特集 PR

『十九歳でぜんぶ終わる』THE★米騒動インタビュー

『十九歳でぜんぶ終わる』THE★米騒動インタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
2012/07/20

思わずギョッとするアルバムタイトルだが、そこに偽りやてらいは一切ない。地元札幌を拠点とする3ピース、THE★米騒動の2作目『十九歳でぜんぶ終わる』は、その10代という若さ故の衝動で突っ切った、いわば2枚目のファーストアルバムであり、同時にそうした時期と一刻も早く決別して、すぐにでも次のフェーズに向かいたいという葛藤をそのまま無軌道に爆発させたような作品だ。実際、この1年で迎えたバンドを取り巻く状況の変化にメインソングライターの石田愛実が敏感に反応したことが、アルバムの制作に大きな影響を与えたことは間違いないようで、本作における、まるで3人編成の限界に挑むような徹底してマキシマムな演奏を踏まえて、彼女はどうやらすでに次のステップを見据えてもいるようだ。前作『どうでもいい芸術』のリリースを経たことで手にした作家・演奏家として急激な成長と、それをまだ整理しきれていないところから生まれた、とぐろを巻くように混沌としたグルーヴ。そこに散りばめられた厭世観と共に、彼女達は10代という季節にここで別れを告げる。

理論とかテクニックは関係なしに初期衝動だけで作れるのは10代までだろうなって。(石田)

―なんと今日は偶然にも石田さんの誕生日なんだそうですね。まずは20歳を迎えた率直なお気持ちを聞かせてもらえますか。

石田(Vo,Gt):今のところは、特に感慨深さもなにもないかな。とりあえず今は、このあとのライブのことで頭がいっぱいですね。

―『十九歳でぜんぶ終わる』というアルバムタイトルと照らし合わせてみると、やっぱりいろいろと考えるところもあるんじゃないかと思ったんですが。

石田:これから先にこういうアルバムはもう作れないだろうな、とは思っています。音楽を作る上で、理論とかテクニックは関係なしに初期衝動だけで作れるのは10代までだろうなって。自分たちがその時に思っていたり、感じていたりすることをそのまま素直に音にしていって、それをひとつのアルバムに詰め込んでいくような作り方は、これが最後になるとははっきりと思ってます。

―つまり初期衝動的なエネルギーで押し切れるのは今回が最後だろうということですね。

石田:そうですね。最近は曲を作っている時もいろんな雑念が入ってくるようになってきていて。今回のアルバムを作るにあたっても、自分は作品としてどういうものを形にしたいかっていうことはものすごく考えたんです。1枚目に入っているような曲だってもう今は作れないし。特に最初の頃はかなり悩みながら作っていましたね。盤を出すために曲を作るっていうのも初めてだったから。

―その悩ましい気持ちはメンバー間でも共有していたものなんでしょうか。

坂本(Dr):いや、僕は全然ですね(笑)。

沖田(Ba):曲を用意してくるのは石田なので。メンバー全員がそんなに焦ったり思いつめたりしていたわけではないです。

坂本:いろいろ考えているのはわかってましたよ。これまでと同じように曲ができてくるのを待ってました。

―1枚目を出したことで聴き手の存在をより意識するようになったということも、いくらかは影響したのでは?

石田:それはやっぱりあります。ファーストからライブのセットリストに残っていった曲を振り返ると、お客さんの反応を意識して、自分たちに求められているものを実感したこともやっぱり関係はあって。もちろん自分たちがかっこいいと思うものをやるっていうことはこれまでと変わらないんですけど、1枚目のアルバムを聴いて私たちの存在を知った人も少なからずいるわけで、そこから次にどういうものを作るかということは、やっぱり考えましたね。それと個人的にはもっとメロディが強いものを作りたくなってたし、同時に今回みたいなミニアルバムは疲れるくらいのものがいいなとも思って。ファーストは足し算で作った感じですけど、今回は出るところはしっかり出ているような構成というか。いろいろ考えました。

石田愛実 撮影:谷口雄太
石田愛実 撮影:谷口雄太

―じゃあ、作りはしたものの収録に至らなかった楽曲もけっこうあるんですか。

石田:それはもう、いっぱいありましたね。

―その収録するかしないかを決めるなにかしらの大まかな基準があれば教えていただけますか。

坂本:その曲がかっこいいかダサいかってだけだよね。

石田:でも、それぞれの好みが同じってわけでもなくて。これってどう言葉にしていいかわからないんですけど、3人がみんなしっくりくる感じっていうのがあるんですよね。誰か1人が「これはちょっとビミョーだよね」と思ったものは他の2人もだいたい同じように感じてたり。で、私が迷いながら無理やり形にしたような曲はだいたいそんな感じでしたね。

