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A11yourDaysが語る、大人の力を借りずにシーンを切り拓く決意

A11yourDaysが語る、大人の力を借りずにシーンを切り拓く決意

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:鈴木渉 編集:山元翔一

まず自分たちだけでやれることを消化できなければ、大人の力を借りたところで本当の意味での成功にはならない。(Masaya)

―願ってもないチャンスだったと思うのですが、なぜオファーを断ったんですか?

Masaya:もちろん、声をかけていただいたのは本当にありがたかったです。でも、数年先を見たり、A11yourDaysというバンドをトータルで考えたときに、もっと僕たち五人だけでやらなきゃいけないことってたくさんあるんじゃないか? って思って。

まず自分たちだけでやれることを消化できなければ、大人の力を借りたところで本当の意味での成功にはならないんですよね。僕らがフェスに出た段階でどこかに所属してしまっていたら、今みたいに、人に対するありがたみを感じられなかったと思うし。

左から:SOGYON、Masaya

―どこかに所属してしまえば大人の力を借りて、もっと楽に活動できるだろうし、安心感も得られたと思うのですが、その道は選ばなかった。A11yourDaysの音楽にある説得力はそこにあるのかもしれない。

Masaya:でなければ、曲もライブも、もっと薄っぺらいものになっていたと思うんですよね。それで、去年いただいたお話はお断りさせていただいて。チャンスは逃してしまったかもしれないけど、後悔はしていないです。そのぶん、「人」を知れたし、僕らの音楽はこうでありたいっていうビジョンを、明確に見つけられた期間だったので。

SOGYON:僕個人で言えば、ずっと遠い未来ばかり見て、「このままいけばトントン拍子だなぁ」って思っていたんですよ。僕は、これが初めて組むバンドだったし、ステージに立つのも初めてだったんです。だからこそ、「こんなに早くいけるものなの?」って、心のどこかで思っていたんですけど、あるとき、「やっぱり違うわ」って思ったんです。メンバーで話し合ったときに、「夢を見るのは素敵だし、夢を大きく持つのはいいけど、お前、足元見ているか?」って言われて。

SOGYON

―それは、Masayaさんに?

SOGYON:そう。そのとき、「足元、見てねぇわ」って気づいたんですよね。自分が今いるステージは小さなライブハウスで、大きな夏フェスに、来年また出られるかどうかなんてわからない。それに気づいてからは、「ちゃんと頑張らなきゃな」って思うようになりました。ライブに対する姿勢も変わったし、「僕らの音楽はこういうもんだよ」って、届けたい気持ちは強くなりましたね。

―去年のような状況であれば、もっと浮かれていてもおかしくないのに地に足をつけて考えていますね。Masayaさんが、バンド内では姿勢を作っていく役割なんですか?

Masaya:そうっすね(笑)。メンバーに話したり、僕も言われることはありますけど。

SOGYON:基本的に、Masayaがリーダーなんです。一番、僕が話をしているのも彼ですね。僕はバンド経験が少ないので、彼に言われて気づかされたことはいっぱいあります。

僕は、純粋な韓国人でもなければ、純粋な日本人でもない。でも、言い方を変えれば、僕は韓国人であり日本人であるんです。(SOGYON)

―プロフィールには、「『すれちがった時に気になった」という理由だけで未だバンド活動をした事のない韓国出身のVo:SOGYONを抜擢」とあるんですけど、これって具体的にどういった感じだったんですか?

Masaya:僕が説明します(笑)。僕とSOGYONは音大出身なんですけど、前任のドラムが僕の先輩で、新しくギターのJOHNとバンドを始めようとしていて、ボーカルを探していたんです。そのときに、偶然、SOGYONが歌っている姿を見て、「なんか、歌上手いヤツいるじゃん」って話になって。「目立つし、韓国人だし、面白いな。あいつボーカルでいいんじゃない?」ってことになったんです。

左から:SOGYON、Masaya

SOGYON:当時、髪の毛緑だったしな……。

―てっきり道端ですれ違いざまに声かけられたのかと思ったんですけど、音大のなかでの話なんですね。

Masaya:道端だったらヤバすぎます(笑)。

―そうですよね(笑)。おふたりは音大でそれぞれ何を学んでいたんですか?

