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ただの若者ではない 疾走するNOT WONKが、新しい風を起こす

ただの若者ではない 疾走するNOT WONKが、新しい風を起こす

NOT WONK『This Ordinary』
インタビュー・テキスト
山元翔一(CINRA.NET編集部)
編集:柏井万作 撮影:田中一人 取材協力:器と珈琲 — 織部下北沢店

バンドって、個々がそれぞれの考え方でやっていても上手くいくものだと思う。(アキム)

―ここまでの話からも、NOT WONKの音楽には加藤さんのパーソナリティーが色濃く反映されていると言えますよね。そこをもう少し掘り下げてみたいんですが、加藤さんはこれまでのインタビューで「サッカー部が嫌い」と発言されてますよね? あれは何故ですか?

加藤:体育会系の部活をやっている人って、集団心理的なものが働くから、群れることですごく強気になるんですよ。そのなかでも特に、僕の周りにいたサッカー部は自己顕示欲が強くて、その集団にいるだけで自分が認められた存在であるかのような振る舞いをしていて。サッカーができるだけで、ちょっと学祭でバンド組んだらモテるし。なんか待遇がいいですよね。そこもすごく気に入らなくて。

―そういう経験が、加藤さんのパーソナリティーを形成していったんですね。

加藤:そうだと思いますね。僕はなるべく他人と違うことをしたいと思っているし、「一般的であること」とは真逆のスタンスなので。

―でも、なぜ加藤さんは「集団心理的なもの」に対する嫌悪があるのでしょうか?

加藤:地方ってヤンキーが多いんですけど、ああいう文化が嫌いっていうのが理由のひとつだと思います。特に体育会系の文化とヤンキー文化が交わると、素行の悪い奴らが群れて我が物顔で振る舞うから、手がつけられなくなるんですよね。僕は、そこに対して完全に交わらないわけでもなく、かといって仲がいいわけでもないっていうポジションを取っていて、だから、他人と違う生き方をするというのが自然と染みついたのかもしれません。

左から:アキム、加藤、フジ

―そういうどっちつかずな人間関係だと、学生時代は生きづらかったのではないでしょうか?

加藤:そういう状況で、「誰と一緒にいたいか?」「結局何が一番好きか?」っていうことに向き合ったとき、バンドが芯となり拠り所となったんです。バンドがなければ本当に寂しい人生だったと思うんですけど、バンドのおかげでダメージはなかった。

―そこで音楽に救われたんですね。

加藤:音楽はのめりこめるんですよ。僕は野球が好きで野球部に入ったんですけど、いつの間にかすごくつらくなってしまった。やりたくない気持ちが大きくなって、辞めたんです。でも、音楽はやればやるほど楽しかった。

―野球を辞めたのは、集団のなかの個であることを求められたからというのも原因としてありますか?

加藤:ああー、それはあるかもしれないですね。自分のパフォーマンスが、必ずしも「個」のためでなく、集団のために活かされる……でもスポーツってそういうものだから仕方ないですよね。

―なるほど。バンドの場合はいかがですか? アキムさんとフジさんのお話も訊かせてください。

アキム(Dr,Cho):バンドって、個々がそれぞれの考え方でやっていても上手くいくものだと思っていて。僕らはそれぞれが音楽に対して自分の答えを持っている感覚があるんですね。それに人間性ではなく音楽で集まっているから、バンドはいいんだと思う。

フジ(Ba,Cho):三人がそれぞれの考え方を持っていて、それが合わないからといって衝突するわけでもないですしね。

フジ

加藤:考え方の方向が違っても、芯の部分さえ一致していれば、バンドって成り立つんですよ。でもスポーツだとそうはいかなくて、だからこそ「勝利」っていう共通のゴールがあるんだけど、部活っていつの間にか、勝利ではなく練習自体がゴールになり始める。バンドの場合は、バンドである以前に「音楽」っていう大きなゴールのために集まっているから、全部楽しめるんです。そもそも音楽には、正解も勝ち負けもないですからね。

―バンドの場合は、「音楽」という自由な目的のもとに集まっているから、意見や考え方が違ってもひとつの方向に向かうことができる。バンドはユートピアとも言える自由な共同体なんでしょうね。

加藤:僕もそう思います。スポーツだとあからさまなヒエラルキーがあって、監督とかコーチとかっていう絶対的に逆らえない存在がいるわけじゃないですか。NOT WONKは僕が始めたバンドですけど上下関係は一切なくて。友達でも、仲間でもない、変な集合体だと思うんですよね、バンドって。

チンピラみたいな格好をするのがパンクというのなら、僕はパンクじゃなくていい。でもそういうことじゃないって信じているからこそ、「パンク」は憧れの存在なんです。(加藤)

―集団に埋没することなく自分の価値観で物事を判断・選択し、「個」を貫く姿勢は「パンク」的だと言うこともできると思います。ここで改めて訊きたいんですけど、NOT WONKはパンクバンドなのでしょうか?

