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暴かれたネットの理想と現実。細分化された個を繋ぐfhánaの挑戦

暴かれたネットの理想と現実。細分化された個を繋ぐfhánaの挑戦

fhána『calling』
インタビュー・テキスト
金子厚武
編集:山元翔一
2016/08/08

4月にセカンドアルバム『What a Wonderful World Line』を発表し、リリースツアーをワンマンとしては過去最大キャパとなるZepp DiverCityで終えたfhána。彼らから、早くも通算9枚目、アニメ『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のエンディグテーマとなっているニューシングル『calling』が到着した。2013年8月のデビュー以来、3年間でたくさんのアニソンを手掛けつつ、あくまで「いちアーティストとしてのfhána」であることもアピールしながら、ここまで駆け上がってきた四人の物語はまだまだ続いていく。

振り返ってみると、そもそもfhánaは、バンドシーンに属しながらも、いち早くネットでの楽曲発表を行ってきた佐藤純一を中心に、ニコニコ動画でボカロPとしても活動してきたyuxuki waga、ネットレーベルから作品を発表してきたkevin mitsunagaの「ネット3世代」で結成されている。つまり、インターネットが異なる世代や活動場所を「繋げた」からこそ誕生した存在だったわけだ。しかし、それから数年が経過し、もはや「インターネットをやっている」という感覚すらなくなるほどにネットが浸透した現代において、「繋げる」はずのツールに反作用が起こっているように思われる。そう、今こそfhánaの存在意義が改めて問われる時代であり、彼らを通じて多様性が肯定されたときこそ、本当の意味で「アーティストとしてのfhána」が誕生する瞬間なのだと言えるかもしれない。

対バンのライブにしても、自分の観たいアーティストだけ観て帰る人が増えているらしくて、そういう方向に進むのはホントよくないと思うんですよ。(yuxuki)

―今回はデビュー3周年というタイミングでもあるので、少し昔を振り返りつつ話せればと思います。そもそもfhánaは「ネット3世代」で結成されていて、デビューした2013年にはtofubeatsや米津玄師もメジャーデビューをしていたり、「ネット発」という動きを象徴した年だったように思います。ただ、この年をピークに「ネット発」は普通になっていき、今ではわざわざ「ネット発」という言い方をすることもなくなりました。そんな3年間の変化をどう見ているのかをお伺いしたくて。たとえば、yuxukiくんは今のニコ動周辺をどんなふうに見ているのでしょうか?

yuxuki(Gt):正直、新しいことをやっている感じはしないというか、どっちかというと、その場所が崩れないように守っているように見えるんですよね。自分たちがいなくなったらホントに崩れてしまうから、何とかして活気を保っている。

ただ、僕がこの3年間で変わったと思うのはリスナーの方で。音楽の聴き方が変わって、「今の若者は何故お金払わないのか」って話ですよね。逆に言えば、それだけYouTubeとか、もしくはよくわかんない無料のアプリで音楽を聴くのが当たり前になったってことだと思うんですけど。

yuxuki
yuxuki

―確かに、その変化は大きいですね。

yuxuki:定額制の配信サービスでも、月額980円を高いと感じる学生がいっぱいいるっていう事実にはすごい危機感を覚えます。自分の感覚だと、シングル1枚1,000円、アルバム1枚3,000円だから、シングル1枚分の料金でたくさん曲が聴けるなんて魅力的だなって思うけど、現代人の感覚だと、自分の知らない曲には興味ないし、むしろ聴きたくないくらいの意識になっていて。それはどうしたものかなって思いますよね。

たとえば、対バンのライブにしても、自分の観たいアーティストだけ観て帰る人が増えているらしくて、そういう方向に進むのはホントよくないと思うんですけど、3年前の方がみんな今よりちゃんと音楽に興味があったような気がするんですよね。

fhána
fhána

佐藤(Key,Cho):音楽だけじゃなくて、コンテンツの価値が相対的に下がっていますよね。何でもネットで見れたり聴けたりすると、そこにお金を払うのが馬鹿馬鹿しくなる。それって「理想と現実は違った」みたいな話で、「インターネットで世界が繋がって、みんなが平等になったらいいことがある」っていう理想があったわけですけど、今はその弊害が出てきているわけですよね。

音楽の話で言うと、「ネットで何でも聴けるようになったら、みんながいろんな音楽に興味を持つ」っていう理想があったけど、実際はそうはならなくなった。逆に自分の好みの狭いところにいってしまって、繋がらなくなってしまったっていうことですよね。

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リリース情報

fhána『calling』アーティスト盤
fhána
『calling』アーティスト盤(CD)

2016年8月3日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14509

1. calling
2. アネモネの花
3. calling -Instrumental-
4. アネモネの花 -Instrumental-

fhána『calling』アニメ盤
fhána
『calling』アニメ盤(CD)

2016年8月3日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14510

1. calling
2. Relief (Japanese Ver.)
3. calling -Instrumental-
4. Relief (Japanese Ver.) -Instrumental-

プロフィール

fhána
fhána(ふぁな)

佐藤純一(FLEET)+yuxuki waga(s10rw)+kevin mitsunaga(Leggysalad)のインターネット3世代によるサウンドプロデューサーと、ボーカリストのtowanaによるユニット。2013年夏、TVアニメ『有頂天家族』のED主題歌『ケセラセラ』でメジャーデビュー。これまでに8枚のシングルをリリースしており、その表題曲のすべてがテレビアニメのタイアップを獲得している。そして9枚目となるニューシングル『calling』は、TVアニメ『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のEDテーマとなっており、9作品連続でのタイアップ獲得を果たし、注目を集めている。

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