インタビュー

TAMTAMが発明した、変だけどポップな「びっくりサウンド」

TAMTAMが発明した、変だけどポップな「びっくりサウンド」

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/09/12

「レゲエ流れのダブステップ流れの今のTAMTAM」なんだと思います。(affee)

―ライブを意識したという話もありましたが、レゲエ界隈だけではなく、ポップスも含めたいろんな共演者やお客さんの前でライブをするにあたって、リズムの面ではどんなことがポイントでしたか?

affee:レゲエってもともと走ったりもたったり、ある種伸縮するような音楽でもあって、Sly & Robbieとかもフィルで走ったりするんですよね。あと、ダンスミュージックのフィーリングと、生演奏のフィーリングのバランスは意識しました。レゲエはダンスミュージックだけど完全に生演奏なんで、本当は打ち込みを乗せちゃうとバランスが悪いんですけど、打ち込みの入ってるものをどう生っぽく、グルーヴとしてまとめるかをイメージしながら作りました。

affee

Kuro:ドラムのパターンとして、前作に続いて多いのは、「ステッパーズ」っていう、4つ打ちで3拍目にスネアが入る、レゲエで多用される攻め系のビートですかね。それはBPM140~150とかでも、アッパーかつダブを入れる隙間もできるんです。ホントはドッツータッツーっていう4つ打ちが一番機能的だったりするんでしょうけど……機能性って言葉があんまり好きじゃなくて、そこは頑なにステッパーズをやってますね。

affee:ドッツータッツーってやることもできなくはないですけど、ベースラインとの相性を考えると、ステッパーズじゃないと合わないベースラインが多いんで、そこは結果的にすごく意識しました。

Kuro:ベースラインが裏メロっぽいのもTAMTAMの特徴だったりするので、それを分断するか、大きくとるかみたいなところで。

junet:“エンターキー”とかは4つ打ちだとダサいと思うし、2拍目と4拍目にスネアが来ると、弾いてるベースラインの意味がなくなっちゃうから、その辺は考えましたね。

affee:それこそBurialとかBenga(どちらもイギリスのダブステップを代表するアーティスト)とかって、テクノっぽいパターンか、ステッパーズか、もっとルーツレゲエっぽい感じのビートかなので、ああいう人たちのベースのフィルみたいなのは、結果的に意識してると思います。もともとは、レゲエを通ってるんで、そっちの方がしゃべりやすいんです。特に、付点8分みたいなリズムって、ロックバンドだとスネアの位置が気持ちよくハマらないリズムなんですけど、そういうのが上手くハマるバンドだと思うんで、結果「レゲエ流れのダブステップ流れの今のTAMTAM」なんだと思います。

左から:junet、affee、Kuro、tomomi、yuthke

「変なことやろうよ」っていうのを惜しまないことが、結果的にはダブなのかなって。(Kuro)

―では最後に、これまでTAMTAMには「21世紀型ダブバンド」っていうキャッチフレーズがあって、常に「TAMTAMにとってのダブとは?」っていうことを訊かれ続けてきたと思うんですね。「ルーツをリスペクトしつつも、そこに縛られることなく、あくまで自分たちらしいダブを鳴らしていく」というのが基本だとは思うのですが、メジャーからの最初のフルアルバムが完成して、ある意味1つのタームが終わった今、最後にもう一度だけ「TAMTAMにとってのダブとは?」という質問をさせてもらいたいと思うのですが。

Kuro:そうですね……まあ、変わってないと言えば変わってないんですけど、誤解を恐れずに言えば、ダブっていうのは偶然の産物なので、基本的に「こうあるべき」みたいな固定概念に対しては、「うるさい!」って言っていいと思ってて(笑)。自分たちの言語でやって、それに対して聴いた人が「こういうの初めて聴きました」って思ってもらえれば、それがダブなんじゃないかって思います。「奇をてらう」って言うとちょっと浅いですけど、変態欲っていうか、「変なことやろうよ」っていうのを惜しまないことが、結果的にはダブなのかなって。

affee:ちょっと前にDRY&HEAVYの秋本(武士)さんと話す機会があって、面白いと思ったのは、いつの時代の流行りのダンスミュージックにも、基本にはレゲエやダブがあるという話だったんですよね。ヒップホップ、ジャングル、ドラムン、ダブステップまで、クラブミュージックが脈々と引き継いでいる、その巨大な幹がダブだと思うんです。つまり、「ダブだからこうするべき」っていうよりも、実験したり、寄り添って遊べるような場所が、ダブ自体にあると思うんで、そことちゃんと向き合っていきたいと思いますね。

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イベント情報

『TAMTAM I DUB YOU TOUR 2014 -Strange Tomorrow-』

2014年11月22日(土)
会場:北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE
出演:
TAMTAM
オトノエ

2014年11月24日(月・祝)
会場:東京都 新代田 FEVER
出演:TAMTAM

2014年11月27日(木)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET
出演:
TAMTAM
箱庭の室内楽
and more

2014年11月28日(金)
会場:大阪府 梅田 Zeela
出演:
TAMTAM
DAMBO
二人目のジャイナ
and more

リリース情報

TAMTAM<br>
『Strange Tomorrow』(CD)
TAMTAM
『Strange Tomorrow』(CD)

2014年9月17日(水)発売
価格:2,484円(税込)
VICL-64212

1. バベル
2. エンターキー
3. ニューロン・ダンサー
4. パーフェクト・ウェザーリポート
5. Interlude -untranslated region-
6. エデン
7. スピカ
8. ナッシング・バット・ア・ガール
9. サボン
10. トウキョウ・カウンターポイント
11. サナギ831
12. エンジョイ・アワー・フリータイム
13. ファンファーレ

プロフィール

TAMTAM(たむたむ)

2008年12月結成。Vocal & Trumpet担当Kuroのパワフルでキュートな歌声を軸に、ダブを土台にしつつシューゲイザー、ポストロック、様々なクラブミュージックを融合させた最新型「ダブロック」バンド。メランコリックかつポップなメロディとサウンドの先鋭性が絶妙のバランスでブレンドされた楽曲に載るKuroの歌詞は、同世代(20代中盤)なら誰もが抱く現実との折り合いの悪さ/将来への漠たる不安を、グレッグイーガン等SF小説好きを公言する彼女ならではの言語感覚で綴っており、情動と知性が同居したオリジナリティ溢れるものとして徐々に評価が高まっている。2014年4月にリリースしたミニアルバム「For Bored Dancers」はそんな彼等のハイブリッド感満載の1枚となっており、各音楽メディアや耳の早いリスナーからは驚きと賞賛を持って迎えられた。TAMTAMのチャレンジ精神にシンパシーを寄せるアーティストも多く、メジャー/インディ問わず各方面から熱い支持を得ている。

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