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THE NOVEMBERSが勝負の時 成功を求めるまでの10年には何が?

THE NOVEMBERSが勝負の時 成功を求めるまでの10年には何が?

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
金子厚武
編集:矢島由佳子、柏井万作

THE NOVEMBERSのニューアルバム『Hallelujah』は、「11月」を冠する彼らの結成「11周年」というメモリアルイヤーに、バンドが初めて未来を見据えたアルバムだ。「僕は30年かけて、バンドは11年かけて、この『Hallelujah』を作ったような気持ちでいます」というボーカル・小林祐介のコメントが示しているように、まさに渾身の作品であり、音楽的には集大成でありつつ、その意志は完全に新たなモードに突入している。

9月30日から始まったリリースツアーのファイナルは、11月11日の新木場スタジオコースト。そして、彼らはこの日のライブDVDを制作すべく、CAMPFIREを使ったクラウドファンディングの企画をスタートさせた。今回はメンバー全員インタビューで11年の軌跡を語ってもらうと共に、ツアーファイナルとその映像化のためのクラウドファンディング活用への想いを訊いた。

「このままではいたくない」「自分たちで自分たちの運命を変える」っていう想いがあった。(小林)

―まずは結成11周年というTHE NOVEMBERSらしいメモリアルイヤーを迎えた今の率直な気持ちを聞かせてください。

小林(Vo):これまでは、目の前にあることをただ夢中でやってきた10年だったんですけど、11周年に入ってからは、未来のことを考える時間がすごく増えて、生まれ変わったような気持ちです。

『Hallelujah』を作り始めたのと11周年のスタートがほぼ同時期だったんですけど、いろいろなことを考えたり、疑ったり、信じ直したりってことが一気に押し寄せてきたんですよね。それは決してたまたまではなくて、「このままではいたくない」っていう気持ちとか、「自分たちで自分たちの運命を変える」っていう想いがあったからなんですけど。

―バンドの結成当時に「こうなりたい」という目標のようなものはあったのでしょうか?

小林:最初からメンバーだったのは僕と高松くんで、二人ともラルクが好きっていうのがあったんですけど、たぶん僕より高松くんの方が「バンドでデビューして、音楽で飯を食う」みたいなことを信じてたと思います。僕はとにかく美しいものを作るのが好きで、音楽に興味があって、バンドをやりたかったっていう、ホントにそれだけ。「成功したい」みたいな目標って、悪い意味で全然なかった。

THE NOVEMBERSライブ風景 ©Yusuke Yamatani
THE NOVEMBERSライブ風景 ©Yusuke Yamatani

―「野心」はなかったと。

小林:一切なかったです。変に浮世離れしてたんですよね。表現に対する欲求にしても、「めちゃくちゃになってしまいたい」とか、爆音でギターを鳴らして「すごいところまで行ってしまいたい」みたいな、そこに憑りつかれていたというか。当時デモCDを作ってメジャーレーベルに送ったりもしてるんですけど、「評価されたい」とかじゃなくて、「僕が好きだったバンドを見出した人が、僕の曲を聴いたら何て言うんだろう?」っていう、単純な興味だったんです。

―ちなみに、リアクションはあったんですか?

小林:ちゃんと返事が返ってきて、評価されるためのアドバイスもしてくれたんですけど、僕らがこだわってたのはそういう対外的な部分じゃなかったから、ひとつも聞きませんでした。「あのときは尖ってた」みたいなかっこいい話でもなく、人に関わりを求めたくせに、関わってきたら拒絶するっていう、今思うとホントに失礼な話なんですけどね(笑)。

震災で、「自分は社会に音楽家として存在してるんだな」っていうことを自覚したんです。(小林)

―おそらく、バンドのムードが変わってきたのはシングル『(Two) into holy』とアルバム『To (melt into)』を同時に発表した2011年頃ではないかと思います。言うまでもなく、震災があったタイミングであり、この頃から視点が他者へと開かれ、「生きる」というテーマ性も浮かび上がってきたような印象があります。

『To (melt into)』収録楽曲

小林:震災に対して、いろんな人がいろんなリアクションをしたじゃないですか? それを見ていて、「自分は社会に音楽家として存在してるんだな」っていうことを自覚したんです。いろんな立場の音楽家がいて、この人はこんなことを世の中に発信してる。じゃあ、自分はどうだろう? とか、そういうことを考え直すきっかけになった気がしますね。

吉木(Dr):その頃に小林くんが能動的に外と関わり出して、会いたい人に会いに行くようになったよね。

―それまでは違っていた?

