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CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定

CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定

CHAI『ほめごろシリーズ』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2017/04/26
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好きな洋楽に似せすぎると、日本では流行るかもしれないけど、絶対にアメリカでは受けない。(マナ)

―CHAIの音楽って、根源を掘っていくと、それはファンクであったりヒップホップであったり、アメリカ発祥のポップミュージックが根底にありますよね?

マナ:うん。

―そうした音楽をやっているうえで生まれる「日本人らしさ」って、どんなものなんだと思いますか?

マナ:まずは、ちゃんと日本語であること。たとえばD.A.N.って、あのサウンドでも、日本語で歌うじゃないですか。すごくかっこいいと思う。でも、最近は英語の歌詞で歌う人が増えてきて、なんだかなぁって思う部分もあって。

―第一のポイントは、言語なんですね。

マナ:やっぱり自分たちの言葉が一番伝わるよね。あと、音楽的には、逆に好きな音楽に似せすぎない。似せると、日本では流行るかもしれないけど、既にアメリカにあるものをやったところで、絶対にアメリカでは受けないから。向こうの人はさらに新しいものが好きだし。

だからこそ、自分たちが好きな海外の音楽……たとえば、今だったらCSSやDEVOが好きだけど、それを昇華しながらも、変にCSSやDEVOに近づけたりするのは、絶対にやめようって思いました。そういうものが日本では変に売れちゃったりするけど、私たちがそれをする必要はないなって。実際にアメリカに行って、受け入れられたから思えたことかもしれない。

CHAI

―前回のインタビュー(「ぽっこりお腹もアートだよ」奔放バンド・CHAIと古着屋を巡る)でマナさんは、「人は自然体でいれれば一番いいとは思うんだけど、でも、絶対になにかには悩むから。その悩んだ部分に誇りを持ってほしい」とおっしゃっていて。それがつまり、CHAIが常に掲げている「コンプレックスはアートなり」というメッセージにつながっていますよね。今の話は、音楽的な面でも、ある種の「コンプレックス」がバンドの個性に変わっていく、ということでもあるような気がします。

マナ:うん、そうですね。めっちゃまとめてくれた(笑)。

言いたくても言えないことを抱えている女の子たちは、いっぱいいると思うんです。(ユウキ)

―では、作品の話に移ろうと思うんですけど、新作『ほめごろシリーズ』は、1st EP『ほったらかシリーズ』から大きく進化しましたね。

マナ:うん。自分たちでも超変わったなって思います。

CHAI『ほめごろシリーズ』
CHAI『ほめごろシリーズ』(Amazonで見る

―まず、音楽的な部分で言うと、この作品を作っているときのモードって、どんなものだったんですか?

マナ:アーティストで言うと、CSS。

ユウキ:PHOENIX。

カナ:XTC。

ユナ:若干、レッチリ。

マナ:JUSTICEもちょっと。あと、やっぱりTOM TOM CLUBは根本にある。そして、“ヴィレヴァンの”は、ただラップがしたかっただけ(笑)。

―前作の時点では、ライブと音源の質感に乖離がありましたけど、今作ではライブでのグルーヴ感がかなりの完成度でパッケージングされていますね。さらに、全体的にハイファイになったし、踊らせ方も主義主張の仕方も、かなりストレートになりましたよね?

マナ:うん、だいぶストレート。「音源で伝えなきゃ」っていう気持ちが、前よりも強くなったんです。ライブはもちろんだけど、音源でも伝えられる人が売れる人だと思うから。

『ほめごろシリーズ』っていうタイトルは、「今、CHAIを褒めておかんと乗り遅れるよ」という意味で。これがバカ売れするイメージは全然できていないんだけど、でも、この作品が、お客さんがCHAIを知るタイミングの一歩目だと思っていて。この作品を褒めた人たちが、一番最初からCHAIを知っている人たちになっていくと思う。

マナ、カナ
マナ、カナ

―バンドとしても、そのスタート地点に立つことができたのは、どうしてなんですかね?

マナ:この1年で、やりたいことがハッキリしたんだと思います。あと、同世代の女の子がライブに来てくれるようになったのは、ちょっとずつ、やりたいことが届いているのかなっていう実感にはなっているのかも。

ユウキ:同性のお客さんは嬉しいよね。同世代の同性に向けたことを、私たちは発信しているから。私たちみたいにコンプレックスも欲望もさらけ出せている人たちってそうそういないし、言いたくても言えないことを抱えている女の子たちは、いっぱいいると思うんです。

ユウキ、ユナ
ユウキ、ユナ

―「コンプレックスを肯定したい」ということ、あるいは「NEOかわいい」というキーワードを伝えていきたいっていう気持ちは強まっていますか?

全員:強まってます!

マナ:アメリカに行ってさらに強まったよね。アメリカ人が自由すぎて、日本人って、自分の個性を隠しすぎなんだなって今まで以上に思った。

ユウキ:アメリカで、いろんな人種の人に会ったんですけど、彼らは髪の色も体形も、着ている服まで自由すぎて。それを見て、私たちが言っていることは間違っていないんだなって思いました。日本はみんな一緒にしようとするけど、海外はそれぞれが「違う」っていうことを気にしていないから。もっと、この価値観を日本に伝えたいなって思った。

CHAI

―根本的にCHAIの発想にあるのは、「自分が着る服や聴く音楽、そうした様々なものを自分でこだわりを持って選ぶ、その一挙手一投足が他者に影響を与えるんだ」ということだと思うんです。それはつまり、自分が笑顔でいることが、隣にいる人を笑顔にする最善の方法なんだ、ということだと思う。

全員:嬉しい!!

―で、さらにCHAIの特徴を挙げると、CHAIは、自分が最高だったらそれでいいんじゃなくて、「あなたも最高なんだ」と言えるところ。つまり、視点がちゃんと他者に向いていることだと思うんですよね。そういう意味では、CHAIは最初から自分たちの「役割」にすごく自覚的だと思うんです。音楽もファッションも、他者への影響を常に認識しながら活動していると思うですけど、これはどうしてなんですか?

マナ:やっぱり私たち自身が完璧じゃないからだと思う。AKBも同じようなことを言っていたけど(笑)、私たちは彼女たちよりももっと下だから。学校の8クラスのなかで、「100人かわいい子を挙げろ」って言われても、そのなかには入らない。中の下くらいにいる存在なんだっていうことを、ちゃんとわかっている。だからこそ、私たちがちゃんと伝えたいと思うんです。私たちだって、絶対に完璧にはなれないから。

ユウキ:完璧じゃないからこそ、誰よりもハングリー精神が強いんだよね。

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リリース情報

{作品名など}
CHAI
『ほめごろシリーズ』(CD)

2017年4月26日(水)発売
価格:1,728円(税込)
OTEMOYAN record / CHAI-0001

1. Sound & Stomach
2. クールクールビジョン
3. ボーイズ・セコ・メン
4. ヴィレヴァンの
5. sayonara complex

イベント情報

『“ロード・ツー・ダ・GRAMMYs” season3』

2017年5月24日(水)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
CHAI
Helsinki Lambda Club
料金:前売2,500円(ドリンク別)

プロフィール

CHAI
CHAI(ちゃい)

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン!(※最高位36位)。2017年『SXSW』出演と初の全米8都市ツアーも大成功におさめ、4月26日に今現在のCHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP『ほめごろシリーズ』をリリース。その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく「NEOかわいいバンド」、CHAIだよ!

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