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しのさきあさこと矢追純一の「オカルトから始まる人生指南書」

しのさきあさこと矢追純一の「オカルトから始まる人生指南書」

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:三野新

人間は悩んだり、苦しんだり、愛がどうこう言うけど、それは物や心や人間に執着するからなんだよね。僕は執着することを捨てたんです。(矢追)

―さっきのヒーリングを見たときに、矢追さんの「治すぞ」という気持ちと、しのさきさんの「治されてるぞ、よくなるぞ」という気持ちが通じ合っていたのかなと思ったんです。

矢追:うーん、当たってるけど、当たってないところもある。

―と言うと?

矢追:こういう「なんとなく」の世界では、「一生懸命」はダメなんだよ。なんとなく「よくなったらいいな」くらいがちょうどいい。

―それはなぜですか?

矢追:仕事でも、武術でも、みんな同じだけど、一生懸命になると体も心も緊張しちゃうわけ。そうするとエネルギーが止まっちゃって、つい反応が遅くなってしまう。宮本武蔵が「無念無想」と言うのは、それのことなんだよね。「こう来たらこう受けよう」ってことを常に考えていると、そう来なかったときにどうするの? ってなっちゃう。そんなことを考えていたら、筋肉がこわばって、斬られちゃうよね。

―いつから矢追さんは、そういう考え方ができるようになったんですか?

矢追:たぶん、10歳まで満州にいたからだと思うんですよ。父親が出向していた満州で生まれたんだけど、第二次世界大戦で日本が負けて、敵地の中にポツンと取り残されたんです。そこには日本人を快く思ってなかった中国人がいっぱいいて、さらにアメリカやソ連の兵隊も入ってきた。この連中はとにかく日本人を見たらいたぶるしかなくて、もう強盗・強姦・殺人が当たり前になっちゃったんです。

―そんな状況が現実にあったんですね……。

矢追:父親が持っていた金もただの紙切れになって、家も放り出されて、自分の国に帰れということになったわけ。がんばってきたものが一夜にして消えるのを目の当たりにして、物や金や命というのは執着してもムダってことに気がついたみたい。最後の引き揚げ船で日本に帰ってこられたんだけど、終戦から2年間、そういう世界にいたんです。

―壮絶な体験ですね。

矢追:話している友達が弾に当たって、目の前でパッと死んだりする。儚いよね。そういうわけで、自分の命も執着してもしょうがないので、執着することを捨てたんです。人間は悩んだり、苦しんだり、愛がどうこう言うけど、それは物とか心とか人間に執着するからなんだよね。そして一番は、やっぱり命に執着してるよね。

―僕も命は惜しいですね……。

矢追:惜しいといっても、死ぬときは死ぬから。車にぶつかるかもしれないし、心臓麻痺や脳梗塞はいつでも起こる。人間なんていつ死ぬかわからない代物なので、執着するだけムダだよ。

―そういう考えと、未知なものを見つけていこうと思うようになったことには関係があるんですか?

矢追:見つけようなんて思ったことはないです。つまり、そもそも全部が未知だから。テレビ局に何か作れと言われたから、どこか面白そうなところに行っただけの話。どこへ行ったとしても、次の展開はどうなるかわからないから、すべてが新鮮だし、それをちゃんと体験しておきたかった。

―テレビだから、自分の想いをわかりやすく伝えなきゃいけないって悩んだことはありますか?

矢追:苦しんだことは一度もないです。苦しいことはやらないし、苦しくなったらすぐやめます。我慢してやるほど命は長くないかもしれないからね。

今までは、自分だけわかればいいみたいなところがあったけど、今回は自分の気持ちも誰かがわかってくれたらいいなと思って歌詞を書いた。(しのさき)

―しのさきさんも独特の歌詞の世界がありますけど、どうやってリスナーに伝えようとか、悩んだりしませんか?

しのさき:今回の『じじい』は、そこですごく悩みました。今までは、自分だけわかればいいみたいなところがあったけど、今回は自分の気持ちも誰かがわかってくれたらいいなと思って歌詞を書いたので、言葉選びが難しかったです。

しのさきあさこ

―どういう葛藤がありましたか?

