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「今も青春の真っ只中」シャムキャッツ×小田島等対談

「今も青春の真っ只中」シャムキャッツ×小田島等対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎

シャムキャッツと、現在は関西在住の小田島等によるスカイプでの対談を隣で聞きながら、かつてのサニーデイ・サービスと小田島も、こんな風ににぎやかに朝まで語り明かしていたんだろうなと思った。きっと小田島にとってのシャムキャッツは、約20年の時を経て、再び出会った運命のバンドなんだろうと。もちろん、サニーデイ・サービスとシャムキャッツを単純に比較することはできないし、この対談の中でも語られているように、世代による差が厳然と存在していることも事実。しかし、それでもシャムキャッツと小田島が世代を超えて強く惹かれ合ったのは、両者が今も青春の真っ只中にいるからだろう。そういえば、小田島がジャケットを手掛けたサニーデイ・サービスの『東京』に収録されている“青春狂騒曲”で、曽我部恵一はこんな風に歌っている。〈そっちはどうだい うまくやってるかい〉と。そして、同じく小田島がジャケットを手掛けたシャムキャッツの『たからじま』は“なんだかやれそう”という曲で幕を開ける。こんなシンクロニシティーは、きっとただの偶然ではない。

明け方に「一緒に海行こうよ」って小田島さんからいきなり誘われて、海でサッカーしました(笑)。(藤村)

―まずは、シャムキャッツと小田島さんの出会いについて話していただけますか?

小田島:2年ぐらい前、高円寺でミノケン(箕浦建太郎)や大橋(裕之)くんとよく遊んでて、そんな中で夏目くんがCDをくれたんだよね。僕、そういう風にCDをいただくことが多いんだけど、もらっても部屋にポンって置いちゃうんだよ。

夏目:そうですよね(笑)。

小田島:だから、夏目くんからもらったCDも聴いてなかったんだけど、その頃よく「光」(高円寺の古着屋)に行っていて、お店でシャムキャッツがかかってたの。僕、歳のせいかもうあんまり新しい音楽が入ってこないんだけど、その代わりにかかってる音楽にピンときたら「これ何?」って訊くの。あるとき、そういう方法に切り替えたの。

夏目:なるほど。いい方法ですね(笑)。

シャムキャッツ(左から:藤村頼正、大塚智之、菅原慎一、夏目知幸)
シャムキャッツ(左から:藤村頼正、大塚智之、菅原慎一、夏目知幸)

小田島:若い人が間に挟まってるから便利なんだよね。とはいえ、ちょっとやそっとじゃ訊かないんだけど、そのときはトコちゃん(「光」店長)に「この曲、誰?」って訊いたの。そうしたら「オダジ、反応した! でもオダジ、本人からCDもらってたよ」って言われて(笑)。それで「へえ、こんなバンドいるんだ」って思ったんだけど、そのときも結局流しちゃって。また別のタイミングでお店に行ったときに、同じことを繰り返したの……(笑)。

―また訊いちゃったわけですか?

小田島:うん。「これ誰?」って僕が訊いて、トコちゃんが「だから、シャムキャッツだって」っていうやりとりを再び(笑)。それでやっと「僕はこれが好きなんだ」と自覚して、もらったCDを確認したの。

夏目:でも、一番最初に話しかけたのは、(江の島の)OPPA-LAの向かいのローソンなんですよ。僕はイラストレーターとかデザイナーになりたいと思ってたから、高校生の頃からオダジのことが好きで、大学生になってからオダジとタナカカツキさんのトークショー観に行ったりしてたんですね。それで顔を知ってたから「小田島等、江の島にいるわ」と思って(笑)。

小田島:そうか。あのとき藤村くんもいたよね?

藤村:いました。そのとき、明け方に「一緒に海行こうよ」って小田島さんからいきなり誘われて、海でサッカーしました(笑)。

―そんな出会いから始まって、小田島さんがシャムキャッツの作品のジャケットを実際に手がけたのは、シングルの『渚』が最初ですよね?

夏目:トコちゃんが「オダジがすごくシャムキャッツを気に入ってるよ」ということを教えてくれて。それで「小田島さん、やってくれませんか?」って、丁寧なメールを送ったんです。

藤村:他のメンバーも、夏目が小田島さんにハマってるのを知っていたので、『無 FOR SALE』とか、小田島さんのマンガを回し読みして「いいね」って言ってたんです。それが21、22歳ぐらいのときですね。

―そもそも夏目くんは、どうして小田島さんのことが好きになったんですか?

夏目:高校生のときに『BRUTUS』の「アートを買う」みたいな特集を買ったんですけど、そこで小田島さんが紹介されていて。カップルの絵の作品ありますよね? あれが衝撃で、好きになったんです。

小田島:あの絵、大橋くんも好きだって言ってくれた。

―小田島さんの作品のどこに惹かれたのでしょう?

夏目:なんかこう、センスいい感じが溢れてるじゃないですか(笑)。あと、押しつけがましくないところが、高校生ぐらいの若いときにはよかったのかな。大橋くんも、ミノケンさんも、押しつけがましくないですよね。

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リリース情報

シャムキャッツ『たからじま』(CD)
シャムキャッツ『たからじま』(CD)

2012年12月5日発売
価格:2,500円(税込)
PCD-18693

1. なんだかやれそう
2. 本当の人
3. SUNNY
4. シンパシー
5. No.5
6. 手紙の続き
7. さよならアーモンド
8. おとといきやがれ
9. 渚
10. 金太郎飴
11. スピークアウト
12. YOU ARE MINE

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  • プロフィール

    シャムキャッツ

    東京を中心に活動している4人組ロックバンド。2007年頃から活動開始。2009年4月に1stアルバム『はしけ』をリリース。以降、枠にはまらない楽曲と自由なステージングで、その独特な存在感はじわじわと広がりを見せる。2010年、「DEMO SINGLE SERIES」と銘打ったCD-R作品を3作連続リリースし全てソールドアウト。2011年、3月9日に1stシングル「渚」、8月24日に2ndシングル「サマー・ハイ」をリリース。どちらも良い感じにヒット。11月23日にミニ・アルバム『GUM』をリリース。2012年12月5日に約3年半ぶりのフル・アルバム『たからじま』をP-VINE RECORDSよりリリース。

    小田島等

    1972年東京生まれ。イラストレーター / デザイナー。桑沢デザイン研究所卒業。1990年に「ザ・チョイス」入選。95年よりCD、広告物、書籍装丁のアートディレクションを多数手がける。同時に漫画家、イラストレーターとして活動。近年では展示活動も精力的に行う。近著に自身のアーカイブ的作品集『ANONYMOUS POP』がある。

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シャムキャッツ“Four O'clock Flower”

ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)