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ミツメの秘密基地に初潜入。組織から離れ、遊ぶように働く生き方

ミツメの秘密基地に初潜入。組織から離れ、遊ぶように働く生き方

ミツメ『A Long Day』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:飯嶋藍子
2016/06/08

<長い 長い 夏休みは 終わりそうで終わらないんだ>。今からちょうど20年前にリリースされたフィッシュマンズの名盤『空中キャンプ』に収録された“SLOW DAYS”の中で、佐藤伸治はこんな風に歌っている。もしかしたら、気の置けない友人関係をベースとしたミツメの活動の背景にあるのは、こんな感覚なのかもしれない。裏の空き地に自分たちだけの秘密基地を作って、自分たちだけのルールで世界と対峙するようなあの感覚。それをセンスと覚悟を持って維持し続けているからこそ、ミツメというバンドは特別なのだ。

フルアルバムとしては約2年半ぶりとなる新作『A Long Day』は、「四人でのバンド演奏」にこだわり、統一感のあるムードが上質なロードムービーを連想させる極上の一枚。アートワークおよびアーティスト写真の撮影はトヤマタクロウ、デザインは関山雄太など、これまでもミツメの作品に関わってきた人脈がしっかりと脇を固め、トータルで作品の世界観を作り上げている。今回の取材は彼らが年明けから使っているという倉庫兼作業場に初潜入し、その独自のバンド運営方法についてメンバー四人に話を訊いた。

何に関してもいつも見切り発車で、「まあ、やってみよう」ってことがよくあるバンドなんです。(須田)

―この倉庫はいつから使っているんですか?

川辺(Vo,Gt):今年のアタマからです。それまでは曲作りは僕の家とかでやって、バンドの機材を置くためだけの倉庫を借りていたんですけど、機材が増えてきて「もう限界だな」って。それで「倉庫と曲を作ったりする作業場を合体させた場所を作りたいね」って話になり、マネージャーの仲原(達彦)くんが担当してるfelicity(ミツメの作品の流通を行う音楽レーベル)の他のバンドの機材も置くことを前提に、ここを借りているんです。

左から:川辺素、須田洋次郎、nakayaan、大竹雅生
左から:川辺素、須田洋次郎、nakayaan、大竹雅生

ミツメの倉庫
ミツメの倉庫

―駅からは少し離れているとはいえ、恵比寿だし、家賃も安くはないですよね。

川辺:「最初ってこんなにかかるもんなのか!」って感じでした。

須田(Dr):ミツメは、何に関してもいつも見切り発車なんです。今回もこの倉庫が気に入って、とりあえず家賃もいけそうだし、「借りてみよう」ってことになったんですけど、いざ契約の段階で「頭金結構かかるな、どうしよう?」っていう(笑)。でも、長い目で見れば、自分たちが自由に使える場所はあった方がいいですし、今は徐々にものも増えてきて、便利な場所になってきました。

左から:須田洋次郎、nakayaan

―ミツメはレーベルに所属しているわけではなくて、ここの管理にしても、マネージャーや周りにいる人たちの協力はありつつも、基本的には自分たちでやっているわけですよね? なぜこのような、いわゆるDIYな活動方法を選んでいるのでしょうか?

川辺:レーベルに所属したことがないので、あくまで想像なんですけど、しっかりしたレーベルって、活動のやり方が最適化されていると思うんです。でも、それって会社側から見た最適化で、自分たちが力を入れたい部分とは、必ずしも合致しないと思う。多少無理をすることになっても自分たちがしっくりくる方法はあるじゃないですか。

―そのバランスを自分たちで見極めたかったんですね。

川辺:今まで何度かレーベルの方と、制作の雰囲気やタイム感を話すタイミングもあったんですけど、その時点では「自分たちでやった方がいいんじゃないか?」って思ったんですよね。ある程度こっちで舵を取った方が、イメージした活動を実現しやすいのかなって。

川辺素

―こういうことは、メンバー間で結構話し合うんですか?

須田:現実的になりすぎない程度に、ぼんやり話しますね。というのも、全部を計算すると、やりたい時にやりたいことができなくなっちゃうんじゃないかっていう共通認識があるからなんです。勢いもすごく大事なので、まずはやってみて、それが上手く進むように「じゃあ、どうしよう」って後から考えるのも、いい方法のひとつだと思います。僕たちは、わりとそういう風にやってきたバンドですね。

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リリース情報

ミツメ『A Long Day』
ミツメ
『A Long Day』(CD)

2016年6月8日(水)発売
価格:2,700円(税込)
PECF-1136 / mitsume-014

1. あこがれ
2. 天気予報
3. 忘れる
4. 真夜中
5. オブジェ
6. 船の上
7. 漂う船
8. キッズ
9. 霧の中
10. 幸せな話

ミツメ
『A Long Day』アナログ盤(LP)

2016年6月8日(水)発売
価格:3,240円(税込)
PEJF-91013 / mitsume-015

[SIDE-A]
1. あこがれ
2. 天気予報
3. 忘れる
4. 真夜中
5. オブジェ
6. 船の上
[SIDE-B]
1. 漂う船
2. キッズ
3. 霧の中
4. 幸せな話

プロフィール

ミツメ
ミツメ

2009年に結成された、東京都内を中心に活動するバンド。メンバーは川辺素(Vo,Gt)、大竹雅生(Gt,Syn)、須田洋次郎(Dr)、ナカヤーン(Ba)の4人。2010年よりライブ活動をスタートさせ、2011年8月にセルフタイトル作となる1stアルバム『mitsume』を発表。翌年9月の2ndアルバム『eye』と同時期にインドネシアツアーを開催。2014年の3rdアルバム『ささやき』を受けた東京・恵比寿LIQIODROOMでのワンマンライブも好評となる。2015年5月、4曲入りEP『めまい』をリリースし、2016年6月8日に4thアルバム『A LONG DAY』をリリースする。

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