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三宅裕司×福原美穂対談 細胞が覚醒する、ゴスペルのススメ

三宅裕司×福原美穂対談 細胞が覚醒する、ゴスペルのススメ

インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:豊島望

歌を通じて強くなる。音楽にはそういうものが多いですよね。レゲエもそうですし、ラップもそう。特に黒人音楽には、その力をよく感じます。(三宅)

―今お話いただいたことはゴスペルの音楽としての魅力ですが、歌われている内容、歌詞にはどんな魅力があるとお感じですか?

福原:私はキリスト教徒ではないですし、神は自分自身の中にあるという考えなので、ゴスペルが歌う教えの感覚は分からない。なので、宗教的な言葉の数々に心から共感することはできませんが、神様からの言葉を唱えることで自分自身を強くするゴスペルの在り方は、美しいものだと思います。

三宅:そこで聴く人も、同じ気持ちになれるということですかね。

福原:黒人教会に行くと「みんな手を繋ぎなさい」と言われるんですよね。日本だと運動会のダンスくらいしかそういう機会が思いつかないんですけど、黒人の人たちは手を繋いでみんなでゴスペルを歌い、心を共有するんです。そうすることで、またリズムが繋がっていく気がします。

福原美穂

三宅:歌を通じて強くなる。音楽にはそういうものが多いですよね。レゲエもそうですし、ラップもそう。特に黒人音楽には、その力をよく感じます。

―白人に虐げられてきた歴史や心の叫びが、武器を持つことが許されなかった彼らを歌や音楽へと駆り立てたのでしょうね。

三宅:格闘技にもありますよね。足だけで戦うカポエラも、虐げられた黒人のルーツから出てきたものだそうですし。

―ああ、アフリカからブラジルに連れてこられた奴隷が、主人の虐待から身を護るために編み出したとか、手を使ってはいけない奴隷同士の休憩時間の遊びから生まれたという説がありますね。

三宅:ゴスペルに限らず、いろいろな黒人文化のルーツを探っていくと面白いですね。

福原:ただ、そうやって様々な文化を生んだ黒人の方たちが持つ歴史的な背景や宗教観は、日本人にはないものですから、ゴスペルで私たちが生で感じた素晴らしさを言葉で説明するのはとても難しくて。

―ゴスペルの根底には宗教、神への感謝の心がありますからね。

三宅:日本には、教育の中で宗教観を学ぶ機会も少ないですからね。海外では「神様が見ているから悪いことをしちゃいけない」という教育が、子どもの頃から浸透している。

福原:それはキリスト教でもイスラム教でも同じですよね。

―その教えが、黒人教会ではゴスペルという形で音楽と共にあると。

三宅:あんなに激しく、みんなで歌う宗教的な音楽が日本にはまず存在しないですしね。

福原:独特ですよね。コーランともまた違いますし。

三宅:そもそも、歌によって自分を表現すること自体が恥ずかしい行為だという時代が日本にはありましたからね。106歳の声楽家の方にお話をうかがう機会があったのですが、特に女性はおしとやかでなければいけないため、歌うことが大好きでも決して人前で歌うことはできなかったとおっしゃっていました。自分を抑えることが美徳だという考え方が、かつての日本文化にはあった。

三宅裕司

―歌うことで、自分をどんどん解放していくのがゴスペルミュージックですから、真逆ですね。そういう文化や国民性の違いはあっても、歌が人の心に響かせるものは同じであると。

三宅:そこがゴスペルの一番の魅力でしょうね。子どもの頃からずっと歌っているハートと声の力が、直接、僕らにも響く。僕がそうだったように、ゴスペルに触れる日本人には初めての体験としての感動があるのかもしれないですね。

―そもそも、皆が揃って1つの想いを歌う機会があるのは、学校の合唱コンクールくらいかもしれないです……。

三宅:あとは、宴会で歌う春歌くらいですかね(笑)。

一同:(爆笑)

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イベント情報

『Mama, I Want to Sing』30周年記念 日本公演

2013年12月4日(水)〜12月8日(日)全7公演
会場:東京都 渋谷 東急シアターオーブ
料金:
平日 S席7,800円 A席6,300円 B席4,800円 Z席2,000円
土日 S席8,800円 A席7,300円 B席5,800円 Z席3,000円
※Z席は18歳以下もしくは学生限定、Bunkamuraで取扱いなし

2013年12月10日(火)〜12月13日(金)全5公演
会場:大阪府 森ノ宮ピロティホール
料金:S席8,500円

2013年12月16日(月)〜2014年1月5日(日)全24公演
会場:東京都 六本木 アミューズ・ミュージカルシアター
料金:S席8,500円 A席6,500円 Z席3,000円
※Z席は18歳以下もしくは学生限定

プロフィール

三宅裕司(みやけ ゆうじ)

1951年5月3日 東京神田神保町生まれ。1979年に劇団スーパー・エキセントリック・シアターを結成、以降34年座長を務める。2004年からは伊東四朗氏を座長とした「伊東四朗一座」、三宅を座長とした「熱海五郎一座」を結成し、毎年新作の喜劇を創り、東京軽演劇を伝承し続けている。また、ドラマ・映画、ラジオ、バラエティ番組の司会としても幅広く活躍するマルチエンターテイナー。

福原美穂(ふくはら みほ)

北海道出身。次世代を牽引するソウルシンガーとしてその歌声はデビュー前から注目を浴び、2008年2月、日本人として初めて、米・LAの黒人教会にて"奇跡の子”と称される伝説のパフォーマンスを披露、黒人教会220年の歴史を変えたと、賞賛を受ける。2013年、デビュー5周年を迎え、6/5には約1年ぶりとなるシングルをリリース。収録曲「ライジング・ハート」はコカ・コーラ“Share a Coke and a Song”のキャンペーンソング、「BEYOND」は人気アニメ“宇宙兄弟”のエンディング、「Surely Someday」は”レイトン教授と超文明Aの遺産”の主題歌になるなど、話題に。その勢いのまま、自身初となるFUJI ROCK FESTIVAL'13にも出演を果たす。また、SWEETBOXの6代目ボーカリストに、アジア人として初めて抜擢され、アルバム「#Z21」をリリース。リード曲「#Z21」がUKダンスチャートで1位を獲得するなど、世界を見据えた活躍が今後も期待される。2014年2月11日には、自身最大級の公演「福原美穂 スペシャル・クラシック・コンサート2014」を開催。世界的指揮者・大友直人と、クラシックオーケストラ、そして、総勢400名におよぶゴスペルクワイヤとの豪華共演が実現する。

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