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都知事選を終えた若き事業家・家入一真、絶望の中に希望を見る

都知事選を終えた若き事業家・家入一真、絶望の中に希望を見る

インタビュー・テキスト
杉山洋祐(編集集団WawW!Publishing)
撮影:豊島望
2014/05/30

21歳で起業して以来様々なウェブサ―ビスを立ち上げ、今やネット世代の若者から絶大な支持を受ける元引きこもりのIT起業家・家入一真。「1000リツイートで都知事選出馬」という何気ないTwitterでの一言から始まった彼の壮大な挑戦は、結果こそ落選に終わったものの、新しい政治参加の方法を広く世に知らしめ、多くの若者が「社会と自分の未来の在り方」について考える契機をもたらした。

最新刊『ぼくらの未来のつくりかた』では、政治に無関心ではいられなくなったという彼の都知事選出馬の経緯、ネットをフルに使いきる斬新な政策内容、そして、その裏に秘められた「誰かの居場所をつくりたい」という思いが、平易かつ真摯な言葉で情緒豊かに語られている。そんな彼に、「どうすれば自分と社会を結びつけた未来を描くことができるのか?」というテーマで単独インタビューをさせていただけることになった。

自分事として捉えづらい「政治」や「社会」といったものを遠巻きに眺め、自分の世界に閉じこもるのは楽かもしれない。しかし現代社会は、政治や社会、もっと言えば他人に無関心・不干渉であることによって、どうしようもなく搾取されてしまう構造をもっている。そんなとき、僕らはどうすればいいのか? 明日から始められる社会との関わり方、関わることでしか達成し得ない未来のつくりかたを、家入氏の軽妙な語り口とともに味わっていただきたい。

結局、若い人たちが出馬しないと、僕らの声を代弁してくれる政治家が1人もいない。それじゃあもう僕が出るしかないかなって。

―昨今、政治や選挙といった、いわゆる政(まつりごと)が、自分の暮らしと縁遠いところにあると思っている人は多いと思います。その中にあって、社会を良くしようということを自分事として捉え、個人レベルでアクションを起こせるようになるためにはどうすればいいのか? 今日はぜひ家入さんにご教示いただければと思います。

家入:よろしくお願いします。

―家入さんは、そもそもなぜ都知事選に出馬されようと思ったのでしょうか?

家入:一言で言うと、「そこに都知事選があったから」です。もともと、都知事選の数か月くらい前から、政治や選挙に興味を持ち始めていたんですよ。僕はこれまで、誰かの「居場所をつくる」という目的意識をもっていろいろな活動をしてきたんですけれど、それは「もう国とか行政とか、そういった枠組みに頼らず自分たちだけで勝手に共同体をつくってしまおう」という、いわゆる「勝手行政」みたいなスタンスでした。

家入一真
家入一真

―それこそ、国や政治とあえて距離をとる、という方向だったんですね。自分たちにできることを自分たちでやろう、と。

家入:最初はそういう感じでやっていたんですけど、脱法ハウス問題とかクラブの規制とか表現の規制を目の当たりにして、「これは勝手行政とか言ってる場合じゃないな」って、すごい危惧を覚えたんです。結局、民間レベルで共同体とかいったところで、日本にいる以上、国が定めた法律や規制には縛られるわけですよね。だから、政治に無関心ではいられない。そういうことになんとなく気づき始めて、「民間で居場所をつくる」ことはこれまで通りやるんだけど、それと同時に、「政治という視点で居場所をつくる」ことができるかどうか、考えてみたいなと思ったんですね。

―なるほど。

家入:そのためにどうしたらいいかなって考えているまさにそのときに、都知事選がきた、と。それで、「1000リツイートされたら出馬する」っていう照れ隠しみたいなツイートをしたあと、出ようか出まいかでずっと悶々としていました。やっぱり、わからないところに飛び込んでいくのは怖いですから。

―最終的に、何が決め手になったんですか?

家入:最後の最後まで、30代や40代の出馬者が1人もいなかった、ということが大きかったですね。結局、若い人たちが出ないと、僕自身がこの都知事選自体に興味を持てないし、誰も興味を持たないだろう、と。出馬しているのは50代60代以上の人ばかりで、僕らの声を代弁してくれる政治家が誰もいない。それじゃあもう僕が出るしかないかなって。最後はそんな感じでしたね。

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書籍情報

『ぼくらの未来のつくりかた(YOUR BOOKS 01)』
『ぼくらの未来のつくりかた(YOUR BOOKS 01)』

2014年5月17日(土)発売
著者:家入一真
価格:1,080円(税込)
発行:双葉社

プロフィール

家入一真(いえいり かずま)

1978年、福岡県生まれ。起業家、活動家、クリエイター。Liverty代表。リアルやネットを問わずカフェやウェブサービスなど遊び場を生み出す。JASDAQ最年少上場社長。株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)創業者、株式会社ハイパーインターネッツ創業者、BASE株式会社共同創業取締役。2014年の東京都知事選挙では唯一の30代からの立候補となり、ネット選挙を掲げた選挙活動が話題となる。2014年5月に双葉社より『YOUR BOOKS 01 ぼくらの未来のつくりかた』を出版。

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