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音楽家であり絵描きでもあるロマンチスト 渡會将士インタビュー

音楽家であり絵描きでもあるロマンチスト 渡會将士インタビュー

テキスト
石角友香
撮影:豊島望
2013/06/20

いくら僕が挿絵を描いたところで、結局は誰の印象も固定できないと思う。

―今回のアルバムのブックレットは、渡會さんが1曲ごとに挿絵を描いているじゃないですか。音楽を作ってるご本人による挿絵って、やはり表現として凄く強いですよね。

渡會:アルバムに自分の絵を入れることで、逆に音楽のイメージを限定してしまう危険性もあるから、昔は入れない方がいいのかなって思ってたんです。ただこのところ、音楽がどんどんデジタル化して、ものとして手に取れなくなってきているので、逆にCDっていう形で発売するものに関しては、パッケージとしてガツンとくるイメージが入っててもいいなって。わざわざブックレットまで見てくれる人に対して、「こんなイメージをしなさい」って強制的な感じで挿絵を見せるっていう。

―それをアーティスト本人が描いているわけですから、一般的なCDのブックレットに比べて、アートワークに特別な価値が出てきますね。

渡會:まあでも、いくら僕が挿絵を描いたところで、結局は誰の印象も固定できないと思うんですよね。シャッフルとかで聴いて、なんの映像もなしにこのアルバムの中の曲が出てきたら、印象はまた変わってきちゃうと思いますし。

明朝体が好きなんです。しょうもないことを明朝体で書くと、もの凄くシュールな雰囲気になったりして。

―歌詞カードのフォントは、渡會さんがTwitterのプロフィ―ルでも好きだと触れている明朝体ですね(笑)。

渡會:明朝、大好きなんです(笑)。

―何故なんですか(笑)。

渡會:自分で文章をパソコンに書き起こすときに、全部Illustratorでやってたんですけど、そのときにフォントを選んでて、「あ〜、教科書体だと、俺すげぇいいこと言ってるっぽい」みたいな。

渡會将士(FoZZtone)

―フォントによって、文章の見え方が変わりますよね(笑)。

渡會:明朝体は堅苦しい感じもあるんですけど、しょうもないことを明朝体で書くと、もの凄くシュールな雰囲気になったりして、いいなと思って。

―確かに。そういうシュールな雰囲気がお好きなんですか?

渡會:たとえば一昔前のキューピーマヨネーズのCMとか、不思議な空気感があるものは好きですね。別に明朝体が出てくるワケじゃないんですけど、ただキャベツだけをドーン! って映し続けるだけ、みたいなCMで(笑)。雰囲気的に笑わそうとしてるわけじゃないし、明確に「これはアートだ」って主張しているわけでもなく、ただシュールにしたいだけなんだろうなって。

―そういうシュールさや、ユーモアな部分って、もしかすると渡會さんの根幹を担っているのかもしれませんね。

渡會:分からないですけど、確かにシュールなものが好きだし、そのCMを企画した人が、どうやってシュールな企画にお金を出してもらったのか、凄く興味がありますね。だって、ずっとキャベツが映されて、ようやく最後にキューピーマヨネーズとマークが映るだけなんですよ?(笑) 確かに画期的なCMだけど……。

―それで本当にマヨネーズを買うか? って思いますよね(笑)。

渡會:でも、なんとかプレゼンを通したからCMになったわけですもんね。ただ「変わってるね」で終わらずに、それを価値として納得してもらうって、凄い。話が明朝体から大分飛躍しましたけど(笑)。

渡會将士(FoZZtone)

―ここまでお話を聞いてきて、音楽も絵も、表現スタイルこそ違えど、同じように渡會さんらしさがあるし、そこに渡會さんのイノセントなものを感じました。

渡會:今年で結成10周年を迎えて、幸いなことにこれだけやってても、大事なピュアな部分を失わずにやれてると思いますし、ようやくピュアなところを自分の中から引っ張り出してきて表現することもできるようになってきましたね。

―同一人物がやってることだから当然なんですけど、音楽も絵も渡會さんの表現は前向きな妄想と想像の産物なんだなって再認識しました。

渡會:なるべく前向きな妄想をしたいなぁと常々思ってますね。なんかそういうのって、自分を救うと思うので。

―曲を作って歌っているご本人がジャケットまで描くっていうのは珍しいと思いますが、これからその前向きな妄想を楽しみにしています(笑)。もちろん今後も、渡會さんの絵を使う予定ですよね?

渡會:ミュージシャン本人がジャケットを描いた方がパッケージとしても面白いと思うので、続けていけたらいいですね。一生懸命描いたけどダメだったなら、「じゃあ写真にしよう」でもいいと思うし。なので、今後も楽しみにしていてください。

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リリース情報

FoZZtone<br>
『Reach to Mars』(CD)
FoZZtone
『Reach to Mars』(CD)

2013年6月5日発売
価格:2,800円(税込)

1. 世界の始まりに
2. 情熱は踵に咲く
3. Master of Tie Breaker
4. She said
5. Shangri-La
6. BABY CALL ME NOW
7. 1983
8. ニューオーリンズ殺人事件
9. 21st Century Rock'n'roll Star
10. Reach to Mars

プロフィール

FoZZtone(ふぉずとーん)

2001年に竹尾典明(Gt)と渡會将士(Vo&Gt)が出会い、2003年に菅野信昭(Ba)が加入しFoZZtoneを結成。2010年秋からはサポートドラマーの武並"J.J."俊明がライブ、レコーディングに参加している。同年、"購入者が選曲し曲順を選べる"という業界初の「オーダーメイド・アルバム企画」を実施し話題となる。2013年は結成10周年イヤーということで、様々な企画を計画・実行中。

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