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THE NOVEMBERSの発想をがらりと変えた、土屋昌巳による学び

THE NOVEMBERSの発想をがらりと変えた、土屋昌巳による学び

インタビュー・テキスト
小野島大
2015/10/07
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音楽に限らず、僕は「美」が一番執着するもの。(小林)

―ブランキーの頃と違って今はCDも売れないし、ロックバンドにとって決していい状況ではない。そんな中、THE NOVEMBERSはアルバムを作ることについてはどうお考えですか?

小林:そうですね……音楽に限らず、僕は「美」が一番執着するものであって。美しい音楽を聴いたりやったりする喜びが、生きている証であって、感動の源なんです。それを自分で作って自分で聴くだけで満足できるなら、たぶんCDを作ったりしない。でもこんなに美しいものがあるんだよって、みんなに聴かせたい。すごくシンプルな話なんです。自分が価値あると思う美しさを、空気の振動から見出して、それに人が価値を感じてくれるなら、対価を払って感動してもらいたいという気持ちがずっとあります。

小林祐介
小林祐介

―CDが売れず、アルバムを作る意味合いも変わっている中、土屋さんというプロフェッショナルなプロデューサーを立てて、きちんと作り込んだ作品を作る意義がそこにある。

土屋:それはバンドの姿勢だよね。バンドが存在する意義っていうか。レコーディング、つまり記録して残すという意味は大きいと思う。

―10年後20年後にそのアーティストを評価する手立てって、やっぱりレコード、CD、音源だと思うんですよ。その都度作品として記録し残すことで、バンドの歴史が残る。

小林:ファンの子は、THE NOVEMBERSの作品はものとして残すことに意味があると思ってくれていて、わざわざお金を払ってそれを手に入れることに価値を感じてくれてると思うんです。あるファンの子が、「お金を払わなくても音楽が聴けることはわかっているけど、価値を感じたものに対価を払うことの大切さをTHE NOVEMBERSから教えてもらって、お金の使い方が変わった」って手紙をくれたんですよね。価値を感じたものに、それに見合うお金を払って、それを自分で選んだってちゃんと言えることが、素敵な生き方だと思うようになったって。そういう関係をファンの子と築けたのは嬉しかったですね。

―ファンに恵まれてますね。

小林:いいファンがたくさんいると思います、僕らには。

土屋:バンドのレベルがファンのレベルなんだよね。

小林:おおお(笑)。

―それ、深く納得しました(笑)。

土屋:それは正論なんですよ。一目瞭然です。それは最終的に生き方の違いなんです。小林くんや、メンバー全員の誠意の表れでしょうね。音楽に対して誠意がなくなったらすべて終わりですよ。

どんなに絶望的な状況であっても、希望があれば歩いていける。音楽がそのきっかけになれれば最高なんだよね。(土屋)

―小林さんが、今回土屋さんとやったことで得た一番大きなものってなんですか?

小林:自信、ですかね。自分たちが未熟だと知ったことが自信に繋がったところがあって。10年やってきて作品もいっぱい作ってきて、壁にぶつかったり新鮮味を失ったりもしたんですけど、昌巳さんの言葉を聞いたり、できあがった作品を聴いて、自分たちが信じてきたもの、美しいと思ってきたものは間違ってなかったんだと確信しました。それに、自分たちの未熟さを痛感したことで、未来に向けての可能性が広がっていくような希望も感じたんです。10年やってきても、自分たちはこんなになにもできない、でもだからこそ、これから出会えるものや挑戦できることが山のようにあるって気づけました。

―自分たちはまだまだ伸びしろがあるぞと。

小林:まだ自分たちは未熟だし、厳しい状況ではあるけど、昌巳さんやエンジニアの方の助けで、こんなに美しい、胸を張れる作品が作れた。それがすごく誇らしいです。

―土屋さんはTHE NOVEMBERSとやってみて感じたことなどありますか?

