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港カヲル×暴動(宮藤官九郎)が語るグループ魂の一流のふざけ方

港カヲル×暴動(宮藤官九郎)が語るグループ魂の一流のふざけ方

港カヲル『俺でいいのかい』
インタビュー・テキスト
兵庫慎司
撮影:西田香織 編集:矢島由佳子、飯嶋藍子

ほかのメンバーもそうだと思うんですけど、モテてる気になるんですよね。(港)

―氣志團という、もともと「バンド」という形態をとっている側からの笑いのアプローチということですよね。

暴動:そう。まったく逆からこんなおもしろい人たちがいるんだ、あっちが16歳ならこっちは46歳でやってみるか、と思って台本に書いたのが最初なんです。まさかほんとにこんなに長くやるとは思ってなかったし、こんなにやってもみんな変わんないっていうことも思ってなかった。

港カヲルソロコンサートのコントの台本を書きながら、いい意味じゃなくて、「変わってないなあ」って……。こんなにやったら、もうちょっと利口になれてると思ったのに、そうでもなかったっていう感じですね。「やり方ってほかになかったのかなあ?」って思いながら。

暴動

:はははは。

暴動:台本書いて、打ち合わせして、「なんで俺、これをまだやってんだろう?」って。演出助手に「国際フォーラムだからフライング(ワイヤーで体を吊り舞台上を飛ぶ演出)やりたいんだけど」って言ったら全力で止められて(笑)。衣裳さんと打ち合わせして、「皆川くん、もうあの衣裳入んないんですよね」とか言って……。言ってることもやってることも、なんにも成長してないなと。46歳までやったらもうちょっとなんか、今の俺のポジションに誰かいると思ってたんだけど……。

―すみません、そこに誰がいるだろうと思っておられたんでしょうか?

暴動:(笑)。いや、わかんないですけど、なんて言うの? もうちょっとわずらわしさを回避できるというか、いつの間にか台本ができていて、「あ、これやればいいのね」みたいな──。

―あり得ないじゃないですか。

暴動:はははは。もうちょっと便利になっていてほしいなと思っていたんです。でも、全然やり方が変わってないのってすげえなって。みんなのスケジュール合わせて……あ、それが唯一変わったところだよな。みんなが売れてきて、なかなかスケジュールが合わなくなって。

―だから、続いている方が不思議だと思うんです。みなさんがやっておられるあらゆる仕事の中で、グループ魂は手間がかかるわりにいちばん経済効率が悪いですよね。

暴動:手間かかりますよねえ。

―当時は若手の劇団員と演出家だったのが、今やドラマの主役と大河ドラマの脚本家なわけで。どういうモチベーションで続けているんだろう? と。

:やっぱりねえ……ほかのメンバーもそうだと思うんですけど、モテてる気になるんですよね。夏フェスとか出てワーッてなった時に。

港カヲル

暴動:ははははは! こんなに不純な理由で全員が続けてるバンドってないよね。

:破壊なんか特にそうじゃないですかね。

暴動:そうだね。モテてなかったら死んじゃうからね。

―それは、演劇の舞台にはないものですか?

:ないですよ、あれは。ワーッとかキャーッて言われるじゃないですか? そういうのって舞台ではないですからね。

暴動:ま、ないね。静かに見るもんだから。でも、本当にそれだけの理由だったら、べつにやめてもいいよ?

:……だからみんな成長しないんですよね。でも、もしかしたら、それが若さの秘訣かもしれないですよね。

暴動:え、誰が若いの?(笑)

20代の頃はもっと屈折していたし、期待もしていた。でも僕は早くそうじゃなくなりたいなあって。(暴動)

―以前に宮藤さんのエッセイで読んだんですけど、芝居の楽屋で松尾スズキさんといる時に、松尾さんがボソッと「いつまでこうしてふざけ続けられるかなあ」とおっしゃったと。

暴動:ああ、はい。それももう10年ぐらい前かなあ。

―だから、カヲルさんが本当に46歳になるまではふざけ続けられたんだなあ、と。

暴動:そうですねえ。でも、ふざけんのは嫌いじゃないもんね?

:嫌いじゃないですねえ。むしろ、もっとむちゃくちゃやりたいんですよね。でも、身体がもう……ヒザとかね、本番前にバンテリン塗らないと動けなくなってきたんですよ、最近。

港カヲル

暴動:「今だからこそ、ふざけてた方がいい」って思うよね。20代の頃とかって、みんなもっと屈折していたし、期待もしていた。ギラギラもしていたからだと思うんですけど、僕は早くそうじゃなくなりたいなあと思っていて。

―それはなぜですか?

