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いまいち広がらない「ポエムコア」の伝道師BOOLにインタビュー

いまいち広がらない「ポエムコア」の伝道師BOOLにインタビュー

BOOL『OMOSHIRO DARKNESS』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

ポエムコアをダンスミュージックとして解釈したときに、「ラジオ体操」が一番合うと思ったんです。

―「おもちゃ箱」という言葉通り、アルバムには前作以上に多彩な曲が収録されていますが、どのあたりから作っていったのでしょうか?

BOOL:アルバムの軸になったのは、arai tasukuさんと作った“バナナくん”っていう長い曲です。「おもしろダークネス」という概念をイベントやライブでも実現したいと思って、今年から同タイトルのイベントを隔月でやってるんですけど、arai tasukuさんに出てもらったときに、一緒に新曲を作ろうという話になって。結果的に出来上がった曲が40分くらいの大作になってしまって、そのままアルバムに入れるとこの曲だけ強くなっちゃうから、前編と後半に分けて、流れの中で聴ける構成にしました。それを軸に、アルバムの流れを考えていったんです。

―“バナナくん”みたいな長いポエムを書くときは、何か影響源ってあるんですか?

BOOL:今回のアルバムに関してはあまりないですけど、一時期ポエムコアのネタとして、100円で売ってるような古本のエロライトノベルを大量に買ってたことがあります。エロライトノベルって、エロに持っていくために物語が破綻してたり、強引な設定があったりしておもしろいんです(笑)。

―“バナナくん”のような大作がある一方で、序盤の“闇ヲ走ル”とか“みみくん”“エロ本と俺”とかは、ポップな仕上がりになってますね。

BOOL:イベントをやり始めて、ライブ向けの曲が欲しくなったので、この辺の曲はポエムテープからではなく、トラック先行で作ってます。フロウはラップっぽいけど、内容はおもしろい、シリアスな口調なんだけど、大したことは言ってないっていう、そのバランスでポエムコアらしさを表現しました。

―つまり、このあたりの曲は「作業ミュージック」に「ダンスミュージック」の機能性も加わったと。なおかつ、THA BLUE HERBのILL-BOSSTINO(以下、BOSS)を彷彿とさせるシリアスさと、ポエムの内容との落差がすごい(笑)。

BOOL:THA BLUE HERBとかDJ KRUSHは大好きだし影響も受けているんですけど、やっぱりちゃんとラップをやるのは難しいし、BOSSの影響を受けてる人は他にもいっぱいいると思うから、自分なりに消化する必要はあって。なので僕は、BOSSと大槻ケンジとSuicide(1970年代にニューヨークで活動したニューウェーブのバンド)の3つを足したイメージで、これなら誰もやってないかなって。ストイックにもお笑いにもなり過ぎずっていう、そのバランスはいつも気にしながらやってます。

―そんな中で、“ポエムコア体操”はお笑い寄りというか、かなりシュールな世界観が繰り広げられてますね。

BOOL:これもまずタイトルを思いついて、ポエムコアをラジオ体操っぽい感じでやったら、絶対おもしろいだろうと。あと、ポエムコアをダンスミュージックとして解釈したときに、「体操」が一番合うと思ったんです。ただ、実際に曲にするのは一番時間がかかりました。最初はホントのラジオ体操みたいに、ピアノだけでやろうかなと思ってたんですけど、実際のラジオ体操の曲をちゃんと聴いてみると、テンポが変わったりとかすごい複雑で、めちゃくちゃ名曲なんです。これを自分でやるのは無理だと思ったんで、変態的なビートのアプローチに変えたっていう。

BOOL

―たしかに、ラジオ体操の曲ってかなりプログレッシヴですよね(笑)。

BOOL:そうなんですよ。イントロが終わって、体操が始まるところでいきなりテンポが落ちるっていう(笑)。国民的なダンスミュージックだけあって、あの名曲と対等なものを作るのは難しくて、逆に対極なアプローチをしたんですけど、結果的にイメージ通りのものができましたね。

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リリース情報

BOOL『OMOSHIRO DARKNESS』
BOOL
『OMOSHIRO DARKNESS』(CD)

2015年12月24日(木)発売
価格:2,073円(税込)
Virgin Babylon Records / VBR-028

1. Fried Chicken Yesterday
2. 闇ヲ走ル
3. みみくん
4. エロ本と俺
5. アイドルちゃん
6. バナナくん 前編
7. ギャルEYES
8. 鉄棒おじさん
9. ポエムコア体操
10. Under the Pylon
11. 夏の夜の思考
12. 盆栽
13. バナナくん 後編
14. The Panty Anthem

イベント情報

『おもしろダークネスvol.6 ~OMOSHIRO DARKNESSリリースパーティー~』

2016年1月10日(日)OPEN 17:00 / START 22:00
会場:東京都 西麻布 BULLET'S
ライブ・DJ:
BOOL feat. world's end girlfriend + VJ Yasuyuki Yoshida
arai tasuku feat. BOOL
mus.hiba
HiBiKi MaMeShiBa
kumorida
emeow(MEOW!!!)
春太郎
AMANDA
クイズ大会:
クイズくん a.k.a.泥団子食べ太郎
料金:2,000円(ドリンク付)

プロフィール

BOOL
BOOL(ぶーる)

world's end girlfriendの「ゆでちゃん」に参加し話題を呼んだポエムコアの創始者。1stアルバム『THIS IS POEMCORE』をVirgin Babylon Recordsより2014年10月11日発売。downyのギタリスト青木裕、world's end girlfriend、Go-qualia、食品まつり、DJ JET BARON a.k.a. 高野政所、hanali、canooooopyなど、豪華トラックメーカーを迎えている。2015年12月には2ndアルバム『OMOSHIRO DARKNESS』をリリース。

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