多摩ニュータウンでファンタジーな実験 DE DE MOUSE×柴幸男

団地で暮らす家族の人生と星の一生を重ねて描き、『第54回岸田國士戯曲賞』を受賞した劇団・ままごとの代表作『わが星』。先日の再々演でも演劇界を大きく超えて熱狂的な反応を呼び起こしましたが、そのままごとの新作『あたらしい憲法のはなし』が、早くもこの秋、多摩センターで行なわれる『多摩1キロフェス』の屋外水上ステージで上演されます。

なぜ多摩センターで『あたらしい憲法のはなし』? というのも気になるところで今回は、ままごとを主宰する柴幸男、『多摩1キロフェス』には3年連続参加となるDE DE MOUSEの二人をお招きし、今年の『多摩1キロフェス』について話を聞きました。ポップさとストレンジさを兼ね備えた音楽性が魅力のDE DE MOUSEと、音楽的感覚を演劇に取り込む柴幸男。音楽と演劇のボーダーを行き来する二人のアーティストの取り組みから、多摩センターというベッドタウンの持つ魅力、クリエイティブの可能性が見えてきます。

デデさんの音楽は昔から愛聴していて、「いつか劇中で流してみたいな」と思っていたら、どんどん有名になっていかれてタイミングを逃してしまった。(柴幸男)

―DE DE MOUSEさんは先日、ままごと『わが星』の再々演をご覧になったそうですね。あまり演劇が得意ではないそうですが、『わが星』はハマったとか。

DE DE:そうなんですよ。僕は本当に音楽人間だから、舞台はほとんど初めてで、行ってもせいぜい映画くらい。学生時代に劇団四季の演劇を観たこともあったけど、若かったし、興味を持てなかった。そんな感じだから「どうせ現代演劇なんて、奇をてらったことすればいいとか思ってるんだろ?」という斜に構えた見方で観に行ったんです。冒頭の場内スピーチで「途中、4秒間の休憩があります」って言う演出があるでしょう? 「4秒でどうやってお手洗いに行くんだよ!? ほらやっぱり(奇をてらったのが)来たよ!」とか思って(笑)。

:ははは。

DE DE:……って思っていたら、すごく面白くって。「先が見たいから4秒間の休憩なんていいよ!」って思うくらい、演劇に対する穿った固定観念が吹っ飛びました。リズムやテンポもすごく計算されていて、ストーリーもメタ的で、宇宙と家族というテーマも哲学的。一気に最後まで観てしまいました。


:嬉しいです。デデさんの楽曲は昔から愛聴していて、『多摩1キロフェス』に関わってらっしゃるのも知っていたので、いつか作品を観てもらえたらいいなと思っていました。

―柴さんの作品作りにも、じつはデデさんの音楽が影響を与えているという話を聞きました。

:ままごとを始めた頃、たまたまイルリメさんと磯部涼さんのポッドキャストで流れていたのを聴いて。

DE DE:おおー。僕もまだデビュー前のすごく初期の頃ですね。

:「円盤」(高円寺にあるイベントスペース・レコードショップ・喫茶店)で販売しているという情報を得て、手に入れたんです。「いつか劇中で流してみたいな」と思っていたら、どんどん有名になっていかれてタイミングを逃してしまって(苦笑)。でも、デデさんの音楽に合わせた稽古を一時期よくやっていました。本番では音楽のないシーンなんですけど、稽古ではデデさんの曲をバックに流していたり。

DE DE:稽古に僕の音楽って合いますか?

:最近の稽古はまた違うんですけど、その頃はメロディーの流れとかテンポに役者が引っ張られること、音楽によって動かされる人間の内面に興味があって。「ああ、自分はこんなふうに声を出せるんだ」と、音楽によって気づかされることがあるんですよ。

DE DE:なるほどー。

:僕、演劇で音楽を使うことにとても臆病なんですよ。今まで話し言葉のリズムや空気感で劇を進めてきたのに、突然音楽が流れて雰囲気がガラッと変わってしまうことに「ずれ」を感じてしまうんです。『わが星』であんなに音楽を使えたのは、時報の音を基本にして全編を「音楽で包む」アイデアだったから。だけど、デデさんの曲は空間にも人にもうまくリンクするんですよね。あまりにも気持ち良くハマって、曲に頼りすぎてしまいそうになるので、それが逆に難しくて、表立って使うことはなかったんです。

DE DE:いやいや、ありがたい話です。

左から:柴幸男、DE DE MOUSE
左から:柴幸男、DE DE MOUSE

―ちなみにデデさんが観た劇団四季の作品というのは?