土屋:縁があって、出会えて、それを記録として残すということに全力を傾けられた。すごくいい作品だと思うんですよ。最近夜中とかによく聴いてるんですけど、大丈夫だよこれ(笑)。

小林:いやあ……ありがたいです。

土屋:結局、希望なんだよね。レコーディング当日は観測史上に残るような暑さだったし、予算もない厳しい状況の中、なんでこんな大変な思いをして作っているかというと、やらずにはいられないから。音楽だけじゃない。なぜみんな無理して頑張ってるか。昨日あんな酷いことがあって(取材は安保法制成立の翌日)、おそらく今の状況は99%絶望なんだけど、最後に希望があるはず。どんなに絶望的な状況であっても、希望があれば歩いていける。それが神様が人間に与えた才能だと思う。音楽がそのきっかけになれれば最高なんだよね。

小林:そうですね。そういう作品が作れたと思います。

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リリース情報

THE NOVEMBERS『Elegance』(CD)
THE NOVEMBERS
『Elegance』(CD)

2015年10月7日(水)発売
価格:2,052円(税込)
MERZ / MERZ-0044

1. クララ
2. 心一つ持ちきれないまま
3. きれいな海へ
4. 裸のミンク
5. エメラルド
6. 出る傷を探す血

イベント情報

THE NOVEMBERS
『10th Anniversary TOUR - Honeymoon -』

2015年11月2日(月)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

出演:THE NOVEMBERS
2015年11月5日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 JANUS
出演:THE NOVEMBERS

2015年11月6日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都府 磔磔
出演:THE NOVEMBERS

2015年11月8日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:香川県 高松DIME
出演:
THE NOVEMBERS
cinema staff

THE NOVEMBERS×松江AZTiC canova presents
2015年11月10日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:島根県 松江 AZTIC canova
出演:
THE NOVEMBERS
cinema staff
Bird In A Cage(オープニングアクト)

2015年11月11日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:広島県 広島 CAVE-BE
出演:
THE NOVEMBERS
cinema staff

2015年11月13日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:福岡県 BEAT STATION
出演:THE NOVEMBERS

2015年11月15日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 池下UPSET
出演:THE NOVEMBERS

2015年11月19日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
出演:
THE NOVEMBERS
cinema staff

2015年11月20日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:石川県 金沢 van van V4
出演:
THE NOVEMBERS
cinema staff

2015年11月23日(月・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:宮城県 仙台 enn 2nd
出演:THE NOVEMBERS

2015年11月28日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:北海道 札幌 COLONY
出演:THE NOVEMBERS

リリース情報

KA.F.KA『Fantome Noir』(CD)
KA.F.KA
『Fantome Noir』(CD)

2015年5月9日(土)発売
価格:2,160円(税込)
Mazzy Bunny Records / MBRC-9901

1. Jack The Midnight
2. The Prisoner
3. 夜明け前~ Before the Dawn ~
4. Labiera Beladen
5. Silent Party
6. Coyote

プロフィール

THE NOVEMBERS(ざ のーべんばーず)

2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。小林祐介(Vo,Gt)はソロプロジェクト「Pale im Pelz」や、CHARA,yukihiro(L‘Arc~en~Ciel),Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO's bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画『ラブ&ピース』にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2015年10月7日にEP『Elegance』をリリース。

プロフィール

土屋昌巳(つちや まさみ)

静岡県富士市出身。1970年代からスタジオミュージシャンとして活動を開始、りりィのバックバンド「バイバイ・セッション・バンド」、大橋純子のバックバンド「美乃家セントラル・ステイション」を経て1978年に一風堂を結成し、1984年まで活動。イギリスのバンドJAPANのワールドツアーにサポートメンバーとして参加。それがきっかけで1985年には同じイギリスのバンドであるARCADIAのレコーディングにも参加している。1990年代はTHE WILLARD、BLANKEY JET CITY、マルコシアス・バンプのプロデュースを手掛ける。2013年6月より、Issay(DER ZIBET)、ウエノコウジ(the HIATUS、ex.TMGE)、宮上元克(ex.THE MAD CAPSULE MARKETS)、森岡賢 - (minus(-)、ex.ソフトバレエ)と共に、KA.F.KA.を結成。

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