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フラッシュモブってなんぞや? 三浦康嗣(□□□)インタビュー

フラッシュモブってなんぞや? 三浦康嗣(□□□)インタビュー

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:高見知香
2013/11/01

池袋エリアの文化拠点を中心に開催される、日本最大級の舞台芸術フェス『フェスティバル/トーキョー』。今年の大きな話題の1つは、誰もが気軽に参加出来るプログラム『F/Tモブ・スペシャル』に、□□□(クチロロ)の三浦康嗣が参加することだろう。

メールやSNSを通じて集まった不特定多数の人が、街中で突如集団パフォーマンスを行い散会する「フラッシュモブ」。これまでも、劇団・ままごとの舞台『わが星』や、インタラクティブ広告『TOKYO CITY SYMPHONY』をはじめ、様々な「異分野コラボ」をおこなってきた三浦のこと、おそらく通常のフラッシュモブとは全く違う、画期的な「音楽モブ」を展開してくれるはず。総勢70名の一般参加者と第1回目のワークショップを終えたばかりの彼に、『F/Tモブ・スペシャル』参加への意気込みを語ってもらった。

そもそも、「モブってなんぞや?」ってところから始まった。まあ、頼まれたら大抵やるんですよ、僕は。

―三浦さんは□□□での音楽活動だけでなく、舞台作品の演出やインタラクティブ広告の音楽監督など、異分野とのコラボレーションを積極的にされていますが、そういったメディアミックス的なことへの興味は□□□の活動以前からあったのですか?

三浦:興味というほどのことではないんですけど、大学生の頃に陶器を作る作家さんと、サウンドインスタレーション的な作品を作っていたことはありました。小生意気で頭でっかちな大学生だったので。

―「陶器」と「音楽」ですか?

三浦:陶器を割って、その音をリアルタイムでサンプリングして、その場で音楽を作っていくっていう。歌はもちろんないし、リズムも定型的なものではない、すごくアブストラクトな音楽でした。でも、そういったことに関わるようになったのは、基本「頼まれたから」みたいなことの連続なんですよね。

三浦康嗣(□□□)
三浦康嗣(□□□)

―たとえば、劇団・ままごとの舞台『わが星』の音楽に携わった経緯もそんな感じだったのですか?

三浦:あのときも最初は、作・演出家の柴くんから「映画のエンドロールに流れるような曲を作って欲しい」って頼まれたんだけど、それじゃ面白くないなと。彼も僕と同じように作品を構造的に作る人だったから、当時制作途中だった、□□□の“00:00:00”(アルバム『everyday is a symphony』収録)のデモを聴かせたんですね。

―今回の『F/Tモブ』でも使われる曲ですね。

三浦:ええ。そのデモを、時報だけのトラック、リズムだけのトラック、ベースだけのトラックというふうに幾つかのパーツに分解して渡したんです。「これありきで戯曲も書いて、演出もやって欲しい」って。よくある「音楽と舞台のコラボ」って、一緒にやっていても「境界」が見えてしまうものが多いじゃないですか。せっかくなら境界が見えないものを作った方が面白いし、単に音楽を提供するだけなら、コラボの意味がないと思うんですよ。

―『わが星』は、第54回岸田國士戯曲賞にも選ばれましたね。

三浦:それがあったからか、その後『吾妻橋ダンスクロッシング』っていうパフォーマンス系のフェスに、何故か僕が短編の舞台作品で呼ばれたりして。そうやって自然に繋がっていくんですよね。舞台に限らず音楽にしても、自分から「やらせてくれ」って言ったことはデビューする前からほとんどなかったんです。頼まれてやってきたことの連続というか。もちろん、やるからには出来るだけ面白くなった方がいいかなって思いますけど。

―じゃあ、今回の『F/Tモブ』に関しても最初は全く白紙の状態だったんですか?

三浦:そもそも、フラッシュモブってモノ自体を知らなかったんですよ(笑)。「モブってなんぞや?」ってところから始まった。知らないことだからこそ「やってみようかな」と思える部分もあるし。まあ、頼まれたら大抵やるんですよ、僕は。

―YouTubeとかでモブの映像を見てみました?

三浦:見ましたけどすぐ飽きてしまいました(笑)。空港で突然みんなが踊りだすやつとか、商店街かどこかで音楽に合わせてオバチャンとかも一緒に踊りだすやつとか……。なんか、よく出来ていればいるほど単なるパフォーマンスになっちゃってて。PVみたいっていうかね。それはそれで否定はしないし、嫌いとかじゃ全然ないけど、もうちょっとユルい感じで出来ないかなと。

―「自分だったら、こんなふうに出来る!」みたいなアイデアはすぐ浮かびました?

三浦:その時点では特になかったです。でもそろそろ決めなくちゃいけないじゃないですか(笑)。それで何となく、「こんな感じだったらいいかなあ」とか「こうしたら面白いかも」みたいな漠然としたイメージを思い浮かべてますけどね。

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イベント情報

『F/Tモブ・スペシャル』

2013年11月9日(土)〜12月8日(日)毎週土、日曜日
会場:東京都 池袋 東京芸術劇場、池袋西口公園、サンシャインシティほか
参加アーティスト:
近藤良平(コンドルズ)
古家優里(プロジェクト大山)
三浦康嗣(□□□)
矢内原美邦(ニブロール)
料金:無料

『フェスティバル/トーキョー13』

2013年11月9日(土)〜12月8日(日)
会場:
東京都 池袋 東京芸術劇場
東京都 東池袋 あうるすぽっと
東京都 東池袋 シアターグリーン
東京都 西巣鴨 にしすがも創造舎
東京都 池袋 池袋西口公園
※実施プログラムはオフィシャルサイト参照

プロフィール

三浦康嗣(みうら こうし)

□□□(クチロロ)主宰。スカイツリー合唱団主宰。作詞、作曲、編曲、プロデュース、演奏、歌唱、プログラミング、エディット、音響エンジニアリング、舞台演出……等々を一人でこなし、多角的に創作に関わる総合作家。平井堅、m-flo、土屋アンナ、坂本美雨、MEG、私立恵比寿中学等様々なアーティストの楽曲、リミックスや様々なCM音楽、今年の『カンヌ広告祭サイバー部門』銀賞受賞した『TOKYO CITY SYMPHONY』の音楽監督、岸田戯曲賞受賞作『わが星』の音楽担当、音楽劇『ファンファーレ』の音楽・演出等々。□□□最新アルバムは3月にリリースされた『JAPANESE COUPLE』。

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