DE DE:『オペラ座の怪人』『恋は劇薬』っていうミュージカルです。友人は大感動してサントラまで買っていたけど、当時は何がいいのかさっぱりわからなくて。僕は人が芸術に惹かれるきっかけって、自分の中にないものや、違和感を感じられる瞬間と関係していると思っているんですね。もちろんたくさんの人たちに評価されるエンターテイメントにも素晴らしい技術や感動はあるけれど、大多数の人が一同に「いいね!」って感じるものは基本的に危険だと考えていて、どこかに違和感がないと長く心には残らない気がする。

―たしかにデデさんの曲も、ポップさと不穏さを同時に感じさせますね。

DE DE:自分の音楽にも多少の違和感を入れるようにはしているので、評価が分かれることが多いんです。ハマる人はすごくハマるけど、気持ち悪くて聴けないって声もある(笑)。一方で特に若い頃の表現者って、自分の作品がすごいと思いたいから、外部の刺激に対して否定的なスタンスを取ろうとする部分もあると思うんですよ。だから劇団四季がどうというよりも、当時の僕のモードが頑なだった。まあ、それは今も変わってないかもしれなくて、それで『わが星』も「どんなもんよ?」ってスタンスで観に行ったわけです(笑)。でもお話したように、心を打ち抜かれました。36歳になって、初めて演劇を素直に観られるようになりました。

『わが星』で描かれている、団地に住んでいる昭和っぽい家族像とか、広大な宇宙にポツンと一人浮かんでいる感じとかが、多摩センター周辺の風景と重なって。(DE DE MOUSE)

―デデさんが『わが星』を素直に楽しめた理由はなんだと思いますか?

DE DE:展開のスピーディーさ。それから背景に共感できるものが多かったからだと思います。『多摩1キロフェス』に関わる以前から、多摩センターの町が大好きだったんですけど、『わが星』で描かれている、団地に住んでいる昭和っぽい家族像とか、広大な宇宙にポツンと一人浮かんでいる感じとかが、多摩センター周辺のニュータウンの風景と重なって。

DE DE MOUSE

:郊外のベッドタウンがデデさんの原風景なんですか?

DE DE:僕は群馬で育ったんですが、農業地帯と工業地帯がはっきり分かれた場所で、まあ田舎です。子どもの頃からテレビの中の世界にすごく憧れがあって、群馬にいたくないっていう気持ちが強かった。だから記憶に焼き付いているのは、東京へ向かう途中に見えるベッドタウンだとか、家族旅行で行った東京ディズニーランドの風景なんですよね。多摩センターの少し人工的で生活臭のない町並を見たときに、自分がイメージしていた都会の町ってこれだ! と思って。その気持ちが『わが星』を観ていると刺激されるんです。

:僕は愛知県の田舎で生まれ育ったんですけど、やっぱりベッドタウンは憧れで、同じように東京に行きたいっていう欲求を抱えていました。団地に対して「かっこいいい」「美しい」っていう感情があって、実際に住んでいた人からすると「なに言ってんだ?」って言われるかもしれないけれど、均等にドアや窓が並ぶ、人が住むためだけにデザインされた建築物に今でもすごく惹かれます。等間隔に並ぶ窓から洩れる光とか本当にたまらなくて、それを星になぞらえてみたのが『わが星』なんです。

柴幸男

DE DE:ドアや窓の話、すごくわかります。

:おそらく僕は昭和の空気を体験した最後の世代で、団地には住んでいませんでしたが、家族や兄弟でテレビのチャンネルを争う文化もまだ残っていました。『わが星』を観た人に、「もうあんな家族いないよ」って感想をよく言われるんですけど、僕も同感なんですよ。ノスタルジーを超えて、もはやファンタジーに行き着いてしまったサザエさん的世界というか。6年前の初演ではその設定にノスタルジーを感じる部分もあったんですけど、今年の再々演ではもはや昭和なのかもわからない、どこに住む家族なのかもわからない感じがあって、それが面白かったですね。

『あたらしい憲法のはなし』は、なんらかの反応を期待して選んだ作品ではあります。演劇に興味がなくても、最近の政治に関心を持っている人にも届く可能性のあるタイトルですから。(柴幸男)

―柴さんとデデさんの作品は、今のベッドタウンのお話にもあったように、ファンタジーのような少し変わった手触りのリアリティーを求めている点が共通しているように思います。『多摩1キロフェス2015』では、それぞれどんな作品を発表されるんでしょうか?

