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海外バンドの来日はどのように実現する?HCWの舞台裏を探る

海外バンドの来日はどのように実現する?HCWの舞台裏を探る

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/06/04

最近は海外でも知名度が上がってることを実感してます。それもやっぱり、バンドが実際に出て、自分の国に戻って、「『HCW』は良かったよ」って言ってくれてるからだと思うんですよね。

―国分さんはenvyの海外ツアーにもほぼ同行されているそうですが、海外ツアーで大変なのはどんな部分ですか?

国分:食べ物と、あとはやっぱり移動ですね。日本のツアーは1週間とかで帰れるけど、ヨーロッパとかアメリカには1か月とか行くんで、それはやっぱり疲れますね。

―旅が好きでも?

国分:ツアー中は基本的に、会場、車、レストラン、ホテルぐらいしか行かないですし、たまに移動日があっても都会に泊まると高いんで、田舎の安いところに泊まるから、みんなボケーッとして過ごすことが多いんですよ。できるときは観光もしてますけどね。

―食べ物に関してはどうですか?

国分:海外に行くと、日本ってすげえなって思います。何でも美味いじゃないですか? スペインとかイタリアも美味しいんですけど、何でもかんでも美味いわけではないんで。あとまたビーガンの話になるんですけど、envyってヨーロッパではハードコアシーンに入ってるらしくて、そのシーンにはビーガンが多いらしいんですね。俺ビーガンの飯が大嫌いなんで、それが一番つらいっすね。「また豆か!」っていう(笑)。

―食事もそうだし、日本ってライブハウスもすごく整備されてるから、来日したアーティストにとってはやりやすい環境でしょうね。

国分:それはホントにそうだと思います。でも設備だけじゃなくて、「日本のクルーは世界一だ」って、みんな言ってますよ。日本人はやっぱり、サービス精神がすごいっすもん。

国分勝也

―そうなんですね! 日本と海外では、クルーの質もそんなに違うんですか?

国分:海外のバンドを来日させるとき、向こうの要望が細かく書かれた契約書みたいなものを交わすんですけど、8割ぐらいの確率で「シラフのPA」っていうのも書いてあるんですよ。それくらい海外だと、酔っ払ってたりキマってたりして仕事しないPAが普通にいるんですけど、日本人は仕事としてちゃんとやるじゃないですか? もし日本人クルーが英語しゃべれたら、世界中から呼ばれると思いますよ。実際、「あいつが英語しゃべれたら俺たちのツアーに連れていくのに」って、すごいよく聞きます。

―やっぱり、まずはアーティストが気持ち良くライブをできる環境があって、それが場内のいい雰囲気を作ってるんでしょうね。

国分:そうですね。やっぱり僕らも終わって「サンキュー」って言われるのが一番嬉しいですからね。実際『HCW』はみんな「良かった」って言って帰ってますよ。

飯沢(ホステスのスタッフ):ラインナップの色が大きなフェスより絞られてるんで、出演してるアーティストが他のバンドを見たくて残ってることも多いんです。最近だと、NEUTRAL MILK HOTELとかTHE NATIONALのときは他のバンドも残って見てたりして、そういう面でのリアクションもすごく良くて。オーウェン・パレットもホントに良かったって言ってくれたし、TORO Y MOIもこの前単独で来日したときに、「『HCW』が一番アットホームで、自分と近いバンドが出てて嬉しかった」っていう話をしてました。

THE NATIONAL  撮影:古溪一道

THE NATIONAL  撮影:古溪一道
THE NATIONAL  撮影:古溪一道

―先ほど話していた様に、スタッフが楽しんでいて、さらにアーティストも『HCW』を楽しんでいれば、その雰囲気が自然とお客さんにも伝わって、他のイベントより良質な空間が出来ているんでしょうね。

