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勝井祐二(ROVO)×スティーブ・ヒレッジ(System 7)対談

勝井祐二(ROVO)×スティーブ・ヒレッジ(System 7)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/09/18

ある曲のパートでは「これギター弾いてるのスティーブ? 山本さん?」って、ちょっとわからなくなるときがあって、それは驚きだった。(勝井)

勝井:スティーブが言うように、プログラミングされてるテクノビートと、僕らのバンドサウンドが行ったり来たりするっていうのは、すごく新しいと思います。このアルバムにはいろんなビートがあって、僕らがよくやる、だんだんテンポを上げて行くような肉体的な表現もあるし、スティーブがプログラミングしたビートに僕らが合わせているうちに、だんだんライブビートになるような、そういう変化があるものもあって、すごくいろんなことに挑戦をしたアルバムになってます。ただその前に、実は日本では発売してないんですけど、『Hinotori』っていうEPが、6月にイギリスで出てるんですね。

―アルバムにも収録されてる“Hinotori”のエディットやリミックス、『PHASE』(ROVOが2012年に発表したアルバム)の1曲目を飾っていた“BATIS”などが収録されたEPでしたね。

勝井:あれを聴くと、すでにどっちがどっちだか全然わからないというか、「これはSystem 7が何をしてる、これはROVOが何をしてる」みたいには聴けないんですね。『Hinotori』でもうひと段階を踏んで、本当に融合したプロジェクトとして、到達できたのが今回のアルバムだと思ってます。

スティーブ:『Phoenix Rising』のときは、まずROVOが僕らの“Hinotori”をカバーしてくれたわけだけど、一般的なダンスミュージックの常識で言うと、ロックの楽曲をダンスミュージックにリミックスすることはあっても、その逆っていうのはなかった。だから、僕はそれを「ポスト・エレクトロニック」って呼んでたんだ。そして、『Hinotori』ではそれをさらに僕らがリミックスしてる。これはもう「リ・リミックス」って言ってもいいと思う(笑)。すごく面白いコンセプトだよね。

左から:スティーブ・ヒレッジ(System 7)、勝井祐二(ROVO)

―テクノビートとライブ演奏を融合させるのは決して簡単な作業ではなかったと思うのですが、実際にどうやってコラボレートしていったのでしょうか?

勝井:そもそも『Phoenix Rising』のときは、最初はお互いの曲をリミックスするっていう計画だったんですけど、僕らはやっぱりバンドとして機能しているわけで、ライブアレンジでカバーするのが一番いいだろうって思ったんです。ただ、実際に作ってるときも「これは後々System 7と合体して演奏する可能性があるわけだから、クリックを使わないと合わせられないんじゃないか」っていう意見もあって、いろいろ考えました。それで結局テクノビートに合わせるアレンジ、合わせないアレンジ、両方が成立するように作っていったんです。

スティーブ:ROVOはみなさん経験豊富なプレイヤーだし、アレンジも素晴らしかったですね。ドラマーが2人いるから、GRATEFUL DEAD的なバイブがあったのもよかったし(笑)。今回のアルバムに関しては、ユウジととにかくディープなコミュニケーションをして作っていきました。ユウジは素晴らしいバイオリンプレイヤーだし、前からライブサウンドでのエレクトリックギターとの融合もやってみたかったから、“Meeting of the Spirits”ができたのはすごく嬉しかった。

2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様
2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様

―この曲って、THE MAHAVISHNU ORCHESTRAのカバーですよね?

勝井:この曲はスティーブの強い希望でやることにしたんですけど、普通に演奏すること自体すごく難しい曲なんですよね。もちろん、普通にカバーをするよりも、もっと新しい要素を持ち込もうと考えて、リズムの解釈を僕らがよくやってるようなやり方でやってみたんです。8分の6と4分の2のポリリズムが、だんだんダンスビートにシフトしていくっていう。

―この曲は先ほどスティーブが言っていたように、ギターとバイオリンがフィーチャーされていますが、勝井さんから見てギタリストとしてのスティーブと山本精一さんというのは、似た部分があるのでしょうか? それとも、まったくタイプが違いますか?

