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ROVO初の全員インタビューで明かされる結成秘話と20年の歴史

ROVO初の全員インタビューで明かされる結成秘話と20年の歴史

ROVO『XI』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:飯嶋藍子
2016/10/21

知っている人が知っている曲を再確認するんじゃなくて、「あそこで何か起こってる」と興味を持ってもらえることをやってきた。(益子)

―ROVOの歩みはフェス文化の隆盛とシンクロしてきた部分があって、『フジロック』も今年で20年目を迎えたというのはその象徴だと思います。

勝井:いわゆる普通のバンドがライブハウスでライブをするってだけじゃなく、DJとかも含めたミクスチャーなかたちになっていったのは、僕らや僕らの周りのアーティストがいたからだと思う。その意味ではフェスができていったのはお互いにとって良かったですね。特に『フジロック』に関しては感謝してます。

原田:当時ドラムンベースが盛り上がっていたのは運がよかったよね。勝井さんは計画的に「ダンスミュージックをやろう」って考えていたと思うけど、僕としてはダンスミュージックみたいなものに偶然出会って、「これだ!」っていうのを積み重ねてきた感覚なんです。フェスもちょうどその頃から盛り上がったし、僕らがこういうかたちになったのは、いろんな巡りあわせのひとつだったのかなって。

原田仁

益子:知っている人が知っている曲を再確認するんじゃなくて、「あそこで何か起こってる」という感じで興味を持ってもらえることをやってきたと思うので、フェスって僕らの音楽の機能にすごく合った場だなと思います。

―「場所」という意味では、2003年からROVOが主催する『MDT FESTIVAL』がスタートして、もはや毎年の恒例行事となっていますね。

山本:『MDT』は東西のロックの殿堂でやろうってところから始めました。

勝井:京大西部講堂と日比谷野音っていう、やっぱり場所の力は大きいですよね。

―芳垣さんはフェスや場所の力についてどうお考えですか?

芳垣:やっぱり、『フジロック』に行くと、GREEN STAGEや他のステージに出たこともあるけど、FIELD OF HEAVENが一番自分たちに合っている感じがする。

ただ、フェスは自分の音が客席に届いてるかどうかがわからないから、その意味では僕はあんまり面白さは感じない。例えば、最近だと横浜のサムズアップでライブをしたんだけど、「音を出す」という意味ではそういう場所でやった方がダイレクトに届いている感じがして楽しいかな。

 
 

勝井:演奏する場所によって感覚が全然違いますよね。ホントはどの曲をやるかもその場に行ってから決めたいくらい。

益子:その場所の空気感ってすごく大切だから、そこに無理やりねじ込むんじゃなくて、その場の空気をちゃんと馴染ませて共有してからライブを始めたい。つまり、1曲目はライブ全体のイントロというか、チューニングみたいなものなんですよ。お客さんと自分たちとその場所のチューニング。だから、特に1曲目は当日その場で決めたいですね。

左から:益子樹、原田仁

―その発想って、DJカルチャーとの接点を持ってスタートしたバンドならではかもしれないですね。

岡部:そうかもしれない。歌ものだと「1曲目はこれ」ってなると思うけど、ROVOはインストだから、メッセージがないじゃないですか? メッセージは、僕たちが提示したものに対して、お客さんがどう感じるかでしかない。でもそのぶん、僕らはその場でその瞬間の雰囲気を読んだり、場所によって変化できる。そこはすごく面白いですね。

山本さんが「抽象的なラテンやってくれ」って言ったら、芳垣さんが「ああ、わかった」って。「この人はすげえ」って思いましたよ(笑)。(勝井)

―20年の歴史の中で、メンバー全員が共有しているバンドのターニングポイントを挙げるとすると、いつのどんなタイミングでしたか?

原田:2001年に中西宏司くんが加入してるんですけど(2004年に脱退)、その前に“NA-X”と“SUKHNA”を始めたんですよ。それまではドラムンベースかシンプルな8ビートの曲だけだったんだけど、あの2曲はポリリズムを使っていたり……、そのタイミングは、楽曲にも変化があって大きかったですね。

山本:その2曲はいまもライブでやっていますしね。最初にできたのが“CISCO!”とかで、その後に“NA-X”と“SUKHNA”ができて、あのあたりの曲がロックフェスが始まる準備段階の曲だった。

原田:あと、そのときに「抽象的なラテン」とかいうキーワードが出てきて(笑)。個人的にも、ラテンとかのボキャブラリーはなかったから、「どうしよう?」って初めて思って。

山本:俺もなかったなあ。

芳垣:いま「俺もなかった」って言った人が「ラテンやってください」って言ったんですよ(笑)。しかも「どんな?」って聞いたら、「抽象的なラテン」って言うから、「はあ?」って。禅問答みたいな感じだったよね。

芳垣安洋

勝井:でも、芳垣さん「ああ、わかった」って言ったから、「この人はすげえ」って思いましたよ(笑)。確かに、あそこはターニングポイントだったかも。

―ツインドラムの役割もそのあたりで変わってきたわけですか?

芳垣:最初は左右に同じセットがあって、二人で同じことをやるところからスタートしたんだけど、“NA-X”“SUKHNA”あたりから、ひとつのリズムパターンを二人のドラムのかみ合わせで作るというかたちに移行していったんです。でも、それも「俺はこっちやるから、お前はこっち」みたいに決めるわけではなく、何となくやりながら作っていったかな。

益子:その前に、『imago』(1999年)を作ったのも大きいと思うんですよね。あのアルバムはバンドでせーので録音するんじゃなくて、それぞれのパートを重ねていく作り方だったから、その制作過程で、それぞれの「こういうことをやりたいと思ってる」っていうのを共有できたと思うんです。

例えば、“MATTAH”って曲は芳垣さんと岡部さんにアクセントの位置を指定して叩いてもらったんですけど、その曲以外はお任せして組んでもらうようになっていったので、『imago』はいまに至るバンドの原型だと思いますね。

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リリース情報

ROVO『XI』
ROVO
『XI』(CD)

2016年10月26日(水)発売
価格:2,916円(税込)
WRCD-70

1. XI
2. R.o.N
3. PALMA
4. KMARA
5. LIEGE

イベント情報

『ROVOニューアルバム「XI(eleven)」発売記念LIVEツアー』

2016年11月9日(水)
会場:愛知県 今池TOKUZO
出演:
ROVO
NYANTORA
ROVO×ナカコー
料金:前売3,800円 当日4,300円(共にドリンク別)

2016年11月10日(木)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La
出演:
ROVO
PARA
and more
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年11月12日(土)
会場:東京都 代官山 UNIT
出演:
Koji Nakamura(バンドセット)
ROVO
料金:前売4,300円 当日4,800円(共にドリンク別)

『ROVO結成20周年記念シリーズファイナルワンマンLIVE』

2016年11月13日(日)
会場:東京都 代官山UNIT
出演:ROVO
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

※11月12日と11月13日の前売通しチケット7,000円(ROVO結成20周年記念品付き)

プロフィール

ROVO
ROVO(ろぼ)

「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。驚異のツインドラムから叩き出される強靱なグルーヴを核に、6人の鬼神が創り出す音宇宙。音と光、時間と空間が溶け合った異次元時空のなか、どこまでも昇りつめていく非日常LIVEは、ROVOでしか体験できない。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

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