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勝井祐二(ROVO)×スティーブ・ヒレッジ(System 7)対談

勝井祐二(ROVO)×スティーブ・ヒレッジ(System 7)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/09/18

ROVOは今まで全部自分たちでやってきてるので、プロデューサーを入れたことがなかったんですよね、そういえば(笑)。(勝井)

―「ディープなコミュニケーション」というのは、もちろんテンポや拍といった細かい音楽的な話もあったと思うし、もっと大きなイメージの共有もあったわけですよね?

勝井:スティーブはイメージを言葉にして説明してくれるのが上手なので、僕らが考えてることも、ちゃんとスティーブやミケットに伝わるように、言葉で伝えるように努力しました。もちろん、音を出しながら一緒に作っていったので、そのどちらもあってですけどね。

スティーブ:僕は言葉の違いはそんなに気にならなくて、普通に理解し合えたと思う。これまで音楽的に影響を受けてきたものも、近いものがあるしね。僕もダンスミュージックをやる前はサイケデリックなロックをやってたし、ユウジはアシッドハウスが流行り始めた時期にロンドンにいたから、当時の空気をよくわかってる。ROVOがやってるのは人力トランスだから、トランスのフィーリングもシェアできてるし、問題ないよ。何より、音楽は世界共通言語だから。

2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様
2011年に行われた『ROVO×SYSTEM 7 / Phoenix Rising Tour』の模様

―うん、まさにそれをこの2組が証明してくれていますよね。具体的な曲で言うと、オリジナル曲の“Love for the Phoenix”は、曲調からしてスティーブが作った曲かと思うのですが?

スティーブ:System 7が1991年に発表したアルバムの中の曲で、アラブの有名なシンガーのボイスサンプルを使った曲があるんだけど、あのサンプルをいつかまたどこかで使いたいとずっと思ってたんだ。それで今回、震災で傷ついた日本に対して、愛と悲しみを表現するのにぴったりだと思ったから、やっとニューバージョンを作ることができて、すごく嬉しく思ってる。たしか2012年の7月にユウジにラフを送って、9月に日本で一緒にスタジオに入って、さらにそれを今年の1月にロンドンで作り込んで、3月にまた来日して最終的な仕上げをしたんじゃないかな。

スティーブ・ヒレッジ(System 7)

―ホントに行ったり来たりしながら作った作品なんですね。

勝井:そうですね。大切なことは、相手の人間性と音楽に敬意を持った上で向き合うことだったと思います。今年の2月末から3月のアタマにかけてスティーブだけ来日して、益子君(益子樹 / ROVOのメンバーであり著名なエンジニアでもある)と三人で毎日スタジオにこもって最終的なミックス作業をやったんですけど、それもホントに素晴らしい経験でした。去年のセッションを彼がエディットしたものをミックスしたときは、その編集の構成、加えられたもののディテールとか、ホントに見事だと思いましたね。実際の作業中も、スティーブはホントに細かく全体の音を聴いてるんですよ。

スティーブ:僕はプロデューサーとしてのキャリアも長くて、自分以外の作品を50作近くプロデュースしてる経験があるからね。

勝井:ああそうか、なるほど。ROVOは今まで全部自分たちでやりたいと思って、録音からミックス、アートワークとか、全部自分たちでやってきてるので、プロデューサーを入れたことがなかったんですよね、そういえば(笑)。それですごく新鮮だったんだ、そういうことか。

勝井祐二(ROVO)

“Cisco”はすごくサイケデリックな変化を持った曲で、すべての音楽の歴史が詰まった曲だと思うよ(笑)。(スティーブ)

―アルバムにはROVOの曲のPhoenix Rising Versionも2曲収録されています。それぞれの選曲の狙いを教えてください。

勝井:基本的には、僕と山本さんで話し合って決めたんですけど、今回のベーシックを録る2か月前まで、『PHASE』のレコーディングをしてたんですね。その時点でアイデアを出し尽くしていたので、新しい曲を作る時間がなかったっていうのもあるにはあるんですけど、僕らがやってきた様々なタイプの曲の中で、どの曲を一緒にやるのが一番面白いだろうって考えて行きました。その中で僕は“Cisco”は最初から絶対やってみたいと思ってたんです。

―それはどんな理由で?