Page 1
次へ

イベント情報

『THE★米騒動「脱法ツアー」』

2012年9月16日(日)
会場:大阪府 心斎橋 Music Club JANUS

2012年9月18日(火)
会場:愛知県 新栄 CLUB ROCK'N'ROLL

2012年9月26日(水)
会場:北海道 札幌 SPRITUAL LOUNGE

2012年10月4日(木)
会場:東京都 下北沢 SHELTER

リリース情報

THE★米騒動<br>
『十九歳でぜんぶ終わる』
THE★米騒動
『十九歳でぜんぶ終わる』

2012年7月11日発売
価格:1,890円(税込)
WhiteRiot / UK.PROJECT / WRT-002

1. 十九歳
2. DOSYAKUZURE
3. 女の娘
4. ストランゲーゼ30番地
5. 家政婦はなにも見ていない
6. 男ってこれだからさぁ
7. S.S.A.

プロフィール

THE★米騒動

石田愛実(Gt,Vo)、坂本タイキ(Dr)、沖田笙子(Ba,Vo)。北海道札幌市平岸高等学校軽音部にて結成。1992年生まれの3ピースバンド。2010年8月、10代限定夏フェス「閃光ライオット」にてグランプリを獲得。注目を浴びる。2011年1月、SCHOOL OF LOCK! presents「くるりと対バンライオット」にて、くるりと共演を果たす。2011年6月、1stミニアルバム「どうでもいい芸術」をリリース。現在札幌、東京を拠点に活動中。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

サニーデイ・サービス“Tokyo Sick feat. MARIA (VaVa Remix)”

サニーデイ・サービス“Tokyo Sick feat. MARIA (VaVa Remix)”MV。監督・三宅唱の眼差しを通せば、見慣れた街のたしかな息吹が感じられる。映り込む広告から、かなり最近撮影されたのだとわかるパートも。クレジットにまで忍ばせてある遊びにも心くすぐられた(バリュー・ドリモア)。<movieのように華やかじゃない>日々にも、きらめく瞬間が散りばめられているのだと知って、今年も東京で夏の蜃気楼を待ちわびてしまう。(井戸沼)

  1. なぜBTSだったのか。全米1位の背景や意義を米Billboardコラムニストに訊く 1

    なぜBTSだったのか。全米1位の背景や意義を米Billboardコラムニストに訊く

  2. MIYAVI&早乙女太一が福士蒼汰とバトル 実写『BLEACH』キャラPV3本公開 2

    MIYAVI&早乙女太一が福士蒼汰とバトル 実写『BLEACH』キャラPV3本公開

  3. 三浦春馬&窪田正孝が映画『銀魂2』に出演 伊東鴨太郎役&河上万斉役 3

    三浦春馬&窪田正孝が映画『銀魂2』に出演 伊東鴨太郎役&河上万斉役

  4. 木村拓哉が西武渋谷店で「Are you ready?」 そごう・西武のPR動画 4

    木村拓哉が西武渋谷店で「Are you ready?」 そごう・西武のPR動画

  5. NHK『LIFE!』に桜井日奈子&松井玲奈が初登場 真野恵里菜も出演 5

    NHK『LIFE!』に桜井日奈子&松井玲奈が初登場 真野恵里菜も出演

  6. 京アニ『映画 聲の形』が地上波初放送、NHK Eテレで8月に 6

    京アニ『映画 聲の形』が地上波初放送、NHK Eテレで8月に

  7. 池松壮亮×蒼井優 塚本晋也監督の初時代劇映画『斬、』11月公開 7

    池松壮亮×蒼井優 塚本晋也監督の初時代劇映画『斬、』11月公開

  8. WACKが「謝罪本」を無料配布 「先に謝罪しときます。私たちは間違えます」 8

    WACKが「謝罪本」を無料配布 「先に謝罪しときます。私たちは間違えます」

  9. 石井裕也監督と相楽樹が結婚、オフィシャルブログで妊娠も報告 9

    石井裕也監督と相楽樹が結婚、オフィシャルブログで妊娠も報告

  10. 藤田嗣治の「本のしごと」に迫る展覧会 仏で発行の挿絵本や絵葉書など展示 10

    藤田嗣治の「本のしごと」に迫る展覧会 仏で発行の挿絵本や絵葉書など展示