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音楽家であり絵描きでもあるロマンチスト 渡會将士インタビュー

音楽家であり絵描きでもあるロマンチスト 渡會将士インタビュー

テキスト
石角友香
撮影:豊島望
2013/06/20

古くはマイルス・デイヴィスやジョン・レノン、最近ではBeckやカール・ハイド、そして日本人ではCoccoなどなど。古今東西、ミュージシャンながら絵の表現にも卓越した才能を持つ人物は多い。天は二物を与えた的な運命論はさておき、表現のアウトプットが多元的な人の思考ってどうなっているのか、単純に興味があるところだ。

今回その1つのケースとして登場してくれたのは、バンド結成10周年を迎え、6月にニューアルバム『Reach to Mars』をリリースしたFoZZtoneのボーカル&ギターにして、全ての作詞と数多くの作曲を担当する渡會将士(わたらいまさし)。子どもの頃から本気で漫画家を目指していた渡會は、いつしか自身のバンドでメジャーデビューを果たし、音楽家として評価を集める存在になった。しかし成功を手にした後も渡會は絵を描き続け、今ではCDジャケットのアートワークを手がけるまでになっている。音楽だけでも、絵だけでも計りきれないこの特異な才能は、どのように育ってきたのだろう。最後のページには渡會画伯の絵も展示させてもらっているので、ぜひご覧いただきたい。

漫画って、個人でできる表現の中で一番ポップで、一番浸透性がある気がします。

―突然ですが、渡會さんのブログ、面白いですね。

渡會:ありがとうございます(笑)。

―ちょっとしたエッセイのような濃さで、しっかり書かれていますよね。絵も描けるし、本当に多才だなと思いました。

渡會:どうなんでしょうね。音楽にせよ絵にせよ文章にせよ、自分らしい表現方法が見つかっただけだと思うんですよね。

渡會将士(FoZZtone)
渡會将士(FoZZtone)

―音楽とそれ以外を分けているわけではないんでしょうか?

渡會:もともと中学生の頃は、曲を作ったり歌うことより、絵を描く方が得意だったんです。それが音楽でプロになってから逆転していったんですけど、表現としてそんなに分けてるつもりはないんです。だから、気軽に「なんかちょっと描いて下さい」って言われると凄いイヤですね。

―遊びで描いてるわけじゃない、と?

渡會:はい。その場でサッと描いたりできないし、似顔絵とかも全然描けないですし。あと、テーマを与えられて描くのも苦手です。テーマに合わせて器用に気分を変えたりできないので。

―今日は渡會さんの絵についてゆっくりお話を伺いたいのですが、最初はどんなものを描いていたんですか?

渡會:小学生の頃は漫画家になろうと思ってました。4コマ漫画みたいなものを描くのがクラスで流行ってて、授業中にカリカリ描いてたんですけど、みんなだんだん飽きていくんです。でも、僕だけ飽きずにずっと描き続けてて。

―それが高校生の頃までずっと続いて?

渡會:そうですね。投稿もしたくらい本気でした。

―でも、夢は叶わなかった?

渡會:そのときはいい結果にならなかったですけど、別にそれで諦めるつもりはなかったんですよ。ただ、その頃やってたバンドが楽しくて、そっちがどんどん忙しくなって、すっかり描かなくなっちゃったんです。でも、もしも長期休暇をもらえたら、漫画を描いて投稿したいって、今でも思いますよ。

渡會将士による作品

―それくらい渡會さんを魅了した漫画の面白さって、どんなところにあるんでしょう。

渡會:たとえば漫画と映画を比べたときに、映画って作る上での制約が多いと思うんです。単純に映画は一人で作ることはできないし、撮影するためにはいろいろな準備が必要じゃないですか。そういうことも含めて、漫画の2Dの表現能力って、3Dの現実世界で実写撮影されるものよりも優秀だと思います。漫画を実写化したものって大体ダメじゃないですか?

―漫画には、絵の中だからこそ生まれ得る、現実とは全く違う世界観がありますね。

渡會:そう、普通に文化として凄いんだなぁって。自分で描くようになってから、コマ割りとか、ストーリーの展開のさせ方とかを作り手の目線で見るようにもなって、本当に漫画って面白いと思いました。一人で映画は作れないけど、一人で漫画は描ける。たぶん個人でできる表現の中で一番ポップで、一番浸透性がある気がします。だから、凄いと同時に、怖いものだなぁとも感じるんですよね。

渡會将士による作品

―確かに、たとえば倫理的に実写では撮れないような画も、漫画だったら描けたりしますし。

渡會:だからある意味で日本人は、そういう倫理的な規制をうまくすり抜けて怖いものをいっぱい作ってきたと思うし、そういうところはどの国の人より抜け目ないなって。日本人は2次元の中で表現することに関して、圧倒的に能力が長けてるんじゃないかと思うんですよね。

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リリース情報

FoZZtone<br>
『Reach to Mars』(CD)
FoZZtone
『Reach to Mars』(CD)

2013年6月5日発売
価格:2,800円(税込)

1. 世界の始まりに
2. 情熱は踵に咲く
3. Master of Tie Breaker
4. She said
5. Shangri-La
6. BABY CALL ME NOW
7. 1983
8. ニューオーリンズ殺人事件
9. 21st Century Rock'n'roll Star
10. Reach to Mars

プロフィール

FoZZtone(ふぉずとーん)

2001年に竹尾典明(Gt)と渡會将士(Vo&Gt)が出会い、2003年に菅野信昭(Ba)が加入しFoZZtoneを結成。2010年秋からはサポートドラマーの武並"J.J."俊明がライブ、レコーディングに参加している。同年、"購入者が選曲し曲順を選べる"という業界初の「オーダーメイド・アルバム企画」を実施し話題となる。2013年は結成10周年イヤーということで、様々な企画を計画・実行中。

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