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「今も青春の真っ只中」シャムキャッツ×小田島等対談

「今も青春の真っ只中」シャムキャッツ×小田島等対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎

プラカードみたいのがいいんじゃないかと思って。これ、デモみたいにも見えるんだよね。(小田島)

―ミニアルバムの『GUM』のジャケットのメンバーのイラストは、どんなイメージで描かれたのですか?

小田島:「ちょっと似てないぞ」っていうところが面白いかなと(笑)。今回のアルバムで言うと“おとといきやがれ”や“金太郎飴”にある、オルタナティブの最新形っぽい音ってあるでしょ? この辺りっておじさんになると、ついていけないわけじゃないけど、作れない。40代にはもちろん作れないですよ。リアルタイムでは追えてない時期の音楽が入っちゃってる。今だったら何だろう、Dirty Projectersとかが入ってる?

夏目:“金太郎飴”はDirty Projectersちょっと入ってるかもしれない。

小田島:新しいというか、小数点以下の計算というか。割り切れる偶数じゃなくて、奇数みたいな感じ。だから、この音楽を聴いた人たちが、この後もっと新しいものへと進展させていくんだろうなっていう音。『GUM』ってさ、ちょっと変な音作りだよね? 負けじと俺も変な計算してやるぞというジャケット。

シャムキャッツ『GUM』ジャケット
シャムキャッツ『GUM』ジャケット

―では、『たからじま』のジャケットについては、どのように制作していったのですか?

小田島:はじめに夏目くんの号令があって、「パトリック(・ツァイ)の写真の上に、小田島さんの絵が乗る感じがいい」って言われたんですね。結構難題が来たなあと思って、ドキッとした。写真ってやっぱり大事なものだし、僕もパトリックさんのことが好きだし、「汚しちゃいけないのかな」と結構考えました。それで「がっつり行っちゃっていい?」って訊いたら「行っちゃっていいっすよ」って言うから、「じゃあ」ってやってみたら、1回ダメ出しあったんだよね。あれ、シュンとしちゃったよ……(笑)。

―どんなやり取りがあったんですか?

夏目:すごくよかったんだけど、何日か見てたら、ちょっと難しい気がしてきちゃったんです。僕ららしい難しさでもないし、小田島さんらしい難しさでもないと思って。

―具体的には、今とどこが違っていたんですか?

夏目:簡単に言うと、この下のキャラクターがもっとバラバラで、枠に入っていなかったんですよ。ほんの細部なんだけど、でもそれが結構違った印象で。

小田島:はじめはノリというか、ある種ジャズ的な、即興コラージュ的に作っていましたけど、夏目くんのディレクションが入ってからはすごく意識的に配置しましたね。「枠に入れて、四角が下にいっぱいある感じ」って夏目くんが言ったから、プラカードみたいのがいいんじゃないかと思って。これ、どこか平和的なデモみたいにも見えるんだよね。

シャムキャッツ『たからじま』ジャケット

―ああ、なるほど。

小田島:『たからじま』ってタイトル最高だよね。要するに、「この島は宝島じゃい」、「放射能漬けの島でもなけりゃ、原発漬けの島でもない。そんなんじゃねえよ、俺たちの宝じゃ〜い!」ってことでしょ?

夏目:そう、そういうこと(笑)。

小田島:そこからの“なんだかやれそう”(1曲目)でしょ? 〈やらせてよ〉って歌詞もあるよね。こういう言い方で原発事故にまつわることを言うのはなかなか面白い。それでいて、この曲は女の子との駆け引きもあるよね。両方を含んだうえで、この軽妙な「なんだかやれそうだぞ」と言ってしまうセンスは最高。元気が出る。

―夏目くんの中ではジャケットのイメージはどの程度あったんですか?

夏目:具体的なイメージはゼロで、ファンとしての興味の方が強かったです。「パトリックの写真を使って、オダジに『絵を描いて』って無茶振りしたら何が出てくるんだろう?」っていう。もっと具体的にお願いすることもできたんだけど「これはふっかけてみた方が面白くなるな」と思ったので、すべての選択肢をオダジに託してみたんですよ。

小田島:そうそう、だから俺もちょっと心配になっちゃって……(笑)。だけど、結果よかったね。夏目くんは、長男?

夏目:長男です。妹がいます。

小田島:さばくの上手いよねえ。

夏目:途中からオダジのマネージャーみたいになってたもんね(笑)。

小田島:曽我部くんも下に二人弟がいるんだけど、さばくの上手いんだわ。

夏目:オダジは?

小田島:お姉ちゃんが上にいるから、完璧に甘えん坊。だって、小さい頃に通学路わかんなくて、学校行けなかったんだから(笑)。

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リリース情報

シャムキャッツ『たからじま』(CD)
シャムキャッツ『たからじま』(CD)

2012年12月5日発売
価格:2,500円(税込)
PCD-18693

1. なんだかやれそう
2. 本当の人
3. SUNNY
4. シンパシー
5. No.5
6. 手紙の続き
7. さよならアーモンド
8. おとといきやがれ
9. 渚
10. 金太郎飴
11. スピークアウト
12. YOU ARE MINE

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  • プロフィール

    シャムキャッツ

    東京を中心に活動している4人組ロックバンド。2007年頃から活動開始。2009年4月に1stアルバム『はしけ』をリリース。以降、枠にはまらない楽曲と自由なステージングで、その独特な存在感はじわじわと広がりを見せる。2010年、「DEMO SINGLE SERIES」と銘打ったCD-R作品を3作連続リリースし全てソールドアウト。2011年、3月9日に1stシングル「渚」、8月24日に2ndシングル「サマー・ハイ」をリリース。どちらも良い感じにヒット。11月23日にミニ・アルバム『GUM』をリリース。2012年12月5日に約3年半ぶりのフル・アルバム『たからじま』をP-VINE RECORDSよりリリース。

    小田島等

    1972年東京生まれ。イラストレーター / デザイナー。桑沢デザイン研究所卒業。1990年に「ザ・チョイス」入選。95年よりCD、広告物、書籍装丁のアートディレクションを多数手がける。同時に漫画家、イラストレーターとして活動。近年では展示活動も精力的に行う。近著に自身のアーカイブ的作品集『ANONYMOUS POP』がある。

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