インタビュー

岸田繁(くるり)×加藤貞顕対談 音楽市場の変化をチャンスに転換

岸田繁(くるり)×加藤貞顕対談 音楽市場の変化をチャンスに転換

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望

加藤さんの考え方を聞いて、ひとつの目的をクリアするまでの論理がびっくりするくらいシンプルで、ファンになりました。(岸田)

―実際noteのことはどのように知ったのですか?

岸田:たまたま津田大介さんと飲んでたときに、さっき言ったような愚痴めいた話をしてたら、「面白い人いるよ」って言われて。

加藤:それ、偶然なんですけど、4月7日なんですよ。noteをリリースした日です。

岸田:そうなんや、縁ですねえ。

―つまり、津田さんが加藤さんを紹介してくれたと。

岸田:そう。その数日後に、津田さんがcakesの事務所に連れてってくれて、加藤さんがnoteの使い方を説明してくれたんですけど、Facebookの使い方がよくわかってない僕ですらわかるぐらい、単純明快だったんですよ。で、加藤さんの考え方を聞いて、ひとつの目的をクリアするまでの論理がびっくりするくらいシンプルで、その周りにあるものも含めてすごく新しいと思って、ファンになりました。

加藤:ありがとうございます。4月7日の話をもう少しすると、その日の午前中にnoteをリリースして、いろんな知り合いに「こんなの始めました」ってメールをしてて、津田さんにももちろん使ってほしいから、「一応tsudaってURLは予約しておきます」ってメールを送ったら(笑)、夜の12時ぐらいにいきなり電話がかかってきて、「加藤くん、これミュージシャンの利用とか考えてるの?」って言うから、「めちゃめちゃ考えてるよ」って返したんです。で、「わかった」って1回切れて、つまりそのとき岸田さんと津田さんが飲んでて、説明をしたんだと思うんですけど、もう1回かけ直してきて、「実は、さっきの話くるりなんだけど」って言うから、もう「えー!」ってなって(笑)。

―すごい、ドラマチックな話というか、やっぱり縁ですね(笑)。

加藤:音楽の機能をつけるって決めた時点で、ミュージシャンの方に使っていただきたいと思っていて、そのモデルケースとして、くるりみたいな人たちがぴったりだって話をしていたんです。つまり、メジャーでありながら、ファンとのコミュニケーションがあって、自分たちの発信したいメッセージもある。そういう人がふさわしいと思っていたので、リリース日にいきなりこんなぴったりな話が来て、驚いたし、嬉しかったですね。

加藤貞顕

―さきほど岸田さんの話にあったように、旧態のファンクラブは手続きの煩わしさであったり、実際にはそこまでコミュニケーションがなかったりした。でも、noteであれば、そこが改善できるということですよね。

加藤:岸田さんに「使い勝手がシンプル」っておっしゃっていただきましたけど、そこは相当意識したところで、やっぱりインターネットって、難しいと思うんですよ。僕はブログですら難しいと思ってて、例えば、自分の母親ができるかっていうと、できないんですよね。なので、誰でも使えるレベルにしないといけないっていうのがひとつ。あと今クリエイターはみんな大変だと思うのが、Twitterやってブログやって、公式ウェブサイトもあって、CD出るってなったらAmazonとかiTunesに誘導して、その上会報も作ってとか、バラバラにいろんなことをやらないといけないじゃないですか?

岸田:それ大変です。ホントに……もうね、そうなんですよ(笑)。

加藤:なので、それが1か所で済むようにしたいなって思ったんですよね。noteで書いたものを、TwitterやFacebookでシェアするのはいいんですけど、情報は1か所に集めて、何ならそこで楽曲も売れて、チケットも予約できて、グッズも売れるみたいな。

岸田:そういうプラットフォームとしての期待はすごくあるんですよね。もちろん実際使ってみて、「もっとこうなって欲しい」って部分もあるんですけど、加藤さんに「これどうですかね?」って言うと、すぐにそれが実現するんですよ。天才です。

加藤:いやいやいや(笑)、僕らも実際アーティストの方に使っていただいて、意見をいただけるのが一番ありがたいので、シンプルなところからちょっとずつ積み上げていければなって思っています。

