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DJ Fumiya(RIP SLYME)の飾らない日常

DJ Fumiya(RIP SLYME)の飾らない日常

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織
2012/11/13

言わずと知れた国内HIP HOPグループの最高峰RIP SLYMEのトラックメーカーであり、プロデューサーとしても多岐にわたるアーティストを手掛けるDJ Fumiyaが、初のソロアルバム『Beats for Daddy』を発表する。中学生からDJを始め、いまだ30代前半ながら華々しいキャリアを築いてきた彼だが、意外にもオリジナルのソロ作は今回が初めてという事実が示すように、ここに至る道のりは決して平坦ではなかった。しかし、RIP SLYMEとは全く異なる心持ちで制作したという『Beats for Daddy』の弾むビートは、昨年の春に父親となり、健やかなる日々を送る現在のFumiyaの日常をそのまま表している。DJとしての原点から、体調不良による活動休止、アルバムに込めた想いまで、たっぷりと語ってもらった。

リップに入ったのも、音楽の趣味が近かったというのもあるんですけど、みんなでいると楽しいっていうのが一番だったかもしれないです。

―Fumiyaさんはダンサーだったお兄さんの影響で14歳からDJを始められたそうで、それってかなり早熟ですよね。

Fumiya:そうですね、(他にDJをやっている人は)周りには誰もいなかったです。僕は兄貴の上に姉ちゃんもいて、姉ちゃんとは10歳、兄貴とも6歳離れてるんで、結構ませてたというか、兄貴の友達とばっかり遊んでたんですよね。

―お兄さんと同じようにダンサーを志したりはしなかったんですか?

Fumiya:ちょびっとだけ練習しましたけど、それよりDJの方に興味が出てきたんです。兄貴とSUは同じグループでEAST ENDのバックダンサーをしていて、そこでDJを見て衝撃を受けて。

―性格的に前に出て目立つよりも、後ろにいたいタイプだったんですか?

Fumiya:確実にそっちです(笑)。小さい頃から結構人見知りで、引っ込み思案というか、バンドでもドラムをやりたいと思ったり。

DJ Fumiya
DJ Fumiya

―音楽を職業にしたいと思うのも結構早かったんですか?

Fumiya:いや、音楽の授業は全然ダメでしたし、楽器をやってたわけでもないし、「親がジャズ好きで……」とかも一切なかったんで、特に考えてなかったですね。ただ、DJのスクラッチを見たのが衝撃で、HIP HOPとかテクノとかってジャンルも知らずに、「スクラッチがやりたい」というだけでDJを始めて、それからいろんな音楽を知っていった感じなんです。

―では、実際に音楽を職業にすることを意識したのはいつ頃でしょうか?

Fumiya:16歳の終わりぐらいから原宿で一人暮らしを始めて、それが転機でしたね。

―それは、「音楽をやる」っていう目的で家を出たわけですか?

Fumiya:そうですね。DJをちゃんとやりたくて、高校を1年で辞めて……今思えば、親はよく許してくれたなって思いますけど。

―高校を辞めるぐらい熱が高まったのは、何かきっかけがあったんですか?

Fumiya:神奈川県の工業高校に行ってて、楽しかったっちゃあ楽しかったんですけど、周りはヤンキーばっかりだったし、「3年間行って意味あるのかな?」と思って。だったら東京に行ってちゃんと音楽やった方がいいなって。ものを作るのはすごく好きなんで、毎週月曜日に一日中溶接したりとかして、そういうのは楽しかったんですけどね(笑)。

―高校生のときから、「何者かになりたい」という想いがあったんですね。

Fumiya:あったと思いますね。あとは、共学なんだけど、女の子がいなかったっていうのもあったかもしれないです(笑)。

―東京に出てからは、DJバトルで優勝したりして、徐々に仕事が増えていったわけですか?

Fumiya:いろんな人から紹介してもらって、レコーディングのスクラッチに呼んでもらったり、いろんな人のバックバンドに入ってツアーを回ったり、いろいろ経験させてもらいました。声優の女の子から、R&Bのシンガーまで、何でもやるっていう感じでしたね。

―きつい時期もありました?

Fumiya:「全く好きじゃない音楽だな」って思うことはありましたけど、結局は人間と人間なんで、人当たりが良ければそれでいいと思って。リップに入ったのも、音楽の趣味が近かったというのもあるんですけど、みんなでいると楽しいっていうのが一番だったかもしれないです。

DJ Fumiya

―リップ以前はずっと一人で活動していたんですか?

Fumiya:SUさんと一緒にラップグループをやってました。でも、リップのメンバーも既に知り合いで、当時からみんな仲間だったんですよね。僕が原宿に住んでて、RYO-ZくんとかPESくんは原宿でバイトしてたから、自然に家に集まるようになって、RYO-Zくんが「うち(RIP SLYME)来ちゃいなよ」みたいな感じで、SUさんを差し置いて先に入ったっていう(笑)。

―最初に、小さい頃はお兄さんの友達とばかり遊んでたっていう話がありましたけど、リップでもFumiyaさんが一番年下ですよね。

Fumiya:そうなんですよ、末っ子ポジションなんです。自分より年下と接することがこれまであんまりなかったんで、自分より年下の人でもすぐ年上に見えちゃうっていうか(笑)。

―でも、今回のアルバムに参加してる人は年下も多いですよね?

Fumiya:そうですねえ……まあ、父親になっちゃいましたしね(笑)。

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リリース情報

DJ Fumiya<br>
『Beats for Daddy』(CD)
DJ Fumiya
『Beats for Daddy』(CD)

2012年11月7日発売
価格:3,150円(税込)
WPCL-11224

1. Voice for Daddy
2. JYANAI? feat.鎮座DOPENESS
3. BUMBRITY feat.Trippple Nippples
4. HOTCAKE SAMBA feat.BAKUBAKU DOKIN & Tomoko Nagashima from orange pekoe
5. ENERGY FORCE
6. Continue? feat.RHYMESTER
7. LOVE 地獄 feat.RYO-Z & 黒沢かずこ from 森三中
8. FANTASTIQUE!
9. TOKYO LOVE STORY feat.奇妙礼太郎
10. Here We Go feat Dynamite MC(Diplo Remix)

プロフィール

DJ Fumiya

14歳でDJを始め、DJバトル優勝を機に、数々のアーティストのツアーやレコーディングに参加する。18歳でRIP SLYMEに加入、2001年にメジャーデビュー。02年発表のアルバム『TOKYO CLASSIC』は日本のヒップホップ初のミリオンセールスを記録。RIP SLYMEでは、ヒップホップはもちろん、ロック、ソウル、ジャズ、ラテン、ハウス、ドラムンベースなど、世界中のありとあらゆるダンスミュージックを飲み込んだトラック作りで異才ぶりを発揮。他アーティストのプロデュース、楽曲提供、リミックス制作も多く、これまでにbird、AYUSE KOZUE、LITTLE、HALCALI、KOHEI JAPAN、真心ブラザース、YO-KING、Fantastic Plastic Machine、Mr.Children、布袋寅泰などの作品に参加している。

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