吉木:そんなに周りに興味がなさそうで、誰かと話したりっていう役はわりと僕がやってたんですけど、その頃から変わってきましたね。あとよく覚えてるのが、「明日死んじゃうかもしれない」みたいな話をよくしました。「明日死んだら、この作品は出せないんだ」とか。

THE NOVEMBERSライブ風景 ©Yusuke Yamatani
THE NOVEMBERSライブ風景 ©Yusuke Yamatani

小林:ああそうだ、カート・コバーンが亡くなった後に、変なデモテープみたいなのをリリースされたりしてて。ああいうのが僕は嫌で、「こんなの出されたら、死んでも死にきれん」みたいなことを言ってたんですけど、明日は我が身だなって思うと、デモとかにしても「せめてここまで形にしてから寝よう」とか、「歌詞をあと一行だけ書こう」とか、そんなことをやってるうちに朝が来ちゃって、不眠症になっちゃったんです。なので、「生きることをテーマにしよう」みたいな話はしてないんですけど、心身の豊かさに価値を置くっていうことに自覚的になったのがその頃だったかもしれないですね。

―そうした変化が、2013年の自主レーベル「MERZ」立ち上げにもつながったわけですよね。MERZの設立から約3年が経過して、何が一番大きく変わりましたか?

小林:独立してからは、自分たちが何も知らなかったってことを目の当たりにする毎日で……社会経験を積めたのが何よりも大きかったですよね(笑)。でも、今回の『Hallelujah』でHostess(RADIOHEADやBECK、ADELEなど数多くの洋楽作品を日本でリリースしている音楽レーベル)と一緒にやることになって思うのは、この3年は自負できる実績と自信を得るための3年だったような気がします。

―自分たちでできるんだ! と。

小林:そうですね。「自分たちはここまでできる」っていうことと、逆に「自分たちではここまでしかできない」っていうことが明らかになって、その道のプロたちの力を借りることの重要性を再認識できました。この3年の中で、自分たちがちょっとずつ社会に試されていたような感じですよね。

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プロジェクト情報

CAMPFIRE
「THE NOVEMBERS、11周年11月11日のコースト公演を美しい映像で残す」

リリース情報

THE NOVEMBERS『Hallelujah』
THE NOVEMBERS
『Hallelujah』(CD)

2016年9月21日(水)発売
価格:2,808円(税込)
MAGNIPH / Hostess

1. Hallelujah
2. 黒い虹
3. 1000年
4. 美しい火
5. 愛はなけなし
6. 風
7. 時間さえも年老いて
8. !!!!!!!!!!!
9. ただ遠くへ
10. あなたを愛したい
11. いこうよ

イベント情報

『11th Anniversary & 6th Album Release Tour - Hallelujah -』

2016年10月13日(木)
会場:宮城県 仙台 enn 2nd

2016年10月19日(水)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

2016年10月23日(日)
会場:栃木県 宇都宮HEAVENS ROCK VJ-2

2016年11月11日(金)
会場:東京都 新木場STUDIO COAST

2016年12月17日(土)
会場:台北 The Wall

プロフィール

THE NOVEMBERS
THE NOVEMBERS(ざ のーべんばーず)

2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。小林祐介(Vo,Gt)は、CHARA,yukihiro(L'Arc~en~Ciel),Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO's bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画『ラブ&ピース』にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2016年9月21日に6枚目のアルバム『Hallelujah』をMAGNIPH/Hostessからリリース。

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ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)