格:2,500円(税込)
Sony Music Associated Records / AICL-2381

1. ラブソング
2. ナガルナガル
3. セビロニハナ
4. ナモナキヒト
5. ハレルヤ
6. アイスクリーム
7. アポロジー
8. カラス
9. ハルルソラ
10. 祈り

プロフィール

amazarashi

青森県むつ市在住の秋田ひろむを中心としたバンド。2012年6月、2ndアルバム『ラブソング』をリリース。

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突然少年“火ヲ灯ス”

教室でも放課後でも負け続けたこと、弱さ故に大事な友達も傷つけてきたことーー振り返るほど情けなさでズタズタになってきた自分達の青春を全部吐き出しながら、だからこそ今まで裏切らず側にいてくれた人を離さず抱き締めて生きていきたいのだと表明する1stアルバムが『サンキュー・マイ・フレンド・アンド・マイ・ファミリー』だ。ブッチャーズ、eastern youth、NUMBER GIRLを抱き締めて離さない号泣ファズは変わらぬまま、アルバムタイトルの通り「誰に何を歌いたいのか」に重心を置いた結果としてバンドサウンドが撚られ、歌がグッと前に出た。汗と唾を撒き散らす激情の成分はやや減ったが、あなたと友達になりたい、友達との絆を目一杯歌いたい、だからまずは自分達が素っ裸になってあなたと向き合いたいという意志がスウィートなメロディに乗って突き抜けている。「たったそれだけ」をたったひとりに伝えるためにもんどり打つ、バンドの核心がそのまま映し出されたMV。端からライブの中核を担ってきた名曲がさらに躍動している。(矢島大地)

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