飯沢:本当にそうだと思います。あと、THE CRIBSのライアンと元HERE WE GO MAGICのジェンは、2012年6月の『HCW』で初めて出会ってそこをきっかけに付き合うことになり、新しくバンドを一緒にスタートするまで発展したんです。また、バックステージエリアで意気投合して、DINOSAUR JR.のライブにFUCKED UPのボーカルのダミアンが飛び入り参加することがライブ直前に決まったり。他のフェスティバルではみんな楽屋に籠りっ放しだったり、コミュニケーションをとらずに終わってしまう事が多いですが、『HCW』では楽屋の外に出てみんな話したり、一般のお客さんのエリアに出て行ったりしたりと、その点もアットホームさに繋がっているのかと思います。

物販スペース風景  撮影:古溪一道
物販スペース風景 撮影:古溪一道

―では最後に、今後の『HCW』に対して期待することを話していただけますか?

国分:僕としては、このままでいいと思うんですよね。でか過ぎず、小っちゃ過ぎず、フェスじゃない、こういう「イベント」ってすごくいいと思うんですよ。これ以上でかくして、3日間野外でっていうよりは、このままずっとやっていく方が、僕としては理想ですね。レーベルがやってるイベントだから、ショウケース的な意味合いもあって、ここからバンドが大きくなるのが目的でしょうし。

―単独ではなかなか呼びづらい若手をラインナップの中に入れて、実際にライブを見せることで、次の単独ツアーにつなげるっていう、いいサイクルができあがりつつありますよね。

国分:この前はTEMPLESの単独ツアーを回りましたけど、すぐ売り切れましたしね。

TEMPLES 撮影:古溪一道
TEMPLES 撮影:古溪一道

―それも間違いなく、『HCW』で初来日をした効果ですよね。

国分:プラグも「だから『HCW』やってんだもん」って言ってましたよ。今までこういうことやろうとしたレーベルはいっぱいいたと思うんですけど、こうやってちゃんと形になってるっていうのはすごいと思います。自分は音楽はあまり詳しくなくて、『HCW』出演者には知らないバンドが多いけど、ライブを見てすげーいい! 音源欲しい! って思うことが多いんですよ。

―ショウケースとしてちゃんと機能しつつ、空間としても魅力的っていうのは、理想的なバランスですよね。

国分:最初の頃は向こうのマネージメントからも、「あれを送ってくれ、これを送ってくれ、じゃないと出演のオッケーは出せない」みたいなやり取りがあったんですけど、最近は「あ、『HCW』ね。オッケー、オッケー」っていう感じになってきたので、海外でも知名度が上がってることを実感してます。それもやっぱり、バンドが実際に出て、自分の国に戻って、「『HCW』は良かったよ」って言ってくれてるからだと思うんですよね。

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イベント情報

『Hostess Club Weekender』

2014年6月21日(土)OPEN 12:45 / START 13:45
2014年6月22日(日)OPEN 13:00 / START 14:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
6月21日出演:
Blonde Redhead
Simian Mobile Disco performing WHORL
Perfume Genius
SOHN
Highasakite
6月22日出演:
Cat Power
Cloud Nothings
Joan as Police Woman
The Bohicas
TOY
料金:1日券7,900円 2日通し券13,900円(共にドリンク別)

プロフィール

国分勝也(こくぶ かつや)

高校3年生の夏ごろから、アルバイトとして現在の様な通訳 / アテンド業務をスタート。『フジロック』には1998年の2回目から参加しており、現在はレッドマーキーのステージ通訳を担当。2002年、学生時代の友人達とサブリンガルサービスを設立。サブリンガルサービスでは翻訳 / 通訳 / 制作 / コーディネート / マネジメント / 渉外 といった多岐に亘ったサービスを各スタッフが行っており、その中でもライブイベントの通訳 / 制作をメインに行っている。2004年にはイギリスで行われた、モグワイやトータスがキューレションを務めた『ATPフェスティヴァル』に、envyの通訳として同行。その後もenvyのアジアツアーなどを担当している。『Hostess Club Weekender』ではプロダクション・マネージャーとして2012年2月の第1回目スタート時から活躍している。

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