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1万人規模のフェスをDIYで成功させたPIZZA OF DEATHの独自論

1万人規模のフェスをDIYで成功させたPIZZA OF DEATHの独自論

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:豊島望

PIZZA OF DEATHのフェスでもないし、Ken Yokoyamaのイベントでもない。あくまで、シーンの発信力ある居場所作りが目的です。

―立ち上げた時に、成功する可能性、フェスが上手くいくイメージはどの程度ありましたか?

I.S.O:結構ビビってました。今って、大型フェスは多いじゃないですか。そこで、あえてこのシーンのバンドばかり集めたらどうなるんだろう、と。ただ、フタを開けたら1回目はチケットがソールドアウトしたし、出演者にもお客さんにも喜んでもらえた実感はありました。正直、成功してホッとしましたね。

『SATANIC CARNIVAL'14』の様子 photo:Yuji Honda
photo:Yuji Honda

―日本のパンクシーンの中でも、特にハイスタは大きなアイコンとして今もリスペクトを集めていますよね。PIZZA OF DEATHというレーベルは横山健さんが社長であり、切っても切れない関係性がある。しかしこのフェスではハイスタや健さんを前面に打ち出すわけではなく、新しく『SATANIC CARNIVAL』というブランドを作っていると思います。その理由は?

I.S.O:まず、ハイスタを主役にするのであれば『AIR JAM』(ハイスタを中心に企画されたフェス。バンドの活動休止とともに、イベントの開催も休止となったが、2011年と2012年はバンドの復活とともに開催された)でいいわけですよね。それと違うものをあえてやる以上は、切り離して考えたいと思ったんです。PIZZA OF DEATHのフェスでもないし、Ken Yokoyamaのイベントでもないということはすごく意識しています。あくまで、シーンの発信力ある居場所作りが目的ですからね。だから、できるだけフェアにブッキングも考えていて、ウチの所属バンドもシーンにいるバンドの1つとして捉えています。

―実際、去年出演した04 Limited SazabysやNOISEMAKERは、今年メジャーデビューを果たしましたね。

I.S.O:そうですね。実際に手応えとして、去年出てもらった若手のバンドが、それ以降にチャンスを掴んでいる印象があります。そういう意味でも、僕らがこれをやることに意義はあると思いましたし、今のコンセプトを突き詰めていきたいと思っています。

―では、今年のラインナップの中で、次のヒーローになりそうなバンドと言えば?

I.S.O:WANIMAですね。PIZZA OF DEATHのバンドなんですが、フェアに見ても、新人としては勢いがあるし、文句なしに今後を期待できるバンドだと思います。「メロディックパンク」という呼び方が正しいかどうかわからないですが、日本語でいいメロディーの歌を歌っているバンドで、SiMやMAN WITH A MISSION、ONE OK ROCKともまた違う路線ですし、そういう意味でも彼らが大きくなるとまたシーンが面白くなると思います。


僕らは基本的にいろんなことをDIY精神でやってます。1万人以上の規模で、イベンターを使わずにやっているフェスは他にないと思います。

―フェスの作り方についてもお話をお伺いできればと思います。『SATANIC CARNIVAL』はかなり独特の作り方をしているフェスだということですが。

I.S.O:僕らは基本的にいろんなことをDIY精神でやっていて、このフェスもイベンターを使わずに作っています。幕張メッセの担当者に直接お会いしに行って、「会場を貸してください」とお願いするところから始まり、プレイガイドに「チケットを売ってください」と交渉する。ステージ、音響、照明業者への発注からスタッフ集めまで、全て僕が仕切ってやっています。

―ほとんどのフェスはイベンターが運営しているんですか?

I.S.O:小さい規模のイベントだと手作りでやられているものもありますが、1万人以上の規模で、イベンターを使わずにやっているフェスは他にないと思います。イベンターにお願いした場合、主催者の僕らは企画を立てるだけでいい。会場の押さえも、当日のアルバイトスタッフの手配も、運営面でのほとんどの部分はやってもらえます。でも、僕らはあえてそこも含めて自分たちで全部仕切っています。

―素朴な疑問として、イベンターに頼むほうがラクなんじゃないでしょうか?

I.S.O:そうですね、そのほうが絶対にラクです(笑)。でも、僕らはずっとインディーズでやってきたし、「自分たちのことは自分たちでやる」という社風があるんですよね。それを突き詰めた形の1つだと思います。

I.S.O

―やってみたらできた、という感じでしたか?

I.S.O:もちろん周囲に助けられた部分も多かったですけれど。去年は「そもそも幕張メッセを直接借りることができるのか?」というところからのスタートでしたからね。担当者さんと直接交渉して、なんとかスケジュールをいただいて、そこから一つひとつのセクションを詰めていきました。プロデューサーの立場にいる僕が、その全てを把握しなきゃいけなかったので、情報量の多さにパンクしそうになりましたよ。

―1万人規模のフェスになると、動線の整備とかも大事になってきますよね。

I.S.O:そのあたりは、警備や運営管理のプロの方たちとも相談しながら、フェンスやバリケードの場所一つひとつを何度も考え直して、結果スムーズに行うことができました。

『SATANIC CARNIVAL'14』の様子 photo:Yuji Honda
photo:Yuji Honda

―『SATANIC CARNIVAL』のお客さんは基本的に暴れたい人が多いわけで、安全性と不満なく楽しめる線引きのバランスは難しいし、肝でもありますよね。

I.S.O:そこは、僕らはこれまでも自社アーティストのライブ制作を手がけてきていて、そういうお客さんばかり相手にしてきたので、経験値の蓄積が大きかったと思います。でも、お客さんにもかなり助けられました。お互いのルールを守り、助けあうようになったお客さんの成熟も大きいです。

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イベント情報

2015年6月20日(土)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場 9~11ホール
出演:
04 Limited Sazabys
10-FEET
BACK LIFT
BUZZ THE BEARS
coldrain
CRYSTAL LAKE
FACT
Fear, and Loathing in Las Vegas
GOOD4NOTHING
G-FREAK FACTORY
HAWAIIAN6
KEMURI
Ken Yokoyama
locofrank
MONGOL800
OVER ARM THROW
RADIOTS
ROTTENGRAFFTY
SHANK
The BONEZ
WANIMA
怒髪天
料金:8,500円

プロフィール

I.S.O(いそ)

横山健が代表を務めるインディーレーベル「PIZZA OF DEATH」にてライブ制作を担当。また、Ken Yokoyama、Hongolian、Andrewとともに、ハードコアパンクバンド「BBQ CHICKENS」を結成、ベースを担当している。2014年よりスタートした、PIZZA OF DEATH主催の音楽フェス『SATANIC CARNIVAL』のプロデューサーを務め、初年度は1万7千人の観客を集め、大成功に収める。今年は、6月20日(土)、会場は昨年と同じく幕張メッセにて開催。

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