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1万人規模のフェスをDIYで成功させたPIZZA OF DEATHの独自論

1万人規模のフェスをDIYで成功させたPIZZA OF DEATHの独自論

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:豊島望

僕らは「レーベルの価値とは何か?」ということを、数年前から考え続けているんです。ただ音源を作るだけではレーベルの役目を果たしたとは言えない。

―『SATANIC CARNIVAL』はフェスのプロモーションも意欲的に行っていますよね。単にイベントを行うだけでなく、それに絡めて出演者たちが積極的にメディアに登場する。イベント当日以外の部分でも、アーティストの魅力を発信する機会も作っているように思います。

I.S.O:そこに関しては宣伝担当の人間とも一緒に考えているんですけど、このイベントがシーンを発信する場であってほしいという目的を果たすためです。若いバンドや中堅のバンドには、いい形でこのフェスを利用してもらいたい。フェス自体のプロモーションというよりは、出演アーティストをいかにプロモーションするかに比重を置いて考えています。

―PIZZA OF DEATHは、たとえばキャリア公式モバイルサイト「SATANIC MOBILE」を持って独自コンテンツを作っていたり、発信型のレーベルでもあると思います。

I.S.O:僕らは「レーベルの価値とは何か?」ということを、数年前から考え続けているんです。インターネットが普及して、リスナーとアーティストが直接繋がることができるようになった。自分でCDを作れるバンドだってたくさんある。そうなった時に、ただ音源を作るだけではレーベルの役目を果たしたとは言えなくて、レーベルの価値は発信力の強さにかかってくるんじゃないかと思うんです。同様にこのフェスも、発信力の強さが必要だと思っています。まあ、お客さんにとっては『SATANIC CARNIVAL』がいい遊び場であってほしいって、ただそれだけなんですけどね。

―「遊び場」という意味でいえば、最初に仰ったように、単にアーティストがライブをするだけではなく、いろんなカルチャーが見える場を作っているわけですよね。

I.S.O:そうですね。なので今年も、デザイナーの作品展示とか、僕らなりに「こうやったら面白い」というものを考えています。

『SATANIC CARNIVAL'14』の様子 photo:Yuji Honda
photo:Yuji Honda

―そもそも、パンクシーンはなぜファッションやグラフィック、スケートボードなどのカルチャーと結びついているものなんでしょう?

I.S.O:それはもう、ごく単純に、そういう音楽が好きな人は、ストリートファッションも好きだし、スケボーも好きだったりする。タトゥーもそうですね。かっこいいと思う、面白いと思う、僕らからすると当たり前のことです。だから自然と結びつくんです。

―そういう意味では、フェスって、いわばカルチャー誌みたいなところもあるわけですね。メインステージのヘッドライナーが雑誌の表紙で、中面にはいろんな企画もある、という。

I.S.O:その通りだと思います。

正直なところ、「またフェスかよ」って思われないよう、いかに差別化できるかは僕らの課題です。

―とはいえ、今の音楽業界にはフェスが乱立し飽和状態とも言われます。実際、フェスは1年中いろんな場所で行われている。

I.S.O:飽和状態ですね。

―そうである以上、お客さんもフェスというだけで目新しさを感じるのではなく、そのフェスならではの魅力や意義を感じてチケットを買うようになっていると思うんです。『SATANIC CARNIVAL』もそういうことは意識しましたか?

I.S.O:そこは最初にいった「居場所」ということですね。この手のシーンは「村社会」と揶揄されたこともあったんです。でも「村社会上等だ」と(笑)。そういう村には、その村の遊び方があっていい。

I.S.O

―「村社会」というのは、言い換えるならばそのシーンのカルチャーがちゃんとある、ということですよね。

I.S.O:そうですね。正直なところ、「またフェスかよ」って思われないよう、いかに差別化して面白くできるかというのは僕らの課題なんです。差別化の肝がカルチャーなんだと思います。音楽業界全体の流れとして、イベントが多くなるのは仕方がない。しかし、そうするとどうしても刺激的ではなくなってしまう部分が出てくる。出演者ですら「またかよ」と思う場面すらあるわけですから、お客さんにとってもそれは同じだと思います。僕らとしては、どうやって刺激的な場所を作るか、面白い場所と思ってもらえるかを意識してやっていくだけですね。続けていけば回を重ねるごとにフェスのストーリー性も出てくると思うので、シーンのためにやり続ける以外はないです。

―他のフェスのことは意識しますか?

I.S.O:横を見たらキリがないですよね。やると決めてやっている以上は、楽しんでもらえるものを作るだけだし、ここから先はサバイバルだと思います。面白いものが残っていくし、つまらないものは淘汰される。それだけですからね。

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イベント情報

2015年6月20日(土)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場 9~11ホール
出演:
04 Limited Sazabys
10-FEET
BACK LIFT
BUZZ THE BEARS
coldrain
CRYSTAL LAKE
FACT
Fear, and Loathing in Las Vegas
GOOD4NOTHING
G-FREAK FACTORY
HAWAIIAN6
KEMURI
Ken Yokoyama
locofrank
MONGOL800
OVER ARM THROW
RADIOTS
ROTTENGRAFFTY
SHANK
The BONEZ
WANIMA
怒髪天
料金:8,500円

プロフィール

I.S.O(いそ)

横山健が代表を務めるインディーレーベル「PIZZA OF DEATH」にてライブ制作を担当。また、Ken Yokoyama、Hongolian、Andrewとともに、ハードコアパンクバンド「BBQ CHICKENS」を結成、ベースを担当している。2014年よりスタートした、PIZZA OF DEATH主催の音楽フェス『SATANIC CARNIVAL』のプロデューサーを務め、初年度は1万7千人の観客を集め、大成功に収める。今年は、6月20日(土)、会場は昨年と同じく幕張メッセにて開催。

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