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SCREEN modeが話す、極端に近親交配が進むアニソン業界の危機

SCREEN modeが話す、極端に近親交配が進むアニソン業界の危機

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:矢島由佳子
2016/07/27

今、アニソンの世界で起こっている地殻変動――それは、もはやアニソンという範疇を超えて、この国のポップミュージックの在り方に変化をもたらそうとする動きだと言えるだろう。たとえば、アルバム毎に明確なコンセプトを描きながら、1990年代的な理想主義を復活させようとするfhána。あるいは、「オルタナティブ」という言葉に、音の革新性と真の意味でのエモーションを取り戻そうとするMYTH & ROID。今、彼らの一挙手一投足が本当に刺激的だ。

そして、田村ゆかり、三森すずこを始めとする数々のアーティストの楽曲制作やプロデュースを手掛けてきた雅友(太田雅友)と、子役としてキャリアをスタートさせ、声優としても活動する勇-YOU-(林勇)によるユニット「SCREEN mode」もまた、彼らに並ぶ刺激的なアニソンアクトのひとつだ。その証拠に、『食戟のソーマ 弐ノ皿』の主題歌である新曲“ROUGH DIAMONDS”を聴いてほしい。ここには、音楽があらゆる人々の暮らしの中に刺激と興奮を与えていた幸福な時代のポップスへの憧憬を感じることができる。まるで失われた何かを取り戻すように発光する、この音の奥には何があるのか――雅友と勇-YOU-に話を聞いた。

2000年代以降にJ-POPが失速していったのと同じ道を、今のアニソンは辿っているような気がするんです。(雅友)

―最近、fhánaやMYTH & ROIDなどの動きを見ていると、「アニソン」という文化の中にも新しい動きが起こっている印象を受けるんです。SCREEN modeは、「アニソン」に対してどんな距離感を持っていますか?

雅友(Gt):最近の「アニソン」という言葉に関しては、思うことがひとつあって。たとえば、「洋楽っぽい」という言い方が世の中にはありますよね。でも、それってすごく曖昧じゃないですか。洋楽にはメタルもあればブルースもあるし、ジャズもあるし、クラシックだってある。最近、「アニソンっぽい」っていう言い方をされることがあるんだけど、それも一緒だと思うんですよ。

―すごく漠然とした概念ということですよね。

雅友:そう。“ROUGH DIAMONDS”に関しても、プロデューサーに「熱っぽいアニソンがいいんじゃない?」って言われたんですけど(笑)、曖昧なんですよね。ただ、それに対して、僕が作曲家として、すごく変わった曲を書いたとしますよね。そうすると、「これは今のユーザーが求めていないものだ」と言われてしまうんです。

最近のアニソンって、多くはどういう作られ方をしているかというと、参考曲がアニソンなんですよ。アニソンの元ネタが、半年~1年前に流行ったアニソンなんです。つまり今、アニソン業界は近親交配が極端に進んでいる。ガラパゴス化が進行しているというか……同じところばかり抽出し合っているので、中性化して、均一化しているんです。

SCREEN mode、左から:勇-YOU-、雅友
SCREEN mode、左から:勇-YOU-、雅友

―この10年間ぐらいで、放送されるアニメの本数も多くなったし、アニソンもひとつの大きなマーケットを形成するようになりましたよね。単純に「アニメで使われている曲だ」という以上の独立の仕方をするようになった。でも、それが進んだからからこその閉塞感が生まれているんですね。

雅友:2000年代以降にJ-POPが失速していったのと同じ道を、今のアニソンは辿っているような気がするんです。いいんですけどね、マーケティングの成れの果てのような音楽がいっぱいあっても。でも、全部一緒だったら世の中面白くないし、みんなと同じことは、わざわざ僕らがやることではないから。

僕は、勇とあくまで「声優」としてではなく「シンガー」として出会っているし、そんな僕らが二人でやっている「音楽ユニット」がSCREEN modeなんです。中和された今のアニソンの世界に飛び込むことは、僕らである必然性がなくなるっていうことだから。僕らは、あくまでも独立国家でいたいんですよね。

―概念としての「アニソン」を量産する機械のような存在ではなくて、あくまでも音楽家としての関わり方を、アニソンに対してしていきたい、と。

雅友:そう。今までの“極限Dreamer”や“Naked Dive”もそうなんですけど、今回の“ROUGH DIAMONDS”は特に、最近流行っているアニソンの要素を使わずに、誰が聴いても「アニソンだね」って思われるようなものを作れたら勝ちだなって思いました。既存のテクスチャーを使わないことで、独自性を担保する……そういう先鋭化された意識のもとで曲を書ければいいなと思っていて。そういう意味では、「アニメソングの再定義」とも言えると思うんですけど。

―“ROUGH DIAMONDS”は、アニメ主題歌にふさわしい疾走感のある曲ですけど、このアグレッシブな音像の中にリリカルなピアノが聴こえてくる感覚が新鮮ですよね。それに、初回限定盤に収録される“雨のち晴れ”も、ジャズやソウルの影響を感じさせる、深みのあるポップスで。どちらにも、50~70年代くらいに栄えた豊潤な音楽性が昇華されているなと思いました。

雅友:マーケティングに頼らず、流行を参考にしない作り方をしようと思うと、結局、自分と向き合うことになるんです。ソースをどこに求めるかというと、それは「自分」だから。そうなると、自ずと自分の中のルーツが出てくるんだと思います。チープな言い方だけど、それが「自分らしさ」に繋がっていくと思うし。

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リリース情報

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』DVD付盤
SCREEN mode
『ROUGH DIAMONDS』DVD付盤(CD+DVD)

2016年7月27日(水)発売
価格:1,944円(税込)
LACM-14524

[CD]
1. ROUGH DIAMONDS
2. 雨のち晴れ
3. IMPACT
4. ROUGH DIAMONDS(off vocal)
[DVD]
ROUGH DIAMONDS -Music Video-(Full size)

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』アニメジャケット盤
SCREEN mode
『ROUGH DIAMONDS』アニメジャケット盤(CD)

2016年7月27日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14525

1. ROUGH DIAMONDS
2. IMPACT

イベント情報

『SCREEN mode LIVE TOUR 2016 Autumn』

2016年11月19日(土)
会場:大阪府 umeda AKASO

2016年12月3日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST

プロフィール

SCREEN mode
SCREEN mode(すくりーん もーど)

勇-YOU-(声優「林勇」)と、雅友(サウンドプロデューサー「太田雅友」)によるユニット「SCREEN mode」。2013年結成。ユニット名の「SCREEN mode」には、勇-YOU-のボーカルと雅友の楽曲が混ざり合うことによって生まれた音の「SCREEN」を、様々な「mode」に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたいという想いが込められている。勇-YOU-の圧倒的な歌唱力、そして雅友の確かなプロデュースワークから生み出されるサウンドは、時に感情的に、時に色彩的に、聴き手の心情とリンクして真っ白なスクリーンに情景を描く。

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