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Hello Sleepwalkers ×People In The Box 対談

Hello Sleepwalkers ×People In The Box 対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

バンドとは一体何なのか? このシンプルなようで、非常に奥深い命題に対する100%の解答というのは、未だに見つかっていないように思う。家族、学校、会社、地域、国……この社会の中には実に様々な集団が存在しているが、バンドという集団はそのどれとも似て非なるものである。例えば、かつてCINRAで取材をした中では、ZAZEN BOYSの向井秀徳との対話が思い浮かぶ。「バンドはよくスポーツチームに例えられるが、明確な目標に向かって一丸となる必要があるスポーツチームに対し、バンドに明確な目標というのはなく、いかに呼吸を合わせ、快感を得るのかが重要」という向井の話には、「なるほど、確かに」と、唸らされるものがあった。そして、Hello Sleepwalkersのシュンタロウと、People In The Boxの波多野裕文との対話の中から浮かび上がってきたのは、「バンドというのは、いわば人生のそのもの」であり、「思い通りに行かないからこそ、面白い」という、ひとつの解答であった。

シュンタロウにとって、波多野が長年憧れの存在だったということから実現した今回の対談。二人の共通点は、「枠にはめられることを嫌い、未知を楽しむ」という姿勢だろう。「自分が何をやっているかわかっていない」と話す二人は、ごく一般的なバンドのフロントマン、ボーカリスト像からすれば、やや異質なようにも見えるかもしれない。しかし、そんな二人だからこそ、彼らの作り出す音楽はリスナーの想像を超え、予測不能の驚きを与えてくれるのである。

ピープルの音楽は波多野さんが完璧に計算して作ってると思っていたので、3人でスタジオで作ってると知ってびっくりしました。(シュンタロウ)

―シュンタロウさんは以前からピープルの大ファンだそうですね。

シュンタロウ:ホントに大好きで、ここ2年ぐらいはピープルしか聴いてないんじゃないかっていうぐらいの中毒者です(笑)。とにかくピープルは、あの音楽を、メンバー3人だけで作り上げてるっていうのがすごいですよね。

People In The Box
People In The Box

波多野:実は結構3人っていう制約に助けられてたりもするんです。3人でできることには上限があるから、発想は自由だけど、方法論に制限がある。だから案外3人とも、「窮屈だな」って思いながらやってる感じが面白いんです(笑)。でも、スリープウォーカーズは5人だと、方法論的には僕らとは逆ですよね? 曲作りとかどういう風にやってるんですか?

シュンタロウ:主に曲を作る人間が3人いて、それぞれが完パケみたいなデモ音源を作ってくるんです。それをもとに、各メンバーが料理するみたいな感じなので、(ピープルが)スタジオで3人で曲を作るって初めて知ったときに、めちゃくちゃ衝撃を受けたんですよ。

Hello Sleepwalkers
Hello Sleepwalkers

波多野:あの……適当なんですよ(笑)。適当じゃないと転がっていかなくて、逆にデモとかが全然作れないんです。まず、ソフトの使い方がわからないし(笑)。

シュンタロウ:じゃあ、曲を録るときはどうしてるんですか? スタジオに入ってるときの音を全部録音してるんですか?

波多野:いや、スタジオではなるべく録音しないんです。録音をしてしまうと、そこで曲の曲想が止まってしまっちゃうんですよね。そこから先に行きづらくなるから、ある程度「ここだな」っていうところまで行って、やっと各々が録音ボタンを押すんです、iPhoneの(笑)。

シュンタロウ:すごいですね……。

波多野:全然すごくないですよ。機械音痴が3人集まってるだけ(笑)。

シュンタロウ:僕はピープルの音楽は完璧に計算された音楽だと思ってたんですよ。波多野さんが作り込んでるんだと思ってて、だからスタジオで作ってるのを知ってびっくりしたんです。それって3人に主張があるというか、それぞれがやりたいことをちゃんと出していかないと、ああいう音にはならないと思うんですよね。