勝井:僕にとっての存在としては相当違って、僕は彼(スティーブ)の音楽を聴いて育ってきたようなものです。山本さんとはずっと一緒にこのバンドを作ってきて、十何年やってきてますからね。ただ、録音後のミックスをしてるときに、ある曲のパートでは「このギター弾いてるのスティーブ? 山本さん?」って、ちょっとわからなくなるときがあって、それは驚きだった。やっぱり、山本さんはいろんな表現ができる人だから、System 7とROVOのプロジェクトで、ギタリストが2人いてっていう中で、一番ベストな表現を選んだんだと思うんです。

2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様
2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様

―それはROVOのときとは少し違うわけですか?

勝井:ROVO単体だとよくやるような、トリッキーな音使いとか音色使いとかはあんまりしてないんですよね。もちろん、曲によっては使ってるんだけど、上手く使い分けてるというか、出し方がいろいろで、懐が深いなって、改めて思いました。ただ、やっぱり結構大変ではあったみたいで、すごく向き合って、考えて作ってましたね。さっきスティーブが「ディープなコミュニケーション」って言ってたけど、今回は一つひとつのことを相当話し合いました。お互いの考え方や表現が違う部分も当然あるし、言葉の違いもあるから、スタッフにも手伝ってもらって、かなり濃密なやり取りをしましたね。

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イベント情報

『ROVO and System 7合体LIVEツアー「Phoenix Rising」Asia Tour 2013』

2013年11月15日(土)OPEN 19:00 / START 20:00
会場:愛知県 名古屋 今池ボトムライン
出演:ROVO and System 7
料金:前売4,800円 当日5,800円(共にドリンク別)

2013年11月17日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT
出演:ROVO and System 7
料金:前売4,800円 当日5,800円(共にドリンク別)

2013年11月24日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:ROVO and System 7
料金:前売5,000円 当日6,000円(共にドリンク別)

2013年11月29日(金)
会場:台湾 台北 Legacy
出演:ROVO and System 7

『「Phoenix Rising」Europe Tour 2014』

2014年3月7日(金)
会場:イギリス マンチェスター The Ritz

2014年3月8日(土)
会場:イギリス ロンドン O2 Shepherds Bush Empire

2014年3月13日(木)
会場:オランダ アムステルダム Melkweg The Max

リリース情報

ROVO&SYSTEM 7<br>
『Phoenix Rising LP』(CD)
ROVO&SYSTEM 7
『Phoenix Rising LP』(CD)

2013年9月18日発売
価格:2,730円(税込)
wonderground music / WRCD-66

1. Hinotori
2. Love for the Phoenix
3. Meeting of the Spirits
4. Cisco (Phoenix Rising Version)
5. Unbroken
6. Sino Dub (Phoenix Rising Version)
7. Unseen Onsen

プロフィール

ROVO(ろぼ)

「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。驚異のツインドラムから叩き出される強靱なグルーヴを核に、6人の鬼神が創り出す音宇宙。音と光、時間と空間が溶け合った異次元時空のなか、どこまでも昇りつめていく非日常LIVEは、ROVOでしか体験できない。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

プロフィール

SYSTEM7(しすてむ せぶん)

SYSTEM 7はスティーブ・ヒレッジ(Steve Hillage)とミケット・ジローディ(Miquette Giraudy)の2人組ユニットで、前身である伝説のプログレバンドGONG時代から数えると、2人のキャリアは40年にもおよぶ。SYSTEM 7名義では7枚のアルバムをリリース、エレクトリックギターをフィーチャーしたサイケデリックなテクノサウンドでオリジナルなハーモニーを奏で続けている。

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