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東京インディーの新局面 Lucky Tapes×Yogee New Waves

東京インディーの新局面 Lucky Tapes×Yogee New Waves

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人

2015年、東京のインディーシーンは明確に新たな局面を迎えている。端的に言ってしまえば、国内におけるシティポップの流行と、海外におけるソウルやファンクの盛り上がりを受け、ブラックミュージック寄りのポップスを鳴らす若手がライブハウスやクラブをはっきりと賑わせているのだ。また、彼らの音楽の背景に様々なレベルでの「逃避願望」が含まれていることも、「シーン」と呼ぶに相応しい空気感を作り上げているひとつの理由かもしれない。本稿の主役であるLucky TapesとYogee New Wavesは、まさに今の東京のインディーシーンの中で将来を嘱望されているバンドの筆頭だが、一方では、そんな若手たちを決して一括りにすることはできないということも、また紛れもない事実なのである。

初めての共演ですぐに意気投合したというこの二組。2月にYogee New Wavesが初の7インチ『Fantastic Show』をリリースしたのに続いて、4月にはLucky Tapesが初の公式音源となる『Touch』を同じく7インチでリリースするなど、やはり高い親和性を見せている。しかし、あくまでサウンドの心地良さを優先するLucky Tapesの高橋海と、音に込めた思想や哲学を重視するYogee New Wavesの角舘健悟というそれぞれのフロントマンの考え方は、実は非常に対照的。もちろん、新しい文化というのは、こうした様々な趣向を持つ人物がお互いを刺激しあっている場所から生まれるものであり、今の東京のインディーシーンが面白い最大の理由がまさにここにある。それでは、Lucky Tapesから高橋と、前身バンドのSlow Beach時代からの付きあいである田口恵人の二人、Yogee New Wavesから角舘を招いて行われた対談をお送りしよう。

自分の殻にこもりきってる同士って、惹かれあうと思うんです。それを感じたのは、海くんが初めてだった。(角館)

―まずは二組の出会いから教えてください。角舘くんはLucky Tapes『Touch』のリリースに寄せたコメントで、「僕がカイ君達と出会ったのはとてつもなくロマンティックな夜だった」って書いてましたよね。

角舘:あれはホント最高の夜だった。

田口:最高だったね。

角舘:一昨年の年末に『New Action!』っていうイベントで一緒になったんですけど、前身バンドのSlow Beachのことはもともと知ってて、「このバンド超かっこいいな、こんなバンド日本にいたのかよ」ってメンバーと言ってたんです。で、その日実際にライブを見たら、やっぱりすごいかっこ良くて。

田口:うちらもYogee New Waves(以下、Yogee)を見て、「やべえ、めっちゃかっけえ」って思って、すぐ仲良くなって……最高だった。

左から:田口恵人、高橋海、角舘健悟
左から:田口恵人、高橋海、角舘健悟

―何がそんなに最高だったんですか?

角舘:グルーヴが(笑)。

―(笑)。なんでそんな最高のグルーヴが生まれたんだと思いますか?

角舘:同年代で、お互い「いい」と思えたのって、彼らが初めてだったんですよね。

田口:うちらもそうだなあ。Slow Beachではそんなにライブ活動をしてたわけじゃないけど、人のライブを見て「すげえいい」って思うことはあんまりなくて。でもYogeeに関しては、ライブを見たらすごい興奮して、初対面なのに一緒に酒飲んでワイワイして……。

角舘:ずっと肩組んでたよね(笑)。

左から:高橋海、角舘健悟

―海くんはその日についてどんな印象を持ってますか?

高橋:当時、Slow Beachと仲のいいバンドがあんまりいなくて(笑)。彼らとはすぐに意気投合したので、グルーヴは僕も感じていましたね。

角舘:実際同年代だからって、あれくらいバチーンってあうことなかなかないじゃん? なんでだろうと思って考えたんだけど、大事なのはどれだけ音楽と真摯に向きあってるかだと思ったのね。いい意味で、自分の殻にこもりきってる同士って、惹かれあうと思うんです。それを感じたのは、海くんが初めてだった。

高橋:うん、それは僕も同じでした。

―そもそもSlow Beachはどうやって結成されて、そこからどうLucky Tapesへと至ったのでしょうか?

