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A11yourDaysが語る、大人の力を借りずにシーンを切り拓く決意

A11yourDaysが語る、大人の力を借りずにシーンを切り拓く決意

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:鈴木渉 編集:山元翔一

「あなたと日々を共にしていきたい」っていう、ただそれだけなんですよ、僕らのバンドの存在意義って。(SOGYON)

―世界平和を歌いたいSOGYONさんの個人的な想いというのは?

SOGYON:僕は昔、韓国にいたころに、日本人とのハーフだからっていう理由でいじめられていたことがあって。それと同じように、生まれたところや国籍を理由にいじめられている人って、世の中にはたくさんいると思うんですよね。

僕は、音楽でいろんな人を救いたいし、いろんな人をハッピーにしたいと思うんですけど、行き着くのは、生まれや国籍を理由にいじめられている人を救い出してあげたいんだっていうところなんです。世の中から差別をなくしたい。それが、僕のボーカル性じゃないかなぁ。

SOGYON

―なるほど。この度リリースされる初の全国流通盤『you,』は基本的に日本語と英語で歌われていますけど、韓国語の歌詞も、今後出てくる可能性はあるんですか?

A11yourDays『you,』ジャケット
A11yourDays『you,』ジャケット(Amazonで見る

SOGYON:去年出したデモシングルには、韓国語のフレーズをちらっと使った曲も入っているんですよ。主には日本詞と英語詞ですけど、今後も要所要所で韓国語を入れていく機会があってもいいのかなって思いますね。

―今、世の中的に人種差別や移民排斥というのは、とても大きな問題になっていますよね。そういう今だからこそ、自分のような存在が歌いたい、という想いはありますか?

SOGYON:難しい質問だなぁ(笑)。今の僕の立場で、何かできるのか? って逆に思ってしまうんですけどね。……ただ、僕がどうこう言える立場ではないけど、アメリカも韓国もリーダーが狂っていますからね。世界は狂っていますよ。

左から:SOGYON、Masaya

―今の狂った時代感のなかで、SOGYONさんが、たとえ小さなライブハウスでも自分のアイデンティティーをかけて歌を歌うことには、大きな意味があると思いますよ。

SOGYON:うん、それは絶対に意味のあることだと思います。

―去年、『exPoP!!!!!』に出演した際のライブがとても印象深かったんですよね(ライブレポート:BOMI、HOWL BE QUIETらの、時を経ても響き続ける音楽と物語)。オープンニングアクトという立ち位置でしたけど、完全にフロアをバンドの空気に巻き込んでいたし、25分間のステージで、「A11yourDays」という物語を描ききっているような印象を受けました。オムニバスのライブであそこまでやりきるのは、相当な覚悟と野心がないとできないんじゃないかって思ったんです。

SOGYON:ライブは、「一緒に作っていく」ことが第一だと思っているんです。でも、それは別に「みんなで楽しめればいいや」っていうことではなくて、辛いことも、楽しいことも、全ての感情を音楽に変えて共有することというか。

素敵な景色をその30分に関して見せられたらいいなって思っています。「A11yourDays」っていうバンド名にも込めていますけど、「あなたと日々を共にしていきたい」っていう、ただそれだけなんですよ、僕らのバンドの存在意義って。

左から:SOGYON、Masaya

死のうとしていたヤツを救う音楽もあれば、カップルを結婚へと導くような音楽もある。音楽って人生を変えると思うんですよ。それはもう、その力を信じざるを得ないですよね。(SOGYON)

―A11yourDaysには「全ては『あなた』の日々を彩る為」というコピーがありますけど、これは結成当初からあるものなんですか?

