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海外バンドの来日はどのように実現する?HCWの舞台裏を探る

海外バンドの来日はどのように実現する?HCWの舞台裏を探る

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/06/04

スタッフみんな仕事でやってるというよりは、長年知ってる人たちも多いし、友達同士でやってるみたいな、そういうアットホームな感じなんです。

―これまでいろんなフェスやイベントに関わられていると思いますが、国分さんから見た『HCW』の魅力はどんな部分でしょうか?

国分:表も裏も雰囲気がすごくいいですよね。当日はずっと裏にいるんでライブはそんなに見れないんですけど、スタッフみんな仕事でやってるというよりは、長年知ってる人たちも多いし、友達同士でやってるみたいな、そういうアットホームな感じなんです。『フジロック』もそうで、スタッフがホントに楽しみにしてて、それが音に影響してるかどうかまではわかんないですけど、『HCW』もそういう感じに近いと思います。

―去年プラグさんに取材をさせていただいたときも、まずは自分たちが楽しむことを大事にしているとおっしゃってました。

国分:最近ずっと一緒に仕事をしてる照明屋さんの子供が遊びに来るようになったんですよ。普通は仕事場に家族って呼ばないじゃないですか? でも、そういう場所に子供を連れて来るっていいなと思ったし、嬉しかったですね。

―では逆に、これまでやってきて苦労された部分はどんなところですか? 海外のバンドって、わがままなオーダーが多そうなイメージなんですけど(笑)。

国分:まあ確かに言いたい放題のバンドもいますよ(笑)。「これが欲しい、あれが欲しい、ホテルはキングサイズのベッドじゃないと嫌だ」とか、いろいろ言ってくるから、そういうのをどうやってフィルターしていくかっていうのはありますね。

―どんな注文が多いんですか?

国分:食べ物のこととか、人によっては音響のことで「これがないとライブできない」みたいなことを言う人もいますね。そういうのはお金の話も絡んでくるから難しいんですけど、でもリクエストされたことに対して、できる限りのことはやってます。それでもどうしてもできないことに関しては、怒っちゃうと面倒なんで、優しく「ごめんね」って断るようにしてます(笑)。まあそれでも怒っちゃった場合、最終的にはプラグに電話が行くんで、僕はそんなに影響ないですけどね。プラグは朝から電話が鳴って、怒られてるのかもしれないですけど(笑)。

国分勝也

基本的にホステスのバンドはいい人が多いかもしれないですね。インディーロック系というか、「高校のときいじめられてました」みたいな、優しい感じの人たちが多いかもしれない(笑)。

―食事に関する注文が多いという話でしたが、どんなことが大変ですか?

国分:向こうの人はビーガン(動物由来の食品を一切口にしないピュアな菜食主義者)が結構いて、昔は何を食べさせていいか全然わかんなかったですね。出汁もダメだから、ご飯とか漬物ぐらいしかなくて、しょうがなくマクドナルド連れていって、ビッグマックの肉抜きを渡したりしてました。

―よく聞くエピソードだと、「アーティストが取材に来なかった」みたいな話ありますよね。僕らも経験あるんですけど(笑)。

国分:まあ取材に関してはレーベルが仕切ってるんで、僕らはそんなにわかんないんですけど、番組収録かなんかでテレビ局に連れってって、「音が嫌だからこの機材は使えない」みたいになったことはありましたね。そういうのはバンドのツアーマネージャーがちゃんと仕事できるかどうかが重要で、その人がちゃんとバンドにイエス / ノーを言えるかどうかが大きいんです。めんどくさいバンドでも、ツアマネがしっかりしてる人だとこっちも楽っていうのが結構ありますね。でも、やっぱりすげえ酒飲むバンドも多いんで、朝の移動とかの場合、新幹線ミスったりとかは結構ありますね(笑)。

―『HCW』でのアーティストとのやり取りで印象的なエピソードってありますか?

