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Chara×不破大輔(渋さ知らズ)対談

Chara×不破大輔(渋さ知らズ)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラーのような方たちを模倣して構築していくのではなくて、自分たちの言葉やメロディーで音楽をやりたいと思ったんです。(不破)

―渋さ知らズの新作『渋彩歌謡大全』には、“あいのうた”のインストバージョンが収録されていますね。

Chara:実はそれも、「歌ってください」ってお話をいただいて、「いいですよ」って言ったんですけど、いろんな事情があって実現しなかったんですよね。

不破:それで結局、Charaの代わりにはならないんだけど、うちのトランぺッターが歌メロを吹いてるんです。

―“あいのうた”は昔からお好きだったんですか?

不破:すごい好きな曲で、もちろん映画(『スワロウテイル』)も見てました。大駱駝艦っていう暗黒舞踏の仲間たちが廃人役で出てたこともあって、吉祥寺のバウスシアターで2回見て、サントラ盤も買ってて。

―Charaさんは渋さに対して、どんな印象を持っていらっしゃいましたか?

Chara:語れるほど深くは知らなかったんですけど、アジアっぽいイメージがありました。最近になって私も日本語を含めた自分のオリジナリティーを築けているので、今こうやってご一緒できたのはタイミングがよかったなって。

Chara

―昔は洋楽への憧れが強かったということですか?

Chara:洋楽と邦楽が一緒に入ってきた世代なので、いいものは両方聴いてました。私が歌うようになったのは20歳過ぎなんですけど、シンプルで譜割りも細かくない日本語の歌詞の奥深さを理解できるようになったのは最近のことなんです。特に若いときはミステリアスになりたかったから、選択肢がふたつあったらわかりにくい方を選んでたんだけど、最近はシンプルなものを受け入れられるようになったというか、その魅力を発見できるようになって。

―今のお話は、渋さのアルバムタイトルにつけられた「歌謡」という言葉と関係してくるようにも思うのですが?

不破:「歌謡」っていうのは「歌謡曲」ではなくて、ホントに言葉とメロディーのことで。僕はフリージャズをずっとやってきて、ジャズは元々黒人の音楽であると。でも自分は黒人ではなく、アジアの端、ファーイーストに住んでる日本人で、自分たちの言葉のイントネーションや譜割りがあるから、そういうメロディーやリズムを演奏したくて。ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラーのような方たちを模倣して構築していくのではなくて、自分たちの言葉やメロディーで音楽をやりたいと思ったんです。


Chara:でもすごいファンクっていうか、ステージを見ると、何かを超越した人たちが集まってて、日本的だけど、ファンキーだし、サイケデリックですよね。

不破:これ(Charaの最新作『Cocoon』)を聴いたときもそう思った。グラムロックというか、きれいなグラムの感じに、ファンクもついてるなって。

Chara:ファンクは好きです。飛び越えたバカさっていうか、音楽って音を楽しむって書くし、(渋さを見て)やっぱり楽しんでる人たちが集まるとすごいんだなって思いました。

不破:僕もやっぱり歌謡曲からTHE BEATLESからロックから何でも同時に聴いていたんだけど、どうしても体に残ってるのはファンキーさだったり、Charaが言うような「飛び越えた」感じだった。実際にやってる音楽は違っても、そういう好みの部分では繋がっているのかもしれないですね。

不破大輔(渋さ知らズ)

Chara:そういう「楽しさ」って本当に大切ですよね。昔のダン池田とニューブリード(『夜のヒットスタジオ』の専属バンドとして活躍)みたいに、渋さが音楽テレビ番組の演奏を務めて、毎回違うミュージシャンが参加する、みたいのをやったらめっちゃ面白そう!(笑)

不破:ひどいことになるでしょうけどね(笑)。

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リリース情報

渋さ知らズ<br>
『渋彩歌謡大全』(CD)
渋さ知らズ
『渋彩歌謡大全』(CD)

2012年11月7日発売
価格:3,000円(税込)
TKCA-73836

1. 帰ろかな[Vo:泉邦宏](北島三郎)
2. 一週間[Vo:渡部真一](ロシア民謡)
3. 恋は夢いろ[Vo:渚ようこ](西田佐知子)
4. Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜(YEN TOWN BAN)
5. 黄昏のビギン[Vo:Sandii](水原弘)
6. RYDEEN(Yellow Magic Orchestra)
7. 夢は夜ひらく[Vo:遠藤ミチロウ](三上寛)
8. 渡[Vo:坂本美雨](渋さ知らズ)
9. 黒い花びら[Vo:三上寛](水原弘)
10. 悪漢[Vo:keyco](渋さ知らズ)
11. Ponta De Areia(Wayne Shorter)
12. 君は答えよ[Vo:渡部真一](J・A・シーザー / 東郷健)
※()内はオリジナルアーティスト

リリース情報

Chara<br>
『Cocoon』初回仕様限定盤(CD+DVD)
Chara
『Cocoon』初回仕様限定盤(CD+DVD)

2012年10月31日発売
価格:3,059円(税込)
KSCL-2142

1. 18
2. DADAAAN
3. オルタナ・ガールフレンド
4. Lita
5. 木枯らしと歌う
6. Waiting for You
7. プラネット
8. 蝶々結び
9. 糸し糸しと言う心
10. 特に
11. Cocoon
12. 甘えてよ(ボーナストラック)

プロフィール

Chara

1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。1992年の2ndアルバムでは日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996年には女優として出演した岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」が公開され、劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加して制作されたテーマソング「Swallowtail Butterfly〜あいのうた」が大ヒットとなる。この頃からライフスタイルをも含めた新しい女性像としての人気も獲得し、1997年のアルバム「Junior Sweet」は100万枚を超えるセールスを記録。デビュー20周年を迎えた2011年には、キューンレコードとの契約を発表。未だ制作意欲の衰えを見せる事なく、作品発表を続けている。

プロフィール

渋さ知らズ

1989年9月、不破大輔を中心に初ライブを行う。フリージャズをベースにした大所帯バンドだが、オーケストラ編成だけでなく、中編成や小編成でも活動する。演奏にはジャズ、ロック、フォーク、歌謡曲など様々な要素が混在し、ジャンル分けを拒む音楽である。また、芝居の音楽伴奏が出発点の一つとなったこともあり、演劇的感覚が強い。「テント渋さ」と呼び、自らテントを建てての公演も行っている。これは渋さ知らズがバンドであると同時に、「場」であることを示しており、芸能のラディカリズムを意識したものである。国内外の大型フェスティバルで高い評価を受け、数度の長期ヨーロッパツアーを行っている。

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