勝井:途中にも出たテクノビートとライブサウンドの融合ということで言うと、この曲はだんだんテンポを上げて行く曲で、テクノでは絶対ない手法なので、これをあえて一緒にやってみたらどうなるだろうと思って。そうしたら、スティーブが今までになかったパートを作ってくれて、それを合わせて新しい曲になったので、お互いの持ち味の融合という意味では、この曲もすごく象徴的な曲だと思います。

―では、“Sino Dub”に関しては?

勝井:これは山本さんの曲なんですけど、もともとテクノビート的な感覚が強い曲だったので、テクノビート的な解釈でライブサウンドをやるならこれだろうっていう。ただ、この曲もものすごく変化してるんですよ。最初の“Sino”があって、“Sino+”っていうライブバージョンがあって、それのダブバージョンを作って、そのライブバージョンの、System 7とコラボしたバージョンが今回収録されてるんで、5バージョン目ぐらいかな?

―すごいですね(笑)。

勝井:そういうのが楽しいんですよ。お互いが持ってる要素を合わせて、今までやってきたものとは違う、新たな段階のものを作っていくっていう。

スティーブ:“Cisco”はすごくサイケデリックな変化を持った曲で、すべての音楽の歴史が詰まった曲だと思うよ(笑)。

勝井:詳しく言うと、“Cisco”って、別のテンポの8ビートと8ビート、遅い8ビートと、ちょっと速い8ビートが2:3の比率で最初から組み合ってるんです。まず、2の方がメインでスタートして、徐々にクロスしてくる3の方が表れてきて、それが組み合わさった状態で全体でテンポを上げて行くんですね。それである程度テンポアップしたところで、スティーブが作ってきた奇数拍のリフと融合して、今度はガッチリ組み合ったひとつのビートになる。その4分の4のビートの中に、9拍進行のフレーズと、もっと複雑な奇数拍のフレーズが同時に存在して組み合いながら、さらにテンポを上げて行くっていう、こんな曲ほかにないでしょうね(笑)。

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イベント情報

『ROVO and System 7合体LIVEツアー「Phoenix Rising」Asia Tour 2013』

2013年11月15日(土)OPEN 19:00 / START 20:00
会場:愛知県 名古屋 今池ボトムライン
出演:ROVO and System 7
料金:前売4,800円 当日5,800円(共にドリンク別)

2013年11月17日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT
出演:ROVO and System 7
料金:前売4,800円 当日5,800円(共にドリンク別)

2013年11月24日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:ROVO and System 7
料金:前売5,000円 当日6,000円(共にドリンク別)

2013年11月29日(金)
会場:台湾 台北 Legacy
出演:ROVO and System 7

『「Phoenix Rising」Europe Tour 2014』

2014年3月7日(金)
会場:イギリス マンチェスター The Ritz

2014年3月8日(土)
会場:イギリス ロンドン O2 Shepherds Bush Empire

2014年3月13日(木)
会場:オランダ アムステルダム Melkweg The Max

リリース情報

ROVO&SYSTEM 7<br>
『Phoenix Rising LP』(CD)
ROVO&SYSTEM 7
『Phoenix Rising LP』(CD)

2013年9月18日発売
価格:2,730円(税込)
wonderground music / WRCD-66

1. Hinotori
2. Love for the Phoenix
3. Meeting of the Spirits
4. Cisco (Phoenix Rising Version)
5. Unbroken
6. Sino Dub (Phoenix Rising Version)
7. Unseen Onsen

プロフィール

ROVO(ろぼ)

「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。驚異のツインドラムから叩き出される強靱なグルーヴを核に、6人の鬼神が創り出す音宇宙。音と光、時間と空間が溶け合った異次元時空のなか、どこまでも昇りつめていく非日常LIVEは、ROVOでしか体験できない。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

プロフィール

SYSTEM7(しすてむ せぶん)

SYSTEM 7はスティーブ・ヒレッジ(Steve Hillage)とミケット・ジローディ(Miquette Giraudy)の2人組ユニットで、前身である伝説のプログレバンドGONG時代から数えると、2人のキャリアは40年にもおよぶ。SYSTEM 7名義では7枚のアルバムをリリース、エレクトリックギターをフィーチャーしたサイケデリックなテクノサウンドでオリジナルなハーモニーを奏で続けている。

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