DE DE:僕は、1回目の開催から3年連続の参加ですが、今年はパルテノン多摩の大階段ステージで、『サイレントディスコ』という200名限定のヘッドフォンライブを開催します。普段からたくさんの人が行き交う場所ですから内輪な雰囲気にならないように、スピーカーからも少し音を出しておいて、どっぷり音楽の世界に入りたいという人はヘッドフォンで聴いてほしい。

DE DE MOUSE『サイレント・ディスコ』イメージビジュアル
DE DE MOUSE『サイレント・ディスコ』イメージビジュアル

―外向きでありつつ、内省的な作品でもあるんですね。

DE DE:『多摩1キロフェス』が始まった一昨年前は、同じ大階段ステージで8台のプロジェクターで映像を投影したライブをやったんです。幻想的な雰囲気で評判も良かったんですけど、あまり遅い時間だと近隣に迷惑をかけてしまう。それで去年は夕方の時間に移したんですが、明るいと映像を投影できないんですよね。でも、『サイレントディスコ』だったら、夜でも音量を気にせず、映像も映せるからいいのではないかと。

―去年は盆踊りライブ(DE DE MOUSE×ホナガヨウコ『星屑ダンスパーティ』)でしたが、それなりに音も大きかったのでは?

DE DE:盆踊りのときはそんなに音は出していなかったんですが、以前から音楽イベントに比べて、夏祭りや盆踊りって、なんでこんなに多くの人に支持されるんだろう? と思っていたんですよ。それで辿り着いた結論は音楽が主役じゃないってこと。夜店があって、櫓があって、みんなが楽しめる空間がまずあって、その一部に音楽もある。去年印象的だったのが、櫓の周りに人が集まっていると子どもが「盆踊りだー!」って叫んで走ってくるんですよ。あと、音楽に全然興味のないおじさんでも、浴衣姿の女の子が踊っていると近づいてきたり。そのおじさんは僕のことを全然知らないから「ててまうす」って呼んでたし、途中まで浴衣の女の子たちのことを「ててまうす」だと思っていて、僕が「ててまうす」だと知るとちょっとガッカリしてた(笑)。そういう触れ合いが面白いし、やって良かったと思いました。

DE DE MOUSE×ホナガヨウコ『星屑ダンスパーティ』(2014年)の様子
DE DE MOUSE×ホナガヨウコ『星屑ダンスパーティ』(2014年)の様子

―たしかに「夏祭り」とか「ラジオ体操」という枠組みにするだけで、音を出してもOKという雰囲気になりますよね。音楽を含んでいるけれど、その枠組みをちょっと拡張してみせる。

DE DE:1年目のプロジェクションライブも面白かったんですが、会社帰りの疲れたサラリーマンとか、地元の買い物帰りの人の足を完全に止めるまでには至らなかったんですよね。『多摩1キロフェス』は、多摩の町おこしのためのものでもあるので、今年は『サイレントディスコ』と盆踊り(DE DE MOUSE×ホナガヨウコ『帰ってきた!魅惑の星屑ダンスパーティ』)の2本立てで盛り上げたいです。

―柴さんはいかがですか? 水上ステージで上演される、ままごとの新作『あたらしい憲法のはなし』は、憲法改変の議論も盛んな時期の中、かなりタイムリーな作品という印象です。

:いろんなアイデアがあったんですよ。会場の水上ステージがギリシャ神殿っぽい建築だったので、ギリシャ演劇的な作品や、古代の哲学者の話をするのも面白いかなと思ったり。でも、せっかく多摩センターで、一般の方から募集した俳優とのアンサンブルなので、だったら「市民」をテーマに作品を作ってみようと。

ままごと『あたらしい憲法のはなし』イメージビジュアル(『わが星』上演風景)
ままごと『あたらしい憲法のはなし』イメージビジュアル(『わが星』上演風景)

