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再出発するTAMTAMに、時代は味方する。移籍を経た2年間を語る

再出発するTAMTAMに、時代は味方する。移籍を経た2年間を語る

TAMTAM『NEWPOESY』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:山元翔一 編集:山元翔一・柏井万作
2016/09/14

リスタートしたこの現状を「NEWPOESY」って言ったら、かっこいいなって。(クロ)

―歌詞に関しては、クロさんの中で何か意識の変化がありましたか?

クロ:途中でも言ったように、前に比べると曲のシリアスさが抜けて、リラクシンなムードになったので、自分にとってもカジュアルな、身近な感じになって、言いたいことが言いやすくなった気がします。あと、前はいい詩とか小説とかをお手本にしちゃっていたというか、「正しさを求める」みたいな感じがあったんですけど、拙くても自分のボキャブラリーで作るようになったのは大きな変化ですね。

―確かに、日常感が増したし、ラスト3曲はすごくドラマチックで、ストーリー性が感じられました。“星雲ヒッチハイク”の歌詞は<いつの日か目が覚めて始めよう、違う未来>というラインで終わっていて、「リスタート感」がありますが、これはどういった背景から生まれた歌詞なのでしょうか?

クロ:これはそれこそ2年前に書いた曲なので、まだ具体的に影響を受けた作品があったんです。『老年期の終り』っていう藤子・F・不二雄のSF短編なんですけど、主人公が冷凍睡眠で6千年かけて銀河の中央に行くみたいな話で、でも目覚めたら人類の進化は終わっていて、「俺は何もかも捨ててきたのに、人類はこのありさまか」って絶望するんですよ。でも最終的には、そこからもう6千年かけてどこかに向かって、その後どうなったかはわからないんだけど、その惑星に残った爺さんが音楽をかけて終わるっていう美しい話で。

クロ

―希望があるかもしれない違う未来の余韻を残して終わると。

クロ:なので、そのテーマソングみたいなつもりで書きました。やっぱり、こういう話が好きなんですよね。途中の生演奏の話にも通じると思うんですけど、人間の最終的にしょぼいとことか、ちょっと粗が出たり、きちっと整理されたものじゃない、そういうのが好きなんだなって思います。

―確かに、最初に話した「面白いものを作る」っていうのは、そういう未整理で、人間味が出てるものだって言い換えることができるかもしれないですね。では、『NEWPOESY』というタイトルは、どうやってつけられたものなのでしょう?

クロ:古本屋さんで辻仁成とかが編集してる雑誌をパラパラ見てたら、「荒野の向こうにポエジーがある」っていうコンセプトが書いてあって、それって“星雲ヒッチハイク”の歌詞ともリンクするなって思ったんです。私たちの現状を「荒野」って言うとネガティブに聞こえるかもしれないけど、そういうことではなくて、結果的に環境はガラッと変わったし、リスタートしたこの現状を「NEWPOESY」って言ったら、かっこいいなって。

―なるほど。

クロ:もともとは、“星雲ヒッチハイク”をアルバムタイトルにしようかと思ってたんです。最後に老人が音楽を流すところって、惑星は終わっていくんだけど、人類的には未来しかないように見えて、「まさにポエジー!」って思ったし(笑)、最近あんまり聞かない単語を冠につければ、アルバム自体が瑞々しい感じになるかなって。

―うん、すごく瑞々しいし、荒野からの素晴らしいリスタートになったと思います。

アフィ:まあ、自分たちとしてはもうリスタートし終わってる感じなんですけど(笑)。でも、実際今バンドはすごくいい感じで、「変わったな」っていうのは自分たちでも思ってるんで、改めて「こんにちは」って感じなのかなっていうのは思いますね。

左から:クロ、高橋アフィ

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リリース情報

TAMTAM『NEWPOESY』
TAMTAM
『NEWPOESY』(CD)

2016年9月14日(水)発売
価格:2,592円(税込)
PCD-24536

1. アンブレラ
2. コーヒーピープル
3. CANADA
4. インディゴ16'
5. カルテ
6. sweetcigarettes
7. greedcity -the theme of lisa-
8. 星雲ヒッチハイク
9. newpoesy
10. 自転車ジェット

イベント情報

『TAMTAM "NEWPOESY" Release Tour』

2016年9月21日(水)
会場:長野県 松本 ALECX
出演:
TAMTAM
Healthy Dynamite Club
パーティーグッズ

2016年10月2日(日)
会場:茨城県 古河 SPIDER
出演:
TAMTAM
MAGIC FEELING
A Month of Sundays
Vulpes Vulpes Schrencki
DJ:Shower of Music

2016年10月22日(土)
会場:大阪府 南堀江 socorefactory
出演:
TAMTAM
キツネの嫁入り
The sankhwa
and more

2016年11月4日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
TAMTAM
Tempalay
DyyPRIDE(SIMI LAB)

プロフィール

TAMTAM
TAMTAM(たむたむ)

2008年結成、東京を中心に活動するオルタナティヴバンド。メンバーは、クロ(Vocal、Trumpet、Synthesizer)、高橋アフィ(Drums、Programming)、ともみん(Keyboard、Chorus)、ユースケ(Guitar)。紅一点クロの透明感のあるしなやかな歌声を中心に、レゲエ / ダブを土台にし培った、バリエーション豊かに刻む骨太なリディムセクション。全体のカラーを決定づけるギターに、彩りを与えるメロウなキーボード、ときに祝祭的なブラス・サウンドが幅広い音楽性を与えている。

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