SOGYON:そうですね。最初は「誰に向けて歌うのか?」「何を歌うか?」って言うことをすごく考えて。「愛を歌う」とか「希望を歌う」っていうのはよくあるかもしれないけど、「あなた自身の人生を歌う」って、そうないなって思ったんです。

人生って日々更新されていくものだし、人にはそれぞれのストーリーがある。でも、数えきれないその一つひとつを、少しずつでもピックアップして、1個ずつそのストーリーを歌っていけたらと思って、このコピーは作りました。

左から:SOGYON、Masaya

Masaya:音楽を聴いたりライブを観たりして、何かを感じとって明日を頑張ろうって気持ちになれたり、何かにチャレンジしてみようって思う人って、少なからずいると思うんですよ。たとえば、僕は高校生のころに、自殺しようとしたことがあって。「僕は死ぬから、最後に好きな曲を聴こう」と思ってELLEGARDENの“高架線”っていう曲を聴いたんです。

そのとき、曲と自分の人生が重なって……本当に、「この曲、僕のために書かれたんじゃないか?」って思えるぐらい、重なったんですよね。それで、「今、こんなことで悩む必要ないわ」って思って、死ぬことをやめたんです。こういうふうに、僕らの“city”が、もしかしたら誰かの人生に重なるのかもしれないし。

左から:SOGYON、Masaya

左から:SOGYON、Masaya

SOGYON:死のうとしていたヤツを救う音楽もあれば、カップルを結婚へと導くような音楽もある。いろんなエピソードがあると思うんですけど、音楽って、本当に聴いた人の人生を変えると思うんですよ。それはもう、その力を信じざるを得ないですよね。

―今、バンドとしては上を目指した野心的なモードなんですよね?

Masaya:そうなんですけど、「やってやるぞ!」っていう反面、不安はたくさんあります。僕で言えば、このバンドのリーダーとして大人の人たちと話をして……正直、眠れないです。「CDを1枚でも多く売るためにはどうしたらいいんだろう?」とか、考え始めると、不安は募りに募りますね。

CDが売れない世の中だし、調子に乗れる余裕なんて1ミリもないです。今回のリリースに関しても、「やったー、全国流通だ!」なんて全然思わない。ひとつステージが上がるということだから、そのぶん見てくれる人も増えるし、責任も増えるし、正直怖いですよ。一つひとつの活動に意味を持たせなきゃ、これからはきついんだろなって思ったりしますね。

左から:SOGYON、Masaya

―どこに行き着いたら、手放しで喜べるんでしょうね。

Masaya:僕、手放しで喜べることはないと思います。どんな立場であろうと、上を志す人間に果てはないと思うんですよ。ある程度は、積み上げてきたものを見て息をつく瞬間はあると思うけど、絶対に「さぁ、次は何をやろう?」っていう、次の壁が出てくる。僕らが、ここから武道館に行くには何枚もの壁があるけど、武道館を越えたら、そこから先はアリーナやドームがあるし……果てはないですよね。

でも、今の段階でも僕らには背負っているものがあるんですよ。これまでお世話になってきた人への感謝もそうだし、恩返ししたい相手もいるし。よく、SOGYONがMCでも言っているけど、僕らにとっては、お客さんもメンバーなんです。今日、ずっと「みんなで作る」って言っていますけど、それをちゃんと証明するために、どんどん上に行って、みんなでいい景色を作っていきたいですね。

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リリース情報

A11yourDays『you,』
A11yourDays
『you,』(CD)

2017年3月8日(水)発売
価格:1,728円(税込)
EGGS-018

1. Bell
2. City(album ver.)
3. Title Role
4. Talk About
5. Kite
6. rainy day

プロフィール

A11yourDays
A11yourDays(おーる ゆあ でいず)

全ては「あなた」の日々を彩るため。日本、韓国、アメリカの血が混ざり合う多国籍ピアノロックバンド。ポップスとロックを根底に各個性が彩る楽曲たち。のびやかで綺麗な声と3か国で描く唄を武器に活動を開始する。前任ドラマーとJohn(Gt)の前身バンドの解散から1か月。かつてからの仲間UK(Key)、Masaya(Ba)を誘い活動を開始。「すれちがった時に気になった」という理由だけでバンド活動をしたことのなかった韓国出身のSOGYONをボーカルに抜擢。2017年3月8日、ミニアルバム『you,』をリリースする。

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