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flumpoolが明かす、華々しいデビューの裏で抱えていた「挫折感」

flumpoolが明かす、華々しいデビューの裏で抱えていた「挫折感」

ソニー「MDR-1000X」
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

「バンドがなくなっちゃうんじゃないかな」って、存続の危機をリアルに感じたことがありました。

―2010年には、山村さんの喉のポリープ摘出手術もありました。

山村:そうでしたね。しかも当時はメンバー同士もバラバラで、四人でなにかを乗り越えていこうという意識が希薄になっていた時期で。バンドを続けていく上で難しいのは、メンバーとの関係性だと思うんですけど、僕らは周りのスタッフに恵まれすぎていたおかげで、その居心地のよさに甘えて四人で膝を突き合わせて話し合うことをほとんどしてこなかった。幼稚園からの幼馴染で結成したバンドなのに、気がついたら気持ちがすごく離れてしまっていたんですよね。だからポリープができたときも、「四人で乗り越えた」という感じがしなかったんです。

―過去のインタビューで、「バンド解散の一歩手前までいった」と話していましたね。

山村:ええ。「やめたい」と言い出すメンバーもいたし。結成5周年くらいのときに、そういうのが色々重なって。5年もやると、ある程度物事の全体が見えてくるし、メンバーそれぞれの自我も芽生えてくる。 さらにバンドの方向性に関して、事務所とも意見の食い違いがあって……「バンドがなくなっちゃうんじゃないかな」って、存続の危機をリアルに感じたことがありました。そこでようやく、四人でちゃんと話し合うことができたんです。

山村隆太

―そうした5周年目の危機を乗り越えたあと、2014年にリリースした“明日への賛歌”は、バンドにとってどういう曲だといえますか?

山村:“明日への賛歌”は、まさに僕らメンバーの関係性を書いた歌で、この歌ができたのは大きかったです。ここでバンドが大きく変わったような気がしますね。今ライブでやっていても、作ったときのことを思い出して一番グッとくるのはこの曲かな。

―こうやって実際にバンドとしての歩みを聞いたあとに、<大人だって 挫折と反省の その繰り返し>とか<喧嘩一つできないまま 慣れ合っていた>という歌詞を見ると、いかに当時の心情や状況がリアルに歌われているかがわかりますね。

山村:一度大きな壁を乗り越えると、その達成感も覚えるし、「いざとなったらできるもんなんやな」っていう自信にも繋がりました。メンバーそれぞれが歳を重ねていくなかで、いかにお互いの成長を糧にしていけるかというのは、今もずっと考えていることですね。

外の世界へと手を差し伸べてくれるような音楽を、もう一度自分たちの手で作りたかった。

―歳を重ねることでいちばん成長できた部分って、なんだと思いますか?

山村:器用になったなと思います。あと最近は、「昔」と「今」と「未来」というのが、すごくハッキリしてきた気がします。地元の友達とかに会ったとき、昔はもっと今の仕事の話をしていた気がするんですけど、それより「あのとき楽しかったな」とか「あのときこんなことがあったな」とか、過去の話が増えてきて。過去を選んで生きるのか、別の未来を選んで生きるのかを、すごく迫られている気がするんですよね。20代のときは、こんな思いはまったくなかった。

―20代の頃は「未来」だけを思っていても、30代になると背負うものも増えてきますしね。

山村:どうやっても上手くいかないこととか、現実的に不可能なことはなにかとかが見えてきますしね。それを受け入れられるようになったのは、「器用になった」とも言えるのだと思うし。でも、そこはずっと不器用でいたかったという気持ちもあるし……その思いをどう背負っていくかですよね。

山村隆太

―その思いは歌にも表れていると言えますか?

山村:今年出したアルバム『EGG』の中身は、まさに今の自分たちを物語っているなと思います。大切にしなきゃいけないものも、捨てなきゃいけないものもあるなかで、それらとどう対峙していくのか。それをどう伝えていくかが大切なんだと今は思っていて。『EGG』は、過去の郷愁と、「いや、俺たちは丸くならねえぞ!」という青さ、その両方が入っていて、僕たちの心、人間の心そのままのようなアルバムだと思います。

―サウンド的にも、突き抜けるようなメロディーのものや、かなりエッジの効いたものまで、そのコントラストがかなり攻めているなという印象です。

山村:生まれ育った街を思いながら書いた曲もあるし、すごく優しいこともやっているけど、いきなり“夜は眠れるかい?”みたいな攻めまくった曲もある(笑)。でもそれが、まさに自分たちの今の心境なんですよね。