―『あたらしい憲法のはなし』は、1947年から52年まで実際に使われていた中学生向けの教科書が原作だそうですね。

:もちろん、なんらかの反応を期待して選んだ原作ではあります。演劇に興味がなくても、最近の政治に感心を持っている人であれば、届く可能性のあるタイトルですから。でも、けっして今の日本に限定するわけではなく、架空の国を舞台に、1から集団のルールを組み立てていく話になります。例えば、新しく町に引っ越して来た人の寝床や選挙権はどうするのかとか、町や集団の関係が生まれるまでの一つひとつのルール作りの過程を広い意味で「憲法」として見せようと。いわば町作りの仮想実験ですね。デデさんがおっしゃったような多摩センターという町との取り組みって面白いと思うんです。僕もそういう活動を、香川県の小豆島や横浜の象の鼻テラスで数年間やってきたので、その楽しさと苦労がわかります。

憲法の話をすると、どうしても個人的な感情がついてきてしまうんです。でも僕が問いたいのは、そもそもルールってどういうものなの? ということ。(柴幸男)

DE DE:『あたらしい憲法のはなし』は、多摩に住んでいる人が劇中でも市民を演じるという設定が面白いですよね。僕はテレビゲーム世代なんですけど、多摩センターってゲーム内世界のような不思議さを感じるときがあります。

:『ドラゴンクエスト』の町っぽいですよね。左右対称にメイン通りが東西南北に伸びていて、パルテノン多摩とかサンリオピューロランドといった大きな建物がいくつかある、冒険の果てに辿り着いた都(笑)。

パルテノン多摩から見た、多摩センター駅方面の様子 ©Kozo Kaneda
パルテノン多摩から見た、多摩センター駅方面の様子 ©Kozo Kaneda

DE DE:『ドラクエ』で町に辿り着くと、必ず「ようこそ、ここは○○の町です」って言う人がいるじゃないですか。何度話しかけてもそれだけしか答えてくれない(笑)。ちょっと怖くもあるけれど、市民を演じるというアイデアはそういう空想を刺激してくる。不思議でもあり、ちょっと懐かしくもあり。

:デデさんの音楽にも似たものを感じます。新しいのか懐かしいのかわからない感じというか。デデさんは、自分の音楽を作るときに過去と未来、どちらのイメージを強く持っていますか?

DE DE:僕は……未来とか、これからのものに対して何も興味がないんですよ。過ぎ去ったもの、もう戻ってこないものをすごく美しく感じるんです。例えば、多摩の町を歩いていて、天気も良くて気持ち良かったなっていう記憶や風景を音楽として残したい。自分の音楽って、じつは19世紀末に活躍したエリック・サティや、印象主義の音楽家といわれるクロード・ドビュッシーのアプローチに近いところがあるのかなって思うんだけど。だから音楽を作っていて風景のイメージが浮かんでこなかったり、この音楽を聴きながらあそこを歩いてみたいなっていう気持ちが湧かないと、その曲はすぐにボツにしちゃう。

:僕が勝手に感じていたデデさんの音楽のイメージは、架空の映画のサントラを作っているのかなと考えていました。架空の世界があって、それを巡るようなイメージ。

DE DE:それは間違いなくあります。じつはアルバムごとに架空の物語があって、1stアルバム『tide of stars』は宮澤賢治『銀河鉄道の夜』でした。もし少年ジョバンニがカンパネルラを取り戻しに行ったら……と想像しながら作りました。2ndアルバム『sunset girls』は多摩市の聖蹟桜ヶ丘を舞台に、主人公の女の子が「いろは坂」を登って小さなお祭りに行くだけのお話で、それを神話とか民話になぞらえている。川を越えていくので、向こうは死後の世界だ、とか。

:それってすごく演劇的だと思います。僕の作品もささやかに世界を扱っているつもりで、主題について直接的には言わず、錯視絵みたいに作品を観ているうちに見えないものがぼんやり見えてくるように作っていることが多いです。

DE DE:夢を見ていて「あ、これは夢だ」ってわかるときがあるじゃないですか。夢だから目を覚ましたいと思って、目が覚めたと思ったらまだ夢で。子どもの頃にそんな経験をしたことをいまだに覚えていて、その怖さや衝撃を未だに引きずっている気がします。でも、それをまた体験してみたいという欲求が、僕の場合は表現につながっていると思いますね。

―『サイレントディスコ』は、ヘッドフォンを通して個人ごとに聴くわけですよね。その埋没感は夢のようでもあるし、テレビゲームの主人公になったような感覚を生むのかもしれません。

DE DE:『サイレントディスコ』には、違う世界にふらふらと迷い込むっていうコンセプトがあるんですよ。多摩センターって夜になると人の気配がなくなって、迷子になったら帰れなくなってしまいそうな気持ちになる。そして駅に辿り着くと安堵する。まるであの世とこの世を行き来しているみたいだなって思うことがあって、そういう感覚を体験するためのヘッドフォンでもあるんです。