しのさき:最初は一切書けない状況が続いていたんですけど、2曲目のサビが書けたら、ダーッと3曲書けたんです。どの言葉が難しかったとかではなく、自分ではこれを言いたいということはあったけど、他の人に伝わらない言葉を使っていたんです。

―ダーッと書けるようになったのは、何がきっかけだったんですか?

しのさき:これ以上遅れたらアウトみたいな締切が……。でも、不思議と「いつかは書ける」と思っていて。ボーっとしていたら「無」みたいな感覚になって、そしたら書けました。人に伝わりやすい言葉選びにしなきゃって考えすぎて一切書けなかったのが、締切が近づく直前くらいから、気持ちが軽くなり始めたのかもしれません。

矢追:それは僕も同じ。締切は決まっていたほうがいいんですよ。ボーっとしていると、締切間近に自動筆記みたいにズラーっと出てくる。だから、その前は考えるだけムダなのよね。うまいものを食べたり、楽しい思いをしてね、「そのうちアイデアが湧いてくるわ」と気楽に思っていると、ちゃんと締切の前に湧いてくるから。そこまではタメの時間なんだよね。クリエイティブなことって、みんなそうだと思うよ。計算やデータじゃできないから、ひらめくまで放っておくしかない。

しのさき:へへへへ。いいこと聞いちゃいました。なんか今日、お話を聞いて、楽ちんになりました。普段、取材のときとか、緊張して体が揺れちゃうけど、今日はじっとしてられてます。いつも写真もブレブレなので。

矢追:そんなに揺れてるんだ(笑)。

しのさき:楽ちんとか言ったら失礼かもしれないですけど。

矢追:いやいや、僕のまわりにいる人には、みんな楽ちんでいてほしいんですよ。そのほうが僕自身も気分がいいからね。今もそうなっているはずなんだけど(笑)。

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イベント情報

宇宙人『じじい』発売記念イベント

2014年4月26日(土) OPEN 13:00 / 15:00(2回)
会場:神奈川県 アリオ橋本

『Beat Happening!SHIBUYA GREATEST MAX!』

2014年4月29日(火・祝) OPEN 17:30 / START 18:00
会場:東京都 渋谷LUSH
出演:
宇宙人
イツエ
the peggies
惑星アブノーマル
料金:前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

番組情報

『ライブB♪』
TBS「ライブB♪」

リリース情報

宇宙人<br>
『じじい』(CD)
宇宙人
『じじい』(CD)

2014年4月23日(水)発売
価格:1,234円(税込)
KICM-1496

1. じじい -導かれし宇宙-
2. じじい -おわりのはじまり-
3. じじい -そして伝説へ-
4. じじい -導かれし宇宙-(off vocal ver.)
5. じじい -おわりのはじまり-(off vocal ver.)
6. じじい -そして伝説へ-(off vocal ver.)

プロフィール

宇宙人(うちゅうじん)

しのさき あさこ(Vo)、こまつ けんた(Gt)、にいや ひでひろ(Ba)、わだ まこと(Dr)の4人のメンバーによるポップバンド。2008年に結成。2010年に「FUJI ROCK FESTIVAL'10」のROKIE A GO GOステージに出演。2012年5月、mini AL「慟哭」でキングレコード / スターチャイルドレコードよりメジャーデビューを果たし、同年11月には2nd mini AL「珊瑚」をリリース。不思議な世界観と中毒性の高いポップセンスで、じわじわと人気を拡大している。2013年5月には1st SINGLE、アニメ「惡の華」オープニングテーマ(宇宙人ver.)「惡の華」をリリース。2014年4月に2ndSINGLE「じじいい」をリリース。

矢追純一(やおい じゅんいち)

7月17日(ノアの箱舟がトルコのアララト山に漂着した日、つまり人類の始まりの日)生まれ。かに座。中央大学法学部法律学科卒業。同年4月日本テレビ放送網(株)入社。日本テレビ時代は「11PM」「木曜スペシャル」などを担当し、UFO及び超能力番組のディレクターとして活躍する。日本テレビ退職。 矢追純一オフィス主宰、(有)スペース・ラブ取締役。現在、地球環境問題、UFO問題を中心に、フリーのディレクター、 プロデューサーとして、テレビ、ビデオやラジオの番組制作、 及び出演で活躍中。さらに、著述、講演、レクチャー、そして取材などで世界中を奔走。

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