Page 2
前へ 次へ

インフォメーション

リリース情報

くるり<br>
『THE PIER』初回限定盤(CD)
くるり
『THE PIER』初回限定盤(CD)

2014年9月17日(水)発売
価格:5,400円(税込)
VIZL-719

1. 2034
2. 日本海
3. 浜辺にて
4. ロックンロール・ハネムーン<album edit>
5. Liberty&Gravity
6. しゃぼんがぼんぼん
7. loveless
8. Remember me
9. 遥かなるリスボン
10. Brose&Butter
11. Amamoyo
12. 最後のメリークリスマス<album edit>
13. メェメェ
14. There is(always light)
※全曲楽譜集付き7インチサイズジャケット仕様、“Liberty&Gravity”ハイレゾ音源ダウンロードコード封入

くるり<br>
<p>『THE PIER』通常盤(CD)
くるり

『THE PIER』通常盤(CD)

2014年9月17日(水)発売
価格:3,132円(税込)
VICL-64167

1. 2034
2. 日本海
  3. 浜辺にて
4. ロックンロール・ハネムーン<album edit>
5. Liberty&Gravity
6. しゃぼんがぼんぼん
7. loveless
8. Remember me
9. 遥かなるリスボン
10. Brose&Butter
11. Amamoyo
12. 最後のメリークリスマス<album edit>
13. メェメェ
14. There is(always light)

プロフィール

くるり

1996年9月頃、立命館大学(京都市北区)の音楽サークル「ロック・コミューン」にて結成。古今東西さまざまな音楽に影響されながら、旅を続けるロックバンド。岸田繁(Vo, Gt)、佐藤征史(Ba, Vo)、ファンファン(Tp, Vo)の3名で活動中。

加藤貞顕(かとう さだあき)

株式会社ピースオブケイク 代表取締役CEO。1973年、新潟県生まれ。アスキー、ダイヤモンド社に編集者として勤務。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)、『ゼロ』(堀江貴文)など話題作を多数手がける。2012年、コンテンツ配信サイト・cakes(ケイクス)をリリース。2014年、クリエイターとユーザーをつなぐウェブサービス・note(ノート)をリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

BIM“Wink”

BIMの新作『NOT BUSY』より“Wink”の映像が公開。ゆるめに結んだネクタイは軽妙洒脱でも、背伸びはしない。どこか冴えない繰り返しのなかで<だって俺らの本番はきっとこれから>と、吹っ切れなさもそのままラップして次へ。BIMの現在進行形のかっこよさと人懐っこさがトレースされたようなGIFアニメが最高にチャーミング。(山元)

  1. 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 時代を先取りした画期的作品 1

    『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 時代を先取りした画期的作品

  2. 坂口恭平の権力への抵抗。音楽は記憶を思い出させ人を治療する 2

    坂口恭平の権力への抵抗。音楽は記憶を思い出させ人を治療する

  3. 能町みね子が『ヨコトリ』で考えた、わからない物事との対峙 3

    能町みね子が『ヨコトリ』で考えた、わからない物事との対峙

  4. 『鬼滅の刃』劇場版公開記念集英社連合企画、20誌それぞれにオリジナル付録 4

    『鬼滅の刃』劇場版公開記念集英社連合企画、20誌それぞれにオリジナル付録

  5. ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を 5

    ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を

  6. King Gnuが日本初の「レッドブル・アーティスト」に 「Go Louder」始動 6

    King Gnuが日本初の「レッドブル・アーティスト」に 「Go Louder」始動

  7. 柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が戦時下の若者役 映画『太陽の子』来年公開 7

    柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が戦時下の若者役 映画『太陽の子』来年公開

  8. 勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点 8

    勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点

  9. 暮らしと仕事と遊びとアート。すべてを越えて繋がる東東京の生活 9

    暮らしと仕事と遊びとアート。すべてを越えて繋がる東東京の生活

  10. 小栗旬×星野源、野木亜紀子脚本の映画『罪の声』場面写真一挙公開 10

    小栗旬×星野源、野木亜紀子脚本の映画『罪の声』場面写真一挙公開