加藤:パンクは好きです。好きだし憧れだからずっと追いかけている存在。もともとの「パンク」って、政権や社会の形とかに対するアンチテーゼであり、カウンターだったわけじゃないですか? 僕も別にノンポリじゃないので、もちろん今も経済的にも追い詰められていて、助けが必要な人はたくさんいると思いますし、きっと何かのタイミングや少しの行き違いで戦争が起こる可能性もあると思うんです。でも僕を含め今の日本でバンドをやれているような人は、本当に差し迫っている人からしたら自由に使える時間にもお金にも余裕があると思うんです。

加藤

―そうですね、おっしゃる通りだと思います。

加藤:それか自分がもしかしたらそんな戦争や経済的な困窮に差し迫っていることに気付けていないのかもしれない。僕は自分が色んなことに対する知識が足りないことも、まだ全然何も知らないこともわかっているので自分たちのことを「パンクバンド」とは言えないです。そもそも僕ら程度のバンドが「パンク」について大袈裟に語るのは本当に浅はかで危険なんですよ。もちろんパンクは本当に大好きですけど。

―確かに、言葉の意味を考えずに一口に振りかざすには「パンク」という言葉は乱暴ですね。たとえば、GREEN DAYのビリー・ジョー・アームストロングがゴミ箱を蹴飛ばして「これがパンクだ」と言ったときに、それを真似してゴミ箱を蹴った人の「これがパンクってことか?」という質問に、「いやそれは流行だ」と話したっていう逸話があるじゃないですか?

加藤:ゴミ箱を蹴ること自体はパンクな行為ではないし、人に迷惑をかけているだけですよね。そういう人に迷惑をかけることや、チンピラみたいな格好をするのがパンクというのなら、僕はパンクじゃなくていい。でもそういうことじゃないって信じているからこそ、「パンク」は憧れの存在なんです。

1stアルバム『Laughing Nerds And A Wallflower』より

―「パンク」は何かに対するアンチテーゼでもある、とおっしゃいましたけど、NOT WONKはメインストリームの音楽に対してカウンターの意識はありますか?

加藤:それはありますね。売れているバンドでかっこよくないと思うバンドって多いんですけど、どう聴いても彼らを好きになれなくて。メインかどうかという話より、音楽的な面でメインストリームのバンドが気に食わないから、そのこと自体に対するカウンターです。メインのものが気に入ればそれはそれでいいと思う。でも、どう考えても気に食わないんで。

アキム:まあ気に食わないバンドはいますけど、眼中じゃない。

アキム

加藤:音楽は、セールス基準で評価されるべきではないと思うし、僕自身、偉いライターの人が推しているからって好きになれるほど純粋ではないんです。自分が聴いたときに「いい」と思うかが全てだと思う。

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リリース情報

NOT WONK『This Ordinary』
NOT WONK
『This Ordinary』(CD)

2016年6月15日(水)発売
価格:2,160円(税込)
KiliKiliVilla / KKV-029

1. Unsad
2. On This Avenue
3. Don't Get Me Wrong
4. Everything Flows
5. Boycott
6. Older Odor
7. This Ordinary
8. Satisfied
9. Golden Age
10. Like In The Cave
11. I Give You As You Gave Me
12. Worthwhile

イベント情報

NOT WONK
『「This Ordinary」リリースツアー』

2016年7月16日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
NOT WONK
GEZAN
JIV

2016年7月17日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:愛知県 名古屋 CLUB R&R
出演:
NOT WONK
KONCOS
odd eyes

2016年7月18日(月・祝)OPEN 12:00 / START 12:30
会場:大阪府 心斎橋 Pangea
出演:
NOT WONK
メシアと人人

料金:各公演 前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

アイテム情報

Tシャツ「NOT WONK YATS」(ホワイト)
Tシャツ「NOT WONK YATS」(ホワイト)

メンバーのパーソナルな部分に触れられるビジュアルを使用
価格:3,240円(税込)

iPhone6/6Sケース「NOT WONK」(ブラック)
iPhone6/6Sケース「NOT WONK」(ブラック)

スタイリッシュなロゴが映えるベーシックな色使い
価格:3,780円(税込)

トートバッグL「NOT WONK」(ブラック)
トートバッグL「NOT WONK」(ブラック)

スタイリッシュなロゴが映えるベーシックな色使い
価格:3,240円(税込)

プロフィール

NOT WONK
NOT WONK(のっと うぉんく)

1994~95年生まれ、北海道苫小牧在住。2015年5月、平均年齢20歳のトリオがリリースしたデビュー・アルバム『Laughing Nerds And A Wallflower』は無名の新人として驚異的なセールスを記録。2015年の夏以降、福岡から札幌まで全国各地をツアー、THE FULL TEENZとのスプリット7インチのリリース、USインディーバンド・Literatureとの共演など、様々なステージでオーディエンスを巻き込みながら前進中。

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