SOGYON:僕はボーカルです。

Masaya:僕はベースです。そのままですね。「クラシック科」とか「ジャズ科」とか「音響学科」とかいろいろあるんですけど、そのなかで、僕らは「ロック&ポップス学科」っていうところにいて。そこでは、音楽理論も学ぶんですけど、他にも「ミュージックビジネス」っていう授業もあったりして、音楽業界のことや印税のことも学びましたね。イベントプロデュースの授業もあったし、曲のアレンジの授業やDTMの授業もあって、いろいろやりました。

Masaya

―なるほど。そこで学んだことが、今の自主活動のベースになっていたりもするんですね。そもそも、おふたりが音大に入った理由はどうしてだったんですか?

Masaya:僕は、高校を卒業する時点で、音楽しかやりたくなかったんですよ。音楽ができるならフリーターでもよくて。でも、親に「大学は出てほしい」って言われて、でも僕は普通の大学には行く気はなかったし、入っても絶対行かなくなるから、それなら音大しかないなと思って。

―Masayaさんが、「音楽しかやりたくない」という気持ちにまで至った経緯には何があったんですか?

左から:SOGYON、Masaya

Masaya:まず、高校生のときにやっていたバンドで、所属していたわけではないんですけど、お世話になっていた事務所があって。そこから僕らも、高校卒業のタイミングでCDを流通盤で出そうっていう話をしていたんですけど、そのバンドのボーカルが消えちゃったんですよ。そのときに、すごく悔しい思いをしたんですよね。今まで出ていたライブハウス全部に「すみませんでした」って、頭を下げに行って。

それもあって、「このまま終われない」っていう気持ちが強かったんです。僕には、個人的にどうしても会いたい人や追い抜きたい人がいるんですけど、それを全部叶えられるのは音楽だから諦めるわけにはいかないなと。なので、どんな形であれ音楽に携わった仕事をするって決めたんです。

―音楽に対して強い執着があるんですね。ちなみにMasayaさんの音楽的なルーツって、どこにあるんですか?

Masaya:ELLEGARDENですね、完璧に。今はもっといろいろ聴いていますけど、バンドを始めた当時はELLEGARDENしか聴いていなかったです。

―では、SOGYONさんが音大に進んだ理由は?

SOGYON:僕は、母親が同じ音大出身だったんですよ。そこの声楽出身だったので、僕もずっと声楽をやろうと思っていたんです。でも、日本に来てすぐにビジュアル系ロックにドハマりして、ロックに目覚めてしまって。それで、ロックボーカリストの道に進むんですけど。

SOGYON

―SOGYONさんは、いつごろ日本に来たんですか?

SOGYON:7年前くらいに韓国から日本に来たんです。韓国にいたころはK-POPがすごく好きで。他にも、ずっとR&Bが好きでしたね。Maroon 5、Jamiroquai、ブルーノ・マーズとか。

―SOGYONさんは、ご自身が日本と韓国のハーフであることが、ご自身の音楽家としてのアイデンティティーに影響を与えている部分ってあると思いますか?

SOGYON:それは絶対にあります。僕は、純粋な韓国人でもなければ、純粋な日本人でもない。でも、言い方を変えれば、僕は韓国人であり日本人でもあるんですよ。そんな僕が、結局のところ、歌いたいことって、最終的には世界平和なんですけど(笑)……でも、突き詰めていくと、もっと個人的な想いもあるんです。

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リリース情報

A11yourDays『you,』
A11yourDays
『you,』(CD)

2017年3月8日(水)発売
価格:1,728円(税込)
EGGS-018

1. Bell
2. City(album ver.)
3. Title Role
4. Talk About
5. Kite
6. rainy day

プロフィール

A11yourDays
A11yourDays(おーる ゆあ でいず)

全ては「あなた」の日々を彩るため。日本、韓国、アメリカの血が混ざり合う多国籍ピアノロックバンド。ポップスとロックを根底に各個性が彩る楽曲たち。のびやかで綺麗な声と3か国で描く唄を武器に活動を開始する。前任ドラマーとJohn(Gt)の前身バンドの解散から1か月。かつてからの仲間UK(Key)、Masaya(Ba)を誘い活動を開始。「すれちがった時に気になった」という理由だけでバンド活動をしたことのなかった韓国出身のSOGYONをボーカルに抜擢。2017年3月8日、ミニアルバム『you,』をリリースする。

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