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音楽家という役割を引き受けた、Yogee New Waves角舘の決意

音楽家という役割を引き受けた、Yogee New Waves角舘の決意

Yogee New Waves『Sunset Town e.p.』
インタビュー・テキスト
小田部仁
撮影:小田部伶
2015/12/01
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「この1年は『愛の修行』でした」――角舘健悟、24歳、職業・音楽家。Yogee New Wavesのギターボーカルである彼は、この1年間をそう振り返った。

2014年9月にリリースした1stアルバム『PARAISO』が、「新たなる街の音楽=シティポップ」という文脈にがっちりとはまり、Yogee New Wavesは「次代の音楽シーンを担うアーティスト」であると高い評価を受けた。しかしながら、2015年はYogee New Wavesにとって決して順風満帆と言える1年ではなかった。5月にはギターの松田光弘が脱退。角舘以外のメンバーの就職も同じタイミングで重なり、11月には角舘が喉の病気を患いライブをキャンセルするなど、なかなか思う通りの活動ができず、バンドはフラストレーションを抱えていたという。

ようやく12月2日に『SUNSET TOWN e.p.』をリリース、次のステージへと一歩を踏み出す。フロントマンである角舘健悟はこの1年間、何を考え、何を信じたのか。人生の岐路で覚悟を決めた24歳の一人の男は「今、大人になりたい」と語った。

不安を抱くよりも、希望を語って問題解決をしないと前には進めないじゃないですか。

―角舘さんは、今、おいくつですか?

角舘:24になりました。2年前に大学を卒業して、大学院にも通ってたんですが、今は休学してます。

―美大に通われていたそうですが、何を勉強されていたんですか?

角舘:音楽を勉強していました。楽器とか楽典的なアプローチで勉強していたわけじゃなくて、サウンドインスタレーションとかを作ったりする学科だったんです。現代美術の観点からの音楽というか。スティーヴ・ライヒや池田亮司にハマってましたね。実際、現代美術家になろうと思ってたんですよ。

角舘健悟
角舘健悟

―そこから音楽家の道を選んだのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

角舘:元々、音楽に対してかなり諦めてたんですよね。音楽がカルチャーの中で認められてない気がして。でも、今の日本のインディーミュージックはすごくポップで完成されたものを提供している人たちがちゃんといることに気付いてから、「こんな世界があるんだったら、僕もやりたい」と思うようになったんです。

―新作『SUNSET TOWN e.p.』からは、ただ歌いたいことを好きなように歌うのではなく、音楽家としての責任を引き受けるような意思が感じられました。前回のアルバムをリリースしてからこの1年で精神的な状況は変わりましたか?

角舘:やっぱり僕が作ったYogee New Waves(以下、ヨギー)というバンドが軌道に乗り始めたことには希望を感じました。自分たちのやっていることが世の中に求められている状況がある。そこで、「やるの? やらないの?」って言われたら「やるしかねぇだろう」と。

―それって要は音楽と心中するようなものじゃないですか? もしこれが間違った選択だったらという恐怖はなかったですか?

角舘:ビビってましたよ。

―美大でも就職する人は、多かったはずだし。

角舘:そう、多かったです。

―その恐れを振り払えたのはなぜでしょう。

角舘:やっぱりビビったら負けだと思って。恐れというのは、前に進む力に対して摩擦を起こすというか、スピードを落としてしまう感情だから。将来に対する保証とか保険みたいなものは、あった方がそりゃいいです。「冷静に考えたら就職した方がいいだろう」とか「月収○○万円ぐらいないと結婚できねえ」とか、人ってどうしても考えちゃう。でも、周りの頑張ってるミュージシャンたちは振り切れちゃってるんですよね。みんなに求められている今だからこそ、そんなこと考えていたらもったいないかもなって思って。

角舘健悟

―たとえば、自分が芸術家として偽物だったらどうしようという不安はありませんでしたか?

角舘:ありますね。でもつい最近、映画監督の紀里谷和明さんのインタビュー(Spotlight掲載「『日本では内戦が起きてる』圧倒的な迫力に言葉を失った紀里谷和明氏インタビュー」)を読んで、救われたような気持ちになって。紀里谷さんは自分の作品というピュアなものを色んな人に知ってもらうために、何でもやるそうなんです。それにすごく共感して。僕が「自分が偽物かもしれない」という不安を抱えながらも頑張っている理由は、そこにあるんだと思います。自分が腹を括らないと、自分の作った曲がかわいそうというか。不安を抱くよりも、希望を語って問題解決をしないと前には進めないじゃないですか。

―くだらないことを考えている、あるいは不満をつぶやいている暇があったら前を向くことが大事だという結論にたどり着いたわけですね。

角舘:僕はきっと一度、いや、何回も負けてるんです。上手くいかなかったことがたくさんあった。その上にヨギーというものを立てて、ヨギーをやり始めてからも負けて……でも、負けた奴って強いと思うんですよ。負けることを知ってるから、負ければ負けるだけ、負けないための方法もわかってくる。

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リリース情報

Yogee New Waves『SUNSET TOWN e.p.』(CD)
Yogee New Waves
『SUNSET TOWN e.p.』(CD)

2015年12月2日(水)発売
価格:1,620円(税込)
Roman Label / BAYON PRODUCTION / ROMAN-003

1. Like Sixteen Candles
2. Sunset Town
3. Night is Coming
4. Lemon Tea
5. Sunset Town(Dorian remix)
※デジパック仕様、ポスター、セルフライナーノーツ封入

イベント情報

『WWW×BAYON COUNTDOWN 2016』

2015年12月31日(木)OPEN 20:30 / START 21:30
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
Yogee New Waves
never young beach
D.A.N.
EMCと思い出野郎
and more
ラウンジDJ:
マイケルJフォクス
and more
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

『Yogee New Waves presents Dreamin' Night 3』
2016年3月12日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 代官山 UNIT
出演:
Yogee New Waves
髭 (HiGE)
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

リリース情報

Yogee New WavesトートバッグL「RAKUEN BAG」
Yogee New Waves
トートバッグL「RAKUEN BAG」

新時代のクールなシティポップ感を落とし込んだステンシル風ビッグトート
価格:3,024円(税込)

プロフィール

Yogee New Waves
Yogee New Waves(よぎー にゅー うぇいぶす)

2013年6月、角舘健悟(Vo,Gt)と矢澤直紀(Ba)を中心に活動開始。楽曲制作に勤しむ。SUMMER SONICの『でれんのサマソニ2013』の最終選考に選出され、選考ライブがまさかのバンド初ライブとなる。9月には前田哲司(Dr)、松田光弘(Gt)が加入。2014年4月にデビューep『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCK FES'14』のRookie A Go Goに出演。9月には1stアルバム『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各媒体で多く取り上げられる。2015年は、『VIVA LA ROCK』『ROCK IN JAPAN』『BAYCAMP』『SWEET LOVE SHOWER』『りんご音楽祭』『ボロフェスタ』などの野外フェスに出演を果たす。2015年5月に松田が脱退し、現在は3人で活動中。

関連チケット情報

2017年12月1日(金)
Yogee New Waves
会場:LIQUIDROOM(東京都)
2017年12月3日(日)
Yogee New Waves
会場:output(沖縄県)
2017年12月28日(木)〜12月31日(日)
COUNTDOWN JAPAN 17/18
会場:幕張メッセ 国際展示場 1~11ホール・イベントホール(千葉県)
2018年1月21日(日)
ORIGINAL LOVE
会場:Zepp DiverCity(TOKYO)(東京都)

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