国分:アリエル・ピンク(1977年ロサンゼルス生まれの男性ミュージシャンで、イギリスの名門レーベル4ADからAriel Pink's Haunted Graffiti名義のアルバムをリリースしている)は結構不思議ちゃんで、あんまり言うこと聞かないから、イベントの転換のときにちょっとせっついちゃったんですよ。そしたら「音が良くない」ってバンド同士で喧嘩を始めちゃって、翌日大阪に移動するときもまたバンドで大喧嘩してて、「やめてやる!」って言ってたのはよく覚えてます(笑)。

Ariel Pink's Haunted Graffiti 撮影:古溪一道

Ariel Pink's Haunted Graffiti 撮影:古溪一道
Ariel Pink's Haunted Graffiti 撮影:古溪一道

―バンドが怒っちゃうケースもあるんですね。

国分:そういうこともありましたね。でも、基本的にホステスのバンドはいい人が多いかもしれないですね。インディーロック系というか、「高校のときいじめられてました」みたいな、優しい感じの人たちが多いかもしれない(笑)。

―なるほど確かに。まあアリエルも、どっちかっていうとそのタイプですけどね(笑)。では、プロダクションに関してはどんなことを意識してお仕事をしていらっしゃいますか?

国分:『サマソニ』でもプロダクションをやってるんですけど、人を雇うところからやるのは『HCW』が初めてだったんですよ。なのですごい勉強になってます。舞台監督、PA、照明、映像の人たちと相談をして、パズルじゃないですけど、一つひとつ作り上げていくのが面白いですね。今のチームは全員とある同じ現場で行っているチームで、それはたまたまなんですけど、そういう意味ではやりやすさもあります。本当に皆には感謝してます。

―アーティストがたくさん出演するフェスだと、現地でのインタビュー対応とかもあったり、かなりタイトなスケジュールなんですよね?

国分:まあ、フェスだからしょうがないんですけど、でも外人ってやっぱりフェスに慣れてるんですよね。だから、時間を押すバンドって結構日本人が多いんです。ヨーロッパとかアメリカのフェスだと、ヘッドライナーが神様なので、絶対時間通りに終わらないといけないんですよ。なので、向こうの舞台監督ってタイムキーパーみたいなもんで、「時間のことしか言わない」みたいな(笑)。たまに全然やめないバンドとかいますけど、契約書の中に「やめなかったらこうやりなさい」っていうのがあるらしいですよ。まず表の音を切って、それでもやめなかったら中音を切って、まだやめなかったら電源オフれって。それでもやめないバンドとかいますけどね。「やめないことで有名」みたいな(笑)。

―めんどくさいバンドですね(笑)。でもやっぱり、『フジロック』のグリーンステージに出るような大物だと、延々やめない人とかいますよね。僕がよく覚えてるのは、ニール・ヤングのステージなんですけど。

国分:あー、あの規模の人は誰も止められないですよね。

―あと逆になかなか出てこなかったのが、HOLEのコートニー・ラヴ。

国分:はいはい、あの人はホントに性格悪いっすよー。何かで一緒になったことがあるんですけど、初めて「私が誰だか知らないの?」って言われましたからね。まあでも、グリーンのヘッドライナークラスになると、バンドもプロフェッショナルだし、クルーもツアマネもしっかりしてることがほとんどですけどね。

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イベント情報

『Hostess Club Weekender』

2014年6月21日(土)OPEN 12:45 / START 13:45
2014年6月22日(日)OPEN 13:00 / START 14:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
6月21日出演:
Blonde Redhead
Simian Mobile Disco performing WHORL
Perfume Genius
SOHN
Highasakite
6月22日出演:
Cat Power
Cloud Nothings
Joan as Police Woman
The Bohicas
TOY
料金:1日券7,900円 2日通し券13,900円(共にドリンク別)

プロフィール

国分勝也(こくぶ かつや)

高校3年生の夏ごろから、アルバイトとして現在の様な通訳 / アテンド業務をスタート。『フジロック』には1998年の2回目から参加しており、現在はレッドマーキーのステージ通訳を担当。2002年、学生時代の友人達とサブリンガルサービスを設立。サブリンガルサービスでは翻訳 / 通訳 / 制作 / コーディネート / マネジメント / 渉外 といった多岐に亘ったサービスを各スタッフが行っており、その中でもライブイベントの通訳 / 制作をメインに行っている。2004年にはイギリスで行われた、モグワイやトータスがキューレションを務めた『ATPフェスティヴァル』に、envyの通訳として同行。その後もenvyのアジアツアーなどを担当している。『Hostess Club Weekender』ではプロダクション・マネージャーとして2012年2月の第1回目スタート時から活躍している。

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