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CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定

CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定

CHAI『ほめごろシリーズ』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2017/04/26

毎日グーグーとお腹を空かせ、新しいものに夢中。ときには性格の悪いイケメンに引っ掛かってしまい、憂さ晴らしにヴィレッジヴァンガードで大はしゃぎ。日々を喜びと悲しみにまみれながら全力で生きる、そんな女の子が1日の終わりに行き着くのはいつも変わらない、ひとりぼっちのベッドルーム。

CHAIが2nd EP『ほめごろシリーズ』で描くのは、なんの変哲もない女の子たちの日常だ。そこにある傷跡や祈りを、CHAIは陽気で強靭なファンクビートに乗せて、すべてを祝福するように描き出す。「なにも持っていない。だけど、なんだってできる」――そんな無力感と全能感に満ちた主人公たちの姿はきっと、ほかならぬCHAIの四人のありのままの姿でもある。

去年夏、名古屋から上京。その強烈なライブパフォーマンスでバズを広げ続けるCHAIにとって、今年は去年以上の飛躍の年になりそうだ。まず手始めに、3月にはアメリカ・オースティンで開催される世界最大のショーケースイベント『SXSW(サウスバイサウスウエスト)』に出演、その後は初めてのUSツアーを敢行した。常に「目標は『グラミー賞』!」と公言する彼女たちは、初の海外遠征となったこの旅のなかで、改めて「日本人」である自分たちのアイデンティティーについて思いを巡らせたという。そこで、今回のフォトセッションは日本の情緒溢れる浅草で敢行。また一段とたくましくなった四人の最新語録、楽しんでください。

さらけ出さなきゃダメなんだよね。(ユナ)

―今日はアメリカ帰りのCHAIと、浅草にやって来ました。3月にオースティンで行われた『SXSW』、そしてそこから始まった3週間8都市のUSツアー、いかがでしたか?

全員:楽しかった!!

カナ(Vo,Gt):本当に楽しくて、帰りたくなかったです。日本だと、ライブハウスでもお客さんが前のほうに集まらないじゃないですか。でも、向こうの人は楽しむために率先して前に来るし、腕を組んで観ている人なんてひとりもいなくて。

でも、そういう人たちをさらに楽しませるためには、もっと「伝えたい」という気持ちを前面に出さなきゃいけないんだってわかりました。なので、ライブの仕方が、根本から変わってきた気がします。クールにやっていても、伝わらないなって。

マナ(Vo,Key):そうだよね。アメリカはやった分だけ、ちゃんと反応してくれる。いいものはいい、悪いものは悪いってはっきりしているから、こっちが体張ってパフォーマンスしたほうがいいんだよね。

左から:ユウキ、マナ、カナ、ユナ
左から:ユウキ、マナ、カナ、ユナ

―今までのCHAIでもクールすぎた?

カナ:うん。『SXSW』って、ライブハウスだけじゃなくて、みんな路上でも演奏しているんですけど、どこも窓が開いているから、街全体に音が鳴っている状態で。そんななか路上で演奏している人たちって、みんな自由だったんですよ。「決まりごと」をやっているんじゃなくて、「音楽」を楽しんでやっている感じ。それまでのCHAIは、いつも決めたことをちゃんとやってたんですよね。

マナ:アドリブで勝負しなきゃいけない環境が、あの路上にはあったよね。最後にユナが、ストリートミュージシャンからドラムを借りて、カルメラの辻本(美博)さんと路上セッションをしたら、通行人がラップで参加したり、ダンサーのように踊り出したり、すごく盛り上がって。「やっぱりこういうことなんだ」って思った。

ユウキ(Ba,Cho):結局、自分を見せるというか、かっこつけないっていうことだよね。素直な気持ちが表現として、そのまま体に出るのが一番いいっていうことに気づけたかな。

ユナ(Dr,Cho):さらけ出さなきゃダメなんだよね。前は、けっこう構えちゃっていて、「どうやったら踊らせられるんだろう?」って、「対日本人」の頭でやっちゃってたんです。だから、お客さんとの間に壁が生まれていたんですけど、アメリカで、CHAIはフリーダムになりました(笑)。

CHAI。『SXSW』にて、路上ライブの様子
CHAI。『SXSW』にて、路上ライブの様子

辻本美博(カルメラ)、ユナ(CHAI)。『SXSW』にて、路上ライブの様子
辻本美博(カルメラ)、ユナ(CHAI)。『SXSW』にて、路上ライブの様子

私の股に頭を突っ込んできた黒人の男の人がいて……それがめっちゃ嬉しくて(笑)。(マナ)

―ツアー中、印象的だった場所はありましたか?

マナ:印象的だったのは、LAかな。ツアーはどこも盛り上がったんだけど、LAの会場は、学生街の、レコードショップとかが並んでいる通りのライブハウスだったから、「日本好きな人」というよりは、単純に「音楽好きな人」が集まってくれた印象があって。そこで一番盛り上がったことが、一番自信になりました。しかも、最前列で盛り上がりすぎて、私の股に頭を突っ込んできた黒人の男の人がいて……それがめっちゃ嬉しくて(笑)。

―嬉しいんだ(笑)。

マナ:うん(笑)。でも、そこでダイブしたらCHAIじゃないって思ったから、その人の頭を叩いて終わったんですけど。そのぐらい盛り上がりました(笑)。

『SXSW』にて
『SXSW』にて

―「ダイブするのはCHAIじゃない」っていうのは?

マナ:私、ダイブするイメージが自分のなかにまだなくて。ダイブして触られたら、「こしょばい」って思いそうだなって。「こしょばい! こしょばい!」って騒いでいると、普段の私に戻っちゃいそうだから、やめました(笑)。

―それだけ、ステージのうえではCHAIとしての自分がいるんですね。

ユナ:絶妙に手の届かない存在でいたいなと思いながら、ステージに立っているよね。

カナ:ステージに立つ人は、「スターでなければいけない」って思うよね。なにかを発信する人がアーティストだから、近い存在だともったいない。私たちは、ステージから近いと思わせてくれるアーティストのことを、あまり好きになれないんですよ。ありのままを見せたいとは思うけど、でも「近い」人は、アーティストだとは思えない。

―海外でライブをやってみて、改めて見えてきたCHAIの強みってありますか?

マナ:外国の人からしたら、見た目とかも含めて、私たちはちゃんと「日本人」なんだなって思いました。だからこそ、もっと日本人らしいほうがいいのかなって考えたんです。

CHAI

マナ:私たちは世界で売れたいから、もっともっと、「日本人らしい」ということと「CHAIらしい」ということをつなげていかなきゃいけないのかなって。でも、それは別に、急に演歌をやるっていうことではなくて。ちゃんと、「CHAIらしい日本人」を極めたいと思いました。

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リリース情報

{作品名など}
CHAI
『ほめごろシリーズ』(CD)

2017年4月26日(水)発売
価格:1,728円(税込)
OTEMOYAN record / CHAI-0001

1. Sound & Stomach
2. クールクールビジョン
3. ボーイズ・セコ・メン
4. ヴィレヴァンの
5. sayonara complex

イベント情報

『“ロード・ツー・ダ・GRAMMYs” season3』

2017年5月24日(水)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
CHAI
Helsinki Lambda Club
料金:前売2,500円(ドリンク別)

プロフィール

CHAI
CHAI(ちゃい)

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン!(※最高位36位)。2017年『SXSW』出演と初の全米8都市ツアーも大成功におさめ、4月26日に今現在のCHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP『ほめごろシリーズ』をリリース。その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく「NEOかわいいバンド」、CHAIだよ!

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