2013年10月にリリースされたPeople In The Boxの4thアルバム『Weather Report』収録楽曲

波多野:みんなが同じところを目指してるっていうのはあんまりなくて、3人がやりたいことをやったのが、結果的にベクトルになるっていう考え方なんです。昔は3人で設計図を作っていたんですけど、今は各々の演奏が勝手に曲になっていくみたいなところに行ければいいなと思っていて、僕はそうやって出てきたものに対する編集者の立場なんです。あとは、歌をどういう感じにしたいかイメージして、そこに誘導していくというか。

シュンタロウ:面白いですね。

波多野:でも、CDを聴いて、(Hello Sleepwalkersは)ソングライティングに命かけてるなっていう印象を受けました。曲の設計図とかそういうのを書いていくのが好きなのかなって。

2014年2月リリース予定のアルバム『Masked Monkey Awakening』収録曲

シュンタロウ:そうですね。でも、もっともっと自由にやりたいんです。しかも僕はひねくれてるんで、ストレートを投げることがあんまりなくて、たとえばメジャーリーガーがバッターボックスにいたら、「めっちゃ遅いボール投げたら逆に打てないだろう」みたいな、変なスタンスなんです(笑)。

波多野:それは性格から来るもの?

シュンタロウ:確実にそうだと思います。

波多野:でも、その性格はきっと財産ですよ(笑)。

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イベント情報

People In The Box ワンマンライブ
『空から降ってくる vol.6』

2014年1月11日(土)
会場:東京都 お台場 Zepp DiverCity TOKYO
料金:前売3,500円

リリース情報

Hello Sleepwalkers<br>
『Masked Monkey Awakening』(CD)
Hello Sleepwalkers
『Masked Monkey Awakening』(CD)

2014年2月19日発売

・猿は木から何処へ落ちる
・午夜の待ち合わせ
・Bloody Mary
・Comic Relief
・砂漠
・天地創造
・23
・越境
・Countdown
・円盤飛来

Hello Sleepwalkers<br>
『午夜の待ち合わせ』(CD)
Hello Sleepwalkers
『午夜の待ち合わせ』(CD)

2014年1月29日発売
価格:500円(税込)
AZCS-2031

1. 午夜の待ち合わせ
※『ノラガミ』アニメ放送期間限定特典は『ノラガミ』描きおろしワイド キャップステッカー

People In The Box<br>
『Weather Report』(CD)
People In The Box
『Weather Report』(CD)

2013年10月16日発売
価格:2,200円(税込)
CROWN STONES/NIPPON CROWN / CRCP-40350

1. 気球 / 砂漠 / 亀裂 / 岩 / 皿(ハッピーファミリー) / 起爆 / 投擲 / 穴 / 空地 / 塔(エンパイアステートメント) / 真夜中 / 夏至 / 潜水 / 新聞 / 大陸 / 船 / 脱皮中 / 脱皮後 / 大砂漠 / 鉱山 / 開拓地

プロフィール

Hello Sleepwalkers(はろーすりーぷうぉーかーず)

Hello Sleepwalkersはシュンタロウ(Vo&Gt)、ナルミ(Gt&Vo)、タソコ(Gt)、マコト(Ba)、ユウキ(Dr)からなる平均年齢22歳のロックバンド。2011年10月「センチメンタル症候群」でインディーズチャート1位を獲得。2012年1月にデビューアルバム「マジルヨル:ネムラナイワクセイ」、6月に「円盤飛来」をリリースし各地の夏フェスに出演!2014年に1月29日に「午夜の待ち合わせ」、2月19日に待望のアルバム「Masked Monkey Awakening」のリリースが決定している。

People In The Box(ぴーぷるいんざぼっくす)

波多野裕文(vocals/guitars),福井健太(bass),山口大吾(drums)による独自の世界観を持つスリーピースバンド。透明感のある純粋な歌声と歌詞の独自な世界観を持つ楽曲センス、うねる様な力強さを持ったベースとしなやかでかつ躍動感のあるドラムが一つの物語を作り上げているかのようなサウンドは唯一無二。スリーピースにもかかわらず、まるで抗うかのような変則的かつ難解な曲構成を持ち、中毒性と没入感を持つ極上のポップミュージックを形成する。また独特な彼らの世界観が吐き出されるかのようなライブパフォーマンスは、数々の大型フェスやワンマンライブでクチコミを中心に話題となり、着実に動員を伸ばし続ける、新世代実力派バンド。

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