―そういう葛藤というか、自信とゆらぎの振り幅が、flumpoolの音楽性にダイナミズムを生み出しているのかもしれないですね。11月には、新曲“FREE YOUR MIND”がリリースされます。

山村:アップテンポで勢いのある楽曲に仕上がりました。EDMの要素を取り入れるのは『EGG』でも挑戦したのですが、EDMの性質には人を巻き込んでいくような強さがあるじゃないですか。ここ最近、自分の考え方や価値観がどんどん固定されていっている気がしていて。ついつい内側へ向かっていって、そのなかでもがいている自分を、音楽の力で引っ張り出したかったんですよね。外の世界へと手を差し伸べてくれるような音楽を、もう一度自分たちの手で作りたかった。

―タイトルの“FREE YOUR MIND”は、「自分を自由にしてくれる音楽」という意味なのですね。

山村:そうですね。地元にいれば「地元のスター」みたいな扱いをしてもらえるけど、東京に来たら人がいっぱいいるし、「自分たちって本当にちっぽけな存在だな」って痛感させられるときが今でもたくさんあって。

でもそんななかで、音楽というのは僕にとって戦う武器でもあるし、いろんな世界へ連れて行ってくれる翼のようなものでもある。これからの未来を教えてくれる地図のような気もするし。自分がまだ見たことのない新しい世界へと解放してくれる力が、音楽にはあると思いますね。

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ウェブサイト情報

MDR-1000X flumpool 山村隆太 体験インタビュー
The Headphones Park

flumpoolが選ぶ、ハイレゾでこそ聴いてほしい楽曲と、デビューから8年の紆余曲折を経て完成させた最新アルバム『EGG』の音作りに関して、インタビュー記事掲載中

製品情報

『MDR-1000X』
『MDR-1000X』

2016年10月29日(土)発売予定
価格:オープン価格

リリース情報

flumpool『FREE YOUR MIND』初回限定盤
flumpool
『FREE YOUR MIND』初回限定盤(CD+DVD)

2016年11月2日(水)発売
価格:2,160円(税込)
AZCS-55

[CD]
1. FREE YOUR MIND
2. ムーンライト・トリップ
3. labo(live at FM802 MEET THE WORLD BEAT 2016)
4. Blue Apple & Red Banana(live at SWEET LOVE SHOWER 2016)
[DVD]
『flumpool 7th tour 2016「WHAT ABOUT EGGS?」』at 東京国際フォーラム Special Selection
LIVE OPENING
1. 解放区
2. Sprechchor
3. DILEMMA
4. 絶体絶命!!!
5. 産声
6. 夜は眠れるかい?
7. Blue Apple & Red Banana
8. Hydrangea
9. World beats
10. 花になれ

flumpool『FREE YOUR MIND』通常盤
flumpool
『FREE YOUR MIND』通常盤(CD)

2016年11月2日(水)発売
価格:1,296円(税込)
AZCS-2057

1. FREE YOUR MIND
2. ムーンライト・トリップ
3. labo(live at FM802 MEET THE WORLD BEAT 2016)
4. Blue Apple & Red Banana(live at SWEET LOVE SHOWER 2016)

イベント情報

flumpool
『flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」~シロテン・フィールズ・フォーエバー~』

2016年12月31日(土)
会場:大阪府 大阪城ホール

プロフィール

flumpool
flumpool(ふらんぷーる)

山村隆太(Vo)、阪井一生(Gt)、尼川元気(Ba)、小倉誠司(Dr)の4人組バンド。2008年、DOWNLOADシングル『花になれ』でデビュー。10日間で100万DLを突破するなど大きな話題となり、デビュータイミングにその名を全国に響き渡らせた。2014年には10万人動員の全国ツアー、2015年には大阪で初の単独野外ライブ、年末には横浜アリーナで単独カウントダウンライブを行う。2016年3月にアルバム『EGG』をリリース。4月からは14都市22公演の全国ツアー『flumpool 7th tour 2016「WHAT ABOUT EGGS?」』を開催、7月には台湾とシンガポールでの公演も。2016年11月2日に、ニューシングル『FREE YOUR MIND』をリリースし、12月31日には故郷・大阪では初となる単独カウントダウンライブを開催する。

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