Lucky Tapes
Lucky Tapes

田口:僕と海くんは地元が同じ鎌倉で、もともとはそれぞれ別のバンドをやってたんですけど、ずっと「海くんの音楽いいな」と思ってて、海くんに「一緒にやろうよ」って声をかけたのがSlow Beachのスタートです。でも、結局半年後くらいにメンバーの進路のこととかもあって解散して。そのとき僕はもう音楽をやめようとも思ってたんですけど、やっぱりやりたいと思い直して、もう1回海くんを誘ってLucky Tapesを組みました。

高橋:僕はずっと音楽を続けたかったので、解散した後もソロで曲を作って、BandcampやSoundCloudで公開していたら、それを聴いた田口くんが声をかけてくれて。Lucky Tapesではより歌を前に出した、もっと輪郭のある音楽をやりたいと思って始めました。


角舘:Lucky Tapesを組んだって聞いて、すぐ連絡したんですよ。「海くんお帰り!」って。僕は海くんの感性がすごく好きだから、「やっと一緒に何かできる人が帰ってきてくれた」と思った。

田口:ライブのSEでSlow Beachの曲流してくれたんでしょ? それ聞いてすごい嬉しかった。

角舘:そうそう。Slow Beachが解散を発表した日に弾き語りのイベントに出てて、そこでSlow Beachの“Motel”をかけたんです。

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リリース情報

Lucky Tapes『Touch』(アナログ7inch+CD)
Lucky Tapes
『Touch』(アナログ7inch+CD)

[アナログ7inch SIDE-A]
1. Touch
[アナログ7inch SIDE-B]
1. Spell On You
[CD]
1. Touch
2. Spell On You
3. Touch(Avec Avec remix)

イベント情報

『「Touch!」release LIVE』

2015年4月18日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-Nest
出演:
Lucky Tapes
角舘健悟(Yogee New Waves)
give me wallets
Your Romance
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

2014年5月28日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 Pangaea
出演:
Lucky Tapes
tofubeats(DJ Set)
HINTO
ARDBECK
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

リリース情報

Yogee New Waves『Fantasic Show / Climax Night』(アナログ7inch)
Yogee New Waves
『Fantasic Show / Climax Night』(アナログ7inch)

2015年2月27日(金)発売
価格:1,404円(税込)
Second Royal Records / Roman Label / EMF-055

[SIDE-A]
1. Fantasic Show
[SIDE-B]
1. Climax Night

Yogee New Waves『PARAISO』(アナログ7inch)
Yogee New Waves
『PARAISO』(アナログ7inch)

2015年4月18日(土)発売
価格:2,484円(税込)
EMF-057

[SID-A]
1. Megumi no Amen
2. Summer
3. Climax Night
4. Good Bye
[SIDE-B]
1. Hello Ethiopia
2. Earth
3. Listen
4. Dreamin Boy
5. Camp

プロフィール

Lucky Tapes(らっきー てーぷす)

2014年6月、高橋海(Vo,Key)、田口恵人(Ba)、濱田翼(Dr)の3人で結成(現在は高橋健介(Gt)を加えた4人組)。その僅か2か月後の8月に、OGRE YOU ASSHOLEやシャムキャッツ、森は生きている等が出演するイベント『Booked!』に出演。しかもそれがバンドにとって初ライブとなるものの、そのパフォーマンスはオーディエンスから高い評価を獲得。9月にはライブ会場とレーベルのHPのみで500枚限定のEP『Peace and Magic』を発表し、それが僅か3か月で完売。同世代のバンドたちからの評価と信頼も厚く、盛り上がりを見せる東京インディシーンの中でも最も注目を集めるバンドの1つとなる。そして、2015年初夏のリリースを予定しているデビューアルバムからの先行シングル『Touch』が7インチ限定で、2015年4月2日にリリース。同封のCDには、Sugar‘s Campaignとしても活躍中のAvec Avecのリミックスを収録。

Yogee New Waves(よぎー にゅー うぇーぶす)

都会におけるポップスの進化をテーマに、東京を中心に活動する音楽集団。2013年6月、Kakudate(Vo,Gt)とInoue(Ba)を中心に活動開始。『SUMMER SONIC』の『でれんのサマソニ2013』の最終選考に選出され、選考ライブがまさかのバンド初ライブとなる。9月にはTetsushi Kasuya(Dr)、Mitsuhiro Matsuda(Gt)が加入し、11月にE.P.『CLIMAX NIGHT』を自主制作。ライブ会場のみの販売で、初回生産分は即座に完売する。2014年4月9日にデビューep『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。7月末の『FUJI ROCK FES'14』のRookie A Go Goに出演。その後、9月10日には待望の1stアルバム『PARAISO』をリリース。

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