暴動:シティボーイズが憧れだったんです。当時シティボーイズは40代ぐらいだったと思うんですけど。シティボーイズみたいに、わりきって1年に1回バカみたいなことをやって、それで続けていけるのってすごく理想的だなって。

枯れた味わいとか、いろんなものを削ぎ落として残ったものはこれだな、と思ってシティボーイズを見ていたんです。そして、今我々はその年齢になっているんですけど、「誰も俺らに憧れてねえだろうな」って思うんですよね(笑)。

暴動

:憧れられてないですね。

―でも、今や宮藤さんは「先生」と呼ばれてもおかしくないし、ふざけを一切やめても全然問題ないですよ?

暴動:いやあ……でもやっぱり、それは嫌なんだろうなあ。でも、ふざけるところと真面目なところ、どっちもないとやっていけないじゃない?

:はははは。ふざけるのは大事ですよね。確かにそれがないと真面目にもできない。コントラストができないというか。

暴動:俺もふざけるのは好きなんです。でも、人前でワーッてふざけるためには、みんなが気持ちよくふざけてくれる前までのところはしっかりやんなきゃいけないと思っていて。それが芝居でいうと稽古で、バンドでいうリハなんです。ただふざけるっていうのは違うし、それだけだと疲れちゃうもんね。

:そうですよねえ。

―でも、港さんも、ドラマとか映画とかふざけない役も全然ありなわけだし。

暴動:でも、ああいう仕事をやり続けていくんだったら、人前で風俗の話とかしちゃダメだよ、ほんと(笑)。あれはマイナスだよ。

:でも、風俗の話する奴が真面目な芝居をしてるって、すごく深みが出るでしょ?

暴動:それ深みじゃなくて、嘘でしょ(笑)。

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リリース情報

港カヲル『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』初回生産限定盤
港カヲル
『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』初回生産限定盤(CD+DVD)

2017年1月25日(水)発売
価格:3,780円(税込)
KSCL-2833

1. 俺でいいのかい
2. ひとり
3. 女子力発電おじさん ~私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル~
4. ランニング・ショット
5. Be my ライバル ~カヲルが破壊に噛み付いた~
6. HOWEVER
7. ふたりのSecond party ~港カヲルが神田沙也加に出会った~
8. 君は1000%
9. 東京午前3時
10. 壊れかけのRadio
11. カヲルの子守歌
12. 南部ダイバー
[DVD]
1. 情熱皆川大陸 ディレクターズカット

港カヲル『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』通常盤
港カヲル
『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』通常盤(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:3,024円(税込)
KSCL-2835

1. 俺でいいのかい
2. ひとり
3. 女子力発電おじさん ~私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル~
4. ランニング・ショット
5. Be my ライバル ~カヲルが破壊に噛み付いた~
6. HOWEVER
7. ふたりのSecond party ~港カヲルが神田沙也加に出会った~
8. 君は1000%
9. 東京午前3時
10. 壊れかけのRadio
11. カヲルの子守歌
12. 南部ダイバー

イベント情報

『港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~』

2017年2月1日(水)
会場:東京都 有楽町 東京国際フォーラム ホールA

2017年2月7日(火)
会場:大阪府 オリックス劇場

料金:各公演6,500円

プロフィール

グループ魂
グループ魂(ぐるーぷ たましい)

大人計画の俳優を中心に1995年に結成したロックバンド。メンバーは破壊(vocal / 阿部サダヲ)、暴動(Gt / 宮藤官九郎)、バイト君(村杉蝉之介 / 大道具)、小園(B / 小園竜一)、石鹸(Dr / 三宅弘城)、遅刻(Gt / 富澤タク)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)。元来コントグループゆえ、音楽演奏とMC、ギャグや下ネタを含むコント、シュールなドラマなどを一体化させたパフォーマンスが特色。2002年にアルバム『Run魂Run』でメジャーデビュー。2005年にNHK『紅白歌合戦』出場を果たす。2011年には初の日本武道館公演を達成。2015年7月、20周年記念アルバム『20名』をリリース。2017年、「永遠の46歳」という設定の港カヲルを演じる皆川猿時の実年齢が46歳になることを祝し、ソロデビューアルバム『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』を発売、東京国際フォーラム ホールA、オリックス劇場でソロコンサートを開催する。

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