:この間、多摩センターに一晩泊まったんですけど、夜は真夜中の遊園地に一人取り残されたみたいな感じがあって、すごく不思議でした。僕は人間の生身感を描写することで、お客さんの感情を揺り動かすような手法はあまり得意でなくて、どこかゲーム的というか、抽象的、アイコン的に作品を作っているんです。名前が決められたキャラクターも少なくて、『わが星』だと、男子は「男子」、先生は「先生」って役名。「佐藤○○」みたいな役名だと、この人には両親がいて、朝は何時に起きてって、役に履歴書を作らないといけなくなってしまう。でも、そこにはあまり興味がないんです。だからこそ『わが星』のように、「星」と「人」っていう、本来は比べられないものを抽象的に比べられるようになると思っています。

左から:柴幸男、DE DE MOUSE

―それは、架空の町作り、ルール作りの話が憲法につながる『あたらしい憲法のはなし』にも共通しますね。

:憲法の話をすると、どうしても「日本だから」とか「自分が戦争に行くとしたら」とか個人的な感情がついてきてしまうんです。でも僕が問いたいのは、そもそもルールってどういうものなの? 演劇に言い換えれば台本ってどういうものなの? ということ。だから抽象化して、架空の町を設定する。そこには王様がいて、新しい人たちがやってきて権利を主張し始める。隣には白い猫が牛耳っている国があって、家臣にうさぎやカッパがいて、毎日踊って暮らしている。彼らは何もしてこないけれど、そのうち攻め込んで来て、僕たちも動物の姿にされるかもしれない。だから今のうちに偵察に行ったほうがいいかもしれない、いやいや、まだその必要はない……とか。

―自分の住んでいる町や国、多摩センターの縮図のようにも聞こえます(笑)。

:そこまで俯瞰した視点から、自分たちの生活とか国とか憲法のことを考えられたらいいな、と思っています。せっかく屋外でたくさんの人が行き交う場所で上演するのだから、風通しの良い感じの作品にしたい。架空の世界の住人たちが町作りをして、いざこざが起こる演劇だと思っていたら、じつは意外に自分たちの問題に近かった、くらいの距離感がいいですよね。

イベント情報
『多摩1キロフェス2015』

2015年9月19日(土)、9月20日(日)
会場:東京都 パルテノン多摩ほか
参加アーティスト:
ままごと
森山開次×ひびのこづえ×川瀬浩介
DE DE MOUSE
ホナガヨウコ
DJみそしるとMCごはん
おおはた雄一
栗コーダーカルテット
contact Gonzo×環ROY
KAORIalive(Memorable Moment)
東京ELECTROCK STAIRS
Baobab
川村美紀子
正安寺悠造(DACTparty)
鳥公園
劇団子供鉅人
水素74%
麦ふみクーツェ楽団(指揮:トクマルシューゴ)
ちんどんバンド☆ざくろ
くるくるシルク
張海輪
シルヴプレ
スイッチ総研
コンドルズ
しでかすおともだち
ニシハラ☆ノリオ
多摩市民ブラスバンド
友井隆之
市原幹也
山口真由子
東京パフォーマンスドール
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プロフィール
柴幸男 (しば ゆきお)

劇作家、演出家、「ままごと」主宰。「青年団」演出部所属。「急な坂スタジオ」レジデントアーティスト。2010年に『わが星』で『第54回岸田國士戯曲賞』を受賞。東京の劇場から北九州の船上まで、新劇から北海道の小学生との学芸会まで、場所や形態にとらわれない演劇活動を行う。2013年『瀬戸内国際芸術祭』より小豆島(香川県)での継続的な滞在制作を開始。島民や観光客を巻き込み、「その時、その場所で、その人たちとしかできない演劇」を創作上演している。2014年より『戯曲公開プロジェクト』を開始、劇団HPにて過去の戯曲を無料公開中。

DE DE MOUSE(ででまうす)

アシッドハウスからアーメンブレイク、ヒップホップからフュージョンまで、様々なキーワードをリンク、融合させ、新たな可能性を体現するエレクトロニック・シーンの異端児。ファッション、ゲーム、グラフィック等、あらゆるジャンルとのコラボレーションも積極的に行っている。自身のレーベル「not records」を始動。6月には3周年を記念